放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第51回

第51回 – 2011年7月

BS11『”自”論対論 参議院発』に関する意見の通知・公表について

テレビ東京『月曜プレミア!主治医が見つかる診療所』と毎日放送『イチハチ』の情報バラエティー2番組3事案に関する意見の通知・公表について ……など

第51回放送倫理検証委員会は7月8日に開催された。
6月30日に通知・公表が行われたBS11(日本BS放送)の『”自”論対論 参議院発』事案、および7月6日に通知・公表が行われたテレビ東京『月曜プレミア!主治医が見つかる診療所』と毎日放送『イチハチ』の情報バラエティー2番組3事案については、記者会見を報じたテレビニュースや新聞記事を見たうえで意見交換を行った。
前回審議入りしたテレビ東京の情報バラエティー番組『ありえへん∞世界』僻地第3弾「南大東島」は、当該局への聞き取り調査の結果をもとに2回目の審議が行われた。その結果、「実態とかけ離れた誇張表現」に至る原因などの分析と問題点についての合意が得られたため、意見書の草案作りに着手することとなった。

議事の詳細

日時
2011年 7月 8日(火) 午後5時~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
川端委員長、吉岡委員長代行、石井委員、香山委員、是枝委員、重松委員、立花委員、服部委員、水島委員

BS11『”自”論対論 参議院発』に関する意見の通知・公表について

2011年の1月から3月まで、11回にわたって放送されたBS11の政治討論番組『”自”論対論 参議院発』は、番組の司会者もゲストも、全ての出演者がひとつの政党所属の議員だけで構成されていて、政治的公平性に問題があるとされた。
委員会は6月30日、「この番組が放送倫理に違反する」と判断した意見を、当該局に対して通知し続いて記者発表を行った。委員会の席上では、記者会見での質疑応答などに関する報告が事務局からあり、続いて記者会見の模様を報じたテレビニュースや新聞記事を見たうえで、意見交換が行われた。

テレビ東京『月曜プレミア!主治医が見つかる診療所』と毎日放送『イチハチ』の情報バラエティー2番組3事案に関する意見の通知・公表について

一括審議となっていた上記3事案は、いずれも取り上げた情報や事実の正確さを確認する努力を怠っていて、その扱い方が杜撰であったこと、また、そのうち2事案については、出演者が放送で取り上げた情報と密接な利害関係を有していた点で、公正さを欠くとして、「放送倫理違反」とする意見書を7月6日に当該2局に通知し、公表した。2日後の委員会では、これを扱ったテレビ各局の放送や新聞記事を検討したが、委員会の「意見」が正確に反映されていないニュースや記事があるとの指摘がなされた。
また今回、意見書の別冊として添えた「若き制作者への手紙」に対し、当該局のみならず各放送局の関心も深く、勉強会の開催が各局で予定、検討されていることが報告された。

誇張表現が著しく南大東村長から抗議を受けたテレビ東京の情報バラエティー番組『ありえへん∞世界』

僻地紹介シリーズの第3弾として『南大東島』を取り上げたが、多数の農家の収入が1000万円を超え、沖縄本島に豪華な別荘を持つような裕福な暮らしをしていると放送したところ南大東村長から抗議を受け、当該局が実態とかけ離れていることを認めて謝罪した事案。
審議2回目の今回は、番組制作者に対する聞き取り調査の結果が担当委員から提示され、それに基づいて議論が展開された。視聴者に誤った印象を与えてしまった原因はどこにあったか、笑いを取るための許される演出の範囲や、取材対象者への敬意の意義など多角的に意見交換が行われた。審議はほぼ終了し、次回9月の委員会で意見書をまとめることになった。

以上