青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第123回

第123回 – 2011年6月

視聴者意見について

中高生モニターについて …など

第123回青少年委員会は6月28日に開催され、5月16日から6月15日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基にバラエティー1番組について視聴し審議した。また、6月に寄せられた中高生モニター報告について審議したほか、今年度の調査・研究について担当委員より進捗状況及び内容等について報告が行われた。

議事の詳細

日時
2011年6月28日 (火)  午後4時30分~6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、境副委員長、小田桐委員、加藤委員、軍司委員、萩原委員、渡邊委員

視聴者意見について

フジテレビ『めちゃ2イケてるッ!』(6月4日放送)について

男性タレントが女性出演者に襲いかかったりした行為について「性的な行動で低俗であり、子どもが見る時間帯の番組にふさわしくない」などの批判意見が寄せられ、番組を視聴の上審議した。放送は、過激な芸風で売る男性タレントが震災後いち早く福島の被災地に救援物資を届けたことを番組内で暴露し賞賛したことを受け、その男性タレントが自身のキャラクターを守るために暴走するという内容であった。審議の結果、委員会としては特段問題視することはないとした上で、審議における各委員の意見をBPO報告等に掲載することとした。

【委員の主な意見】

  • 出演したタレントのキャラクターは多少ひどいことをしてもひどいという印象が残らない。今回も視聴者がいやらしいとかの感情は持たないという気がする。ただ、カメラアングルや編集にもう一工夫できたのではないか。
  • キャラクターがわかっている人には容認できる行為も、初めて見た人、特に子を持つ母親からしたら「何あれ」と思い非常に不愉快に感じるのではないか。
  • 悪役が社会的に良いことをするということがバレたらタレント生命がなくなるので必死にそれを隠そうとする。そういう世界を視聴者が感じる効果があったかもしれず特段問題にする必要はない。
  • 文脈上は理解できるが、少しでも面白いところは思いっきり引っ張るという手法が実にくどく大変不快だ。
  • 結構面白く笑えた。恒常的に毎週こうした内容が繰り返されるのであれば問題があるのかもしれないが、突発的なものとの印象を持ち、特段の問題は感じない。
  • 問題は被災地福島をタネに話を展開しており、福島の被災者から見たら不快感、嫌悪感を抱く内容ではないか。
  • 番組内容が福島の人を馬鹿にしているとも思わないし福島の人が不快になるとも思わない。

中高生モニターについて

5~7月の中高生モニター報告は、「バラエティー・クイズ・音楽番組」のジャンルを取り上げている。6月のモニター報告のテーマは、「バラエティー・クイズ・音楽番組」のジャンルから最近見た番組の中で「面白くない番組」「嫌いな番組」を選び、「その理由や、好感の持てない出演者・タレント」について率直な意見を報告してもらった。32人からリポートが届いた。
際立って意見の多かった番組は、日本テレビ系列の『行列のできる法律相談所』(9人)とフジテレビ系列の『クイズ!ヘキサゴンII』(7人)だった。この結果は、昨年の報告と極めて似通ったものになっている(昨年は『クイズ!ヘキサゴンII』に12人、『行列のできる法律相談所』に4人)。

  • 「『行列のできる法律相談所』が嫌いな理由は、番組名と番組内容が矛盾しているからです。だんだん出演者のトークが増えるとともに面白みと法律相談の内容は減り、弁護士の先生方もこの番組に出演する必要がないと思います。島田紳助さんは巧みな話術で皆さんを楽しませているのですが、出演者をいじるとき『死んでしまえ』『消えてしまえ』と言うときがあります。普通そんな言葉で人は笑いません。しかし彼はその言葉を巧みに操り、笑いに変えてしまうのです。もちろんそれは彼の個性であり強みなのですが、ときにそれは凶器となり、人を悪い方向に変えてしまうのです。ですからもっと責任のある言葉で話してほしいと思います」。(高校1年女子)
  • 「毎回の放送が”ワンパターン”ということと、島田紳助さんの行き過ぎた”芸人のいじり”があることが好感の持てない理由です。また、下ネタも控えるべきだと思います。子どもも見ている番組なので気を付けてほしいと思います。島田さんはじめ局の方は『面白くしよう』と思っているのでしょうが、毎回、毎回おなじようなことを放送しているのを見るとどこかイライラしてきます」。(中学3年男子)
  • 「司会の島田紳助は、自分の”株”をあげたいだけのように見えます。偉そうなことばかり言って、他の出演者は口をそろえて『そうですねー』とか『さすがですねー』とか言っています。いくら大御所だからといって、見ている側にとっては正直どうでもいいと思っています」。(高校1年女子)
  • 「『クイズ!ヘキサゴンII』が嫌いです。私には島田紳助さんの司会は権力で若い芸人をいじめているように思います。島田さんは、馬鹿な人には容赦なく馬鹿だと言って貶すし、馬鹿じゃない人にも上げ足を取ってすぐに馬鹿だと言います。それが司会者である島田さんの役目なのかもしれません。けれど、あんなに馬鹿だと言われると、言われる芸人さんは嫌な気持ちになると思うし、見ている私たちも嫌な気持ちになります」。 (高校1年女子)
  • 「クイズ番組なのに解答者がわざと変な答えを言って、うけを狙っているようにしか思えないのです。問題はとてもためになるのに、答える人がそれをぶちこわしているように思います。そういう雰囲気を作っているのは司会者のせいだと感じます。少しえらそうにしてかなり上から目線なのも見ていていやになります。番組の中だけで勝手に盛り上がっていて、見ている人はなんか取り残されているのではと思います」。(中学1年女子)
  • 「番組内で結成されるユニットが今もなおデビューしていますが、正直、そこまでデビューさせなくてもよいのではないかと思いました。いちばん最近デビューしたメンバーは、新選組リアンの方など、島田紳助さんがこれまでにプロデュースしているか、または推している方などがメンバーでした。私が思うに、ただ単に紳助さんの利益を上げようとしている、そんな感じがするのです」。 (中学2年女子)

次に複数意見のあった番組は『しゃべくり007』と『なるほど!ハイスクール』である。

  • 「『しゃべくり007』に出演しているタレントさんたちの芸は面白く好感が持てる。しかし、この番組を嫌いにしている理由は、ゲストの発言にモザイク音をかけることだ。そんなことをしては放送する意味がないし、収録現場の”身内遊び”になっていると思う。(中学2年女子)
  • 「『なるほど!ハイスクール』は、まず内容と雰囲気からしていろんな番組とかぶっている感がしました。例えば、授業があって似ている『世界一受けたい授業』、制服を着ていて雰囲気も似ている『スクール革命』。とてもありきたりで、うんざり感がありました」。(中学3年男子)
  • 「嫌いなタレントはAKB48です。本人たちが嫌いというより、周辺のマスコミの騒ぎ方が気に入りません。『総選挙』と呼ばれるイベントでは、投票権付きのCDを買わなければなりません。ひどい場合5000枚も購入した人がいたという噂です。そして結果が出た翌日、案の定芸能コーナーはこの話題で持ちきりでした。明るい話題ではありますが、国の緊急事態のとき呑気に時間を割くのは如何なものかと思いました」。(中学2年男子)

そのほか寄せられた主な意見。

  • 「『飛び出せ!科学くん』の『子どものころに持っていた夢や好奇心を呼び覚まそう!身近な疑問から地球規模のミステリーまでこの世に存在する全ての謎を遊びながら解明していく”謎解きバラエティー”』という謳い文句は、嘘です。昔は謎を解いたり人体の神秘にふれていたりした気もしますが、今はありません」。(中学3年男子)
  • 「『爆問パワフルフェイス!』が面白くないと思う理由は、出演している芸能人だけが楽しんでいるという感じで、見ている人に面白さが伝わってこないからです。内容も”しょぼい”企画が多いです。また、爆笑問題の2人も司会者としての役割を果たしていない感じで、他の出演者の人たちがワイワイ勝手に話していて全体的にまとまりがない気がします」。(中学1年男子)
  • 「『めちゃ×2イケてるッ!』は、もともと『くだらない』『下品』と感じたことがあったから両親も私自身も好きではなかったため、家ではあまり見ませんでした。たまたま修学旅行だったため旅行先で友達と一緒に見ることになりました。ふだん見ないせいか、新鮮でした。最初の『歌へた』という企画は歌が下手な芸能人が競い合って”歌へた”王者を決めるというもので、面白いところもありました。ところが途中で、江頭2:50さん(レギュラー以外で最多出演数)が絡んでからの内容は、私にはとても見ていられませんでした。すごく下品で気持ちが悪く顔を手で覆ってしまうくらいでした。一緒に見ていた友達全員が同じ状況でした。私たちはすごく不快に思いました」。(中学3年女子)
  • 「『もしものシミュレーションバラエティーお試かっ!』の『帰れま10(テン)』のコーナーが最近面白くないと感じました。なので、もう見てはいません。開始当初は、簡単にベスト10を当てられないことに面白さを感じていました。ですが、最近は7連続8連続なんか当たり前。そのためそこから4~5問不正解を出して番組の尺を稼ごうとしているように感じます」。(中学2年女子)
  • 「先日放送された『トリハダ・マル秘・スクープ映像100科ジテン』には、『トリハダ』が立つどころか、腹の立つ内容であった。宝くじに当選し、いわゆるお金持ちになった人を中心とした放送で、驚くことばかりだったが、正直、『宝くじはいいぞ!』と宣伝しているような内容であり、世の中にはお金がなくて苦しい生活を送りながら、一生懸命働いている人も数多くいるのに、『一発逆転』だとか、『人生が変わった』だとか、お金を湯水のように遣う姿は『自分は特別だ』と言っているようなものだ。人を楽しませるのはいいが、今の状況をしっかり見据えたうえで、放送をしてもらいたい」。(高校2年男子)
  • 「日曜の朝にテレビをつけると、たまたま『新報道2001』をやっていたので見ました。自民党や民主党の政治家たちが原発の問題について質疑応答をしていました。ここでとても不快に思ったのは、相手の政治家の失言を『待ってました!』とばかりに揚げ足をとり、その点ばかり攻めたてていたことです。ぼくは小学生のときクラスで討論する機会がありましたが、先生に『互いの欠点を言い合っても答えは出ない』と注意されました。確かにそうだと納得し、ぼくたちは欠点ではなく前向きな話し合いをするようになりました。この番組では、そのみっともない討論ともいえない様子を放送していたので、まったく面白くありませんでした」。(中学1年男子)

そのほか意見の寄せられた番組は、『紳助社長のプロデュース大作戦!』『秘密のケンミンSHOW』『情報ライブミヤネ屋』『知っとこ!』『ホンマでっか!?TV』『ロンドンハーツ』『ミュージックステーション』『ピラメキーノ』だった。

【委員の所感】

  • 今回の特徴には、特定の出演者の番組に意見が集中したことがあげられる。「嫌いだ」という意見を寄せてくれた割には、嫌いな番組でも見ていることがうかがわれた。
  • 「嫌いな出演者」についての分析では、「言葉を巧みに操って笑いに変えてしまう能力がある」「言葉で人を動かす力がある」などその人物を評価する一方、「他の人を傷つけているように見える」「自分の”株”をあげたいだけ」など、冷静に分析している意見も散見された。
  • 「嫌いな番組」だと基本的には見ないと思うので設問に多少無理があったという印象だが、「なぜその出演者が多くの番組に起用されているのか」「嫌いでもなぜ見てしまうのか」といった部分をもう少し掘り下げて書き込んでほしかった。
  • 人気アイドルグループが嫌いというわけではないが、そのグループの活動を大々的に取り扱っている多くのメディアの現状を批判している意見には、同感だった。
  • 東日本大震災を経験する中で、「もう少し震災のことを配慮して番組を作ってほしい」という意見や、ジャンルは異なるが『新報道2001』についての意見を寄せてくれたリポートには感心した。

「今月のキラ★報告」(神奈川・中学3年女子)

毎年夏に日本武道館で24時間生放送でやるチャリティー番組『24時間テレビ』。34回目にもなるので仕方ないのかもしれませんが、だんだん”マンネリ化”しているところが私は嫌いです。毎年メインパーソナリティーの誰かが、実話ドラマの主人公を演じたり、一人一人が障害のある人などのところへ行き、何かを手伝ったり…”お涙ちょうだい”的な番組になっているのが伝わってきます。チャリティーマラソンランナーがいるのも意味が分からなく、走ることで何を伝えようとしているのかさっぱり分かりません。「高校生ダンス甲子園」や深夜の芸人さんたちの番組には面白さがありますが、その他の企画を見ていると、イライラします。チャリティーというのは、3.11の大震災もあったので良いと思いますが、「何のために」「誰のために」という目的をもっと明確にしてほしいです。

【委員会の推薦理由】

番組の面白いところや良さを指摘し、応援したい気持ちを滲ませながら、だからこそ目的を明確にできないままダラダラと続けることに嫌悪感を抱いている。そんな素直な思いがストレートに綴られており、今月の「キラ★報告」に相応しいと思いました。

調査・研究について

本年度予定されている番組制作者を対象とした調査について、NHKを含めた在京キー局6社の計666人から調査票が回収され、今後分析作業を行うこと、また、補足調査として一般視聴者向けの調査票が作成され、8月初頭に回収が終了する予定であることが担当委員から報告された。