放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第173回

第173回 – 2011年6月

「大学病院教授からの訴え」事案の当該局報告

委員会運営上の検討課題 ……など

今年2月に通知・公表した「大学病院教授からの訴え」事案の当該局であるテレビ朝日・朝日放送より、「委員会決定」を受けての対応報告が再提出された。議論の結果、委員会としての意見を付した上でこれを公表することとなった。

議事の詳細

日時
2011年 6月21日(火) 午後4時~6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
堀野委員長、樺山委員長代行、三宅委員長代行、大石委員、小山委員、武田委員、田中委員、山田委員

「大学病院教授からの訴え」事案の当該局報告

今年2月に通知・公表した「大学病院教授からの訴え」事案について、当該局であるテレビ朝日・朝日放送から、通知後の対応をまとめた報告書「委員会決定を受けての取り組み」が6月20日付けで再提出され、事務局より報告した。5月にいったん提出されたが、参考として別の文書が添付されていたことから、委員会では再考を求めていた。
提出された対応報告は本事案の決定について、「放送における人権侵害を否定し、直撃取材の正当性も認めるなど、報道の意義を高く評価していただいたものと考える」としつつも、「判決内容の紹介が正確性を欠いているとして放送倫理上問題ありとされた点など、決定内容の一部になお違和感が拭えない部分がある」と述べている。
この日の委員会では、対応報告の内容について改めて議論した。その結果、日本民間放送連盟の「放送倫理・番組向上機構への対応に関する申し合わせ」(2003年6月19日付)に基づき、委員会の意見を付してこれを公表することとした。(局の対応報告と委員会の意見はこちらから)。

委員会運営上の検討課題

委員会運営上の検討課題の一つである「事務局による資料の収集・調査」について議論した。2月の委員会で出た意見を事務局が書面にまとめて配付・報告し、さらに議論を深めた。
放送人権委員会は、申立人、被申立人から提出された書面、資料等に基づく審理を原則としているが、一方で審理の参考とするために、委員会の指示に基づき事務局が資料収集や調査を行うケースもある。
この日の委員会では、事務局による資料の収集や調査が、現行の運営規則で認められていることを改めて確認した上で、事務局が集めた資料の委員会での取り扱いや、申立人と被申立人への開示のあり方等をめぐって意見を交わした。そして、これらの点を今後、明文化する方向で検討することになった。

5月の苦情概要

5月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・4件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・‥22件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

  • 第4回BPO事例研究会を開催
    BPO加盟放送事業社を対象とした第4回事例研究会を、8月2日に千代田放送会館ホールで開催することが決まり、事務局から報告した。
    当日は、放送倫理検証委員会が2010年12月に出した「参議院議員選挙にかかわる4番組についての意見」、および放送人権委員会が今年2月に通知・公表した「大学病院教授からの訴え」事案をもとに、各委員会委員と各局出席者との間で意見を交わすことにしている。
  • 次回委員会は7月19日(火)に開かれることになった。

以上