第197回 – 2013年5月
大津いじめ事件報道事案のヒアリングと審理
大阪市長選関連報道事案の審理・・・など。
「大津いじめ事件報道に対する申立て」事案のヒアリングが行われ、申立人、被申立人から詳しく事情を聞いた。「大阪市長選関連報道への申立て」事案の審理を行い、ヒアリングに向けて論点と質問事項について検討した。
議事の詳細
- 日時
- 2013年5月21日(火)午後3時~7時5分
- 場所
- 「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
- 議題
- 1.大津いじめ事件報道事案のヒアリングおよび審理
2.大阪市長選関連報道事案の審理
3.宗教団体会員からの申立て事案の審理
4.その他 - 出席者
-
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、曽我部委員、田中委員、林委員
1.「大津いじめ事件報道に対する申立て」事案のヒアリングと審理
本事案は、フジテレビが2012年7月5日と6日の『スーパーニュース』において、大津市でいじめを受けて自殺した中学生の両親が起した民事訴訟の口頭弁論を前に、原告側準備書面の内容を報道した際、加害者とされる少年の実名部分にモザイク処理の施されていない映像が放送され、少年の名前を読み取れる静止画像がインターネット上に流出したとして、少年と母親が放送によるプライバシーの侵害を訴え、申し立てたもの。
この日の委員会では、申立人、被申立人から個別にヒアリングを行い、詳しく事情を聞いた。
ヒアリング後も審理が行われた。
2.「大阪市長選関連報道への申立て」事案の審理
本事案は、朝日放送が2012年2月の『ABCニュース』(午前11時台)において、「大阪市交通局の労働組合が、去年の大阪市長選挙で現職市長の支援に協力しなければ、不利益があると職員を脅すように指示していた疑いが、独自の取材で明らかになりました」との前説で伝えたニュースについて、交通労組と組合員が名誉や信用を毀損されたとして謝罪等を求めて申し立てたもの。大阪維新の会の市議会議員に内部告発者から持ち込まれたリストに基づくスクープ報道だったが、その後リストは内部告発者自身によるねつ造だったことが分かった。
朝日放送は「疑惑が出たこと自体視聴者に知らせるべきニュースであり、弊社を含むすべての報道機関が第一報として報道している。労組が関与していなかったことは続報で明らかにしている」等と主張している。
今月の委員会では、ヒアリングに向けて担当委員が作成した論点と質問事項について検討した。その結果、若干の修正をしたうえで次回6月の委員会で申立人と朝日放送にヒアリングを実施することを決めた。
3.「宗教団体会員からの申立て」事案の審理
本事案は、テレビ東京が2012年12月30日に放送した報道番組「あの声が聞こえる~麻原回帰するオウム~」において、番組で紹介された男性が、個人情報を公表されたうえ、何の断りもなく公道で盗撮された容姿・姿態が放送されるなどプライバシーが侵害されたとして、謝罪と今後二度と当該番組を放送しないと誓約するよう求めて申し立てたもの。
この日の委員会では、これまでに提出された文書を基に事務局から双方の主張の概要を説明した。本格的な議論は書面がすべて出そろう次回以降に行うこととなった。
4.その他
1.放送人権委員会委員と関西地区BPO加盟放送事業者との意見交換会が、10月29日に開かれることが決まった。
2.次回委員会は6月18日(火)に開かれることとなった。
以上