放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第48回

第48回 – 2011年4月

事実確認に問題があったテレビ東京の情報バラエティー番組『月曜プレミア!主治医が見つかる診療所』及び毎日放送のバラエティー番組『イチハチ』2事案

ペットショップの取材対象者が不適切だった日本テレビの報道番組『news every.サタデー』 ……など

第48回放送倫理検証委員会は、定例の第2金曜日を第3金曜日に変更して、4月15日に開催された。
一括審議となったテレビ東京『月曜プレミア!主治医が見つかる診療所』事案、毎日放送『イチハチ』のホテル買収事案及びニューヨーク不動産事案の3つについては、担当委員が作成した意見書の原案について審議した。
同じく審議中の日本テレビのニュース番組『news every.サタデー』についても、担当委員から意見書の原案が提出された。今回の問題が起きた背景を、担当ディレクター個人と報道局という組織の両面から検証したもので、次回に委員会の議論を踏まえた改定案に基づく審議をすることになった。
政治的公平性に問題があるのではないかということで前回審議入りしたBS11の『”自”論対論 参議院発』については、意見書の骨子が担当委員から提示され、主に表現の自由と放送法との兼ね合いをどう考えるかという点で議論が行われた。

議事の詳細

日時
2011年 4月15日(金) 午後5時30分~8時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
川端委員長、小町谷代行、吉岡代行、石井委員、香山委員、重松委員、服部委員、水島委員

事実確認に問題があったテレビ東京の情報バラエティー番組『月曜プレミア!主治医が見つかる診療所』及び毎日放送のバラエティー番組『イチハチ』2事案

  • 番組で酵素飲料を飲みダイエットに成功したと紹介した女性が、その飲料を販売する会社の社長だったことがわかったテレビ東京の『月曜プレミア!主治医が見つかる診療所』(2010年11月8日放送)
  • ホテルを購入しようとした女性に密着した取材が、ホテルの宣伝のための作り話ではないかと視聴者から指摘された毎日放送の『イチハチ』(2010年11月17、24日放送)
  • 同じ『イチハチ』で、出演した女性がニューヨークに23件もの不動産物件を持っていると紹介し、その後、毎日放送が「女性の所有だったとは証明できず、(中略)事実と異なる放送をした可能性が極めて高いと言わざるを得ない」と公表した事案(2011年1月12日放送)

上記2番組3事案は、いずれも出演者からもたらされた情報に対する事実確認の杜撰さから起こった問題であることから、委員会は前回から3つの事案をまとめて審議している。今回は担当委員から意見書の原案が提出され、各委員の間でさまざまな意見が交わされた。委員会の考えていることを、どうしたら放送局の上層部だけでなく、実際に現場で番組を作っているスタッフに伝えることが出来るかという問題に多くの時間が割かれた。今回の議論を踏まえ、次回の委員会までに担当委員が意見書の改定案を作成することになった。

ペットショップの取材対象者が不適切だった日本テレビの報道番組『news every.サタデー』

番組の中で紹介されたペットサロンとペット保険の2人の女性客が、実は一般の利用者ではなく、ペットビジネスを展開する運営会社の社員だったという事案。審議入りしたあとの議論を踏まえて、担当委員から意見書の原案が提出された。 今回の問題が起きた背景を、担当ディレクター個人と報道局(経済部)という組織の両面から検証したもので、委員の間でさまざまな議論が交わされた。 一方、当該局からは、審議入り後に報道局の社員やスタッフが、各部ごと番組ごとに議論を重ねてまとめた総括的な社内文書「なぜニュース番組で『不適切手法』が放送されてしまったのか?」が委員会に自主的に提出され、議論の参考とされた。 次回の委員会には、意見書の改定案が提出され、審議が続けられる。

政治的公平性が問題になったBS11の討論番組『”自”論対論 参議院発』

司会者もゲストも、全ての出演者がひとつの政党所属の議員だけで構成されていて、政治的公平性に問題があるのではないかと前回審議入りした事案。『”自”論対論 参議院発』全11回の放送を視聴しての審議が行われた。 表現の自由と放送法との兼ね合いをどう考えるか、また、番組のスポンサー表示がなされていないことが問題ではないか等の議論が行われた。次回の委員会までにBS11からヒアリングを行い、問題点を整理して原案作成に入ることにした。

以上