放送倫理検証委員会

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2013年4月12日

「"内部告発者"モザイク映像は別人」審議入り決定

関西テレビ「スーパーニュースアンカー」

放送倫理検証委員会は4月12日の第70回委員会で、関西テレビ「スーパーニュースアンカー」の審議入りを決めた。

対象となった番組は、関西テレビが2012年11月30日午後6時台に放送した夕方のローカルニュースで、「大阪市職員 兼業の実態」を特集し、兼業を禁じた地方公務員法に違反して、夜間に新幹線工事現場で働く市職員がいることを、内部告発をもとに伝えた。その際、内部告発者のインタビューを、モザイク映像の後姿とボイスチェンジした音声で放送したが、映像は告発者本人ではなく撮影スタッフを映したものだった。告発者本人が、一切の撮影を拒んだためだという。
放送終了後、撮影スタッフからの報告により、社内では問題が表面化したが、「この不適切な手法は内部告発者を保護するためであり、告発者本人の音声を伝えたニュースの内容に虚偽はなかった」などとして、13年3月13日に新聞報道されるまで、視聴者への説明やお詫びは行われずじまいだった。
委員会は、不適切な撮影から放送まで10日以上もあったのに、チェック機能が働かず放送に至ってしまった原因や背景はどこにあるのか。また、放送後に問題が表面化した後、社内では議論が重ねられながら、なぜ速やかに視聴者への説明等をしなかったのかなどについて、次回以降で審議する。