視聴者からのご意見

2011年2月に視聴者から寄せられた意見

2011年2月に視聴者から寄せられた意見

ニュージーランドの地震で、救出された被災者へのインタビューのあり方や、災害時の行き過ぎた報道などについて多くの意見が寄せられた。大相撲野球賭博事件の捜査の過程で八百長問題が明るみに出た。相次ぐ不祥事に春場所の中止が決まったが、改革の道はいぜん見えない。テレビ界と大相撲の関係を批判する意見もあった。

2月にEメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1807件で、1月と比較して386件増加した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール73%、電話24%、FAX1%、手紙ほか2%。
男女別では男性70%、女性27%、不明3%。
世代別では30歳代33%、40歳代24%、20歳代20%、50歳代10%、60歳以上8%、10歳代5%。

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は868件[34社]であった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、30件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

2月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・・ 15件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

2月の視聴者意見は1807件と先月より386件増えた。取材の仕方、報道のあり方を問う意見が多かった。
ニュージーランドの地震は死者不明が220人を超える大惨事となった。被害の大きかったクライストチャーチには日本からの語学留学生らが滞在しており、28人が不明となった。救出された人も大怪我を負った。視聴者からは、救出された被災者へのインタビューのあり方や、災害時の行き過ぎた報道などについて多くの意見が寄せられた。目黒区の夫婦殺傷事件では、福島県の容疑者の自宅前から生中継し、家屋や家族の使う乗用車などを映し出したため、報道は何をやっても許されるのかと批判が多かった。
大相撲野球賭博事件の捜査の過程で八百長問題が明るみに出た。相次ぐ不祥事に春場所の中止が決まったが、改革の道はいぜん見えない。テレビ界と大相撲の関係を批判する意見もあった。プロ野球では、ひとりの新人投手ばかりを追いかけすぎだ。スター扱いするのは本人のためにもよくないとの声が多かった。
携帯サイトで視聴者3万人の投票が集まらなければ番組を打ち切るというスポンサー企画に抗議が集まった。アイドルの窮地を材料に、むりやり有料サイトに誘導しようという悪徳商法のようなものだとの非難が多かった。
7月の完全地デジ化のお知らせ表示について、すでにデジタル化しているテレビにまで表示を入れるのは不愉快だという声が多かった。
ラジオについての意見は37件、CMについては34件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は151件で、前月より約30件減少した。今月は、低俗・モラルに反するとの意見が53件、次いで性的表現に関する意見が30件、視聴者意見への反論・同意が22件、いじめに関する意見が14件と続いた。低俗・モラルについては、人気アイドルが出演する深夜のバラエティー番組に対し、「番組スポンサーの運営する有料携帯サイトに誘導する仕組みになっており、ファン心理に付け込んだ悪質な内容だ」といった批判意見が寄せられた。性的表現については、番組を特定していない全般的なものも含め、主にアニメに対し「アダルト向けとしか思えない内容のものが放送されている。深夜だから何を放送してもよいわけではない」などの意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • ニュージーランドの地震で被災者にインタビューしていた。救助されて間もない女性にインタビューするのもどうかと思うが、その女性と同じ階にいたと思われる被災者の生死の経過を話していた。直後に彼女が泣き出したことは無理もない。なぜこんなにデリカシーのない報道が出来るのか。いい加減にしてほしい。思い上がらないでほしい。
  • ニュージーランドの地震取材だが、日本人記者の非常識な行動が目に余る。病院に侵入したり、被災者の気持ちも考えずにマイクを向けたりする様子を見るたびに、非常に嫌な気分になる。日本人の安否情報が気にかかるが、現地の方や他の国の方も被災された。全ての方が、同じようにショックを受けている状況に、もっと気を配るべきではないか。
  • 大学入試で、ヤフーのサイトに試験問題が送られて解答があったという事件を扱っていたが、まるで、こうすればできると、ノウハウをテレビで教えているようなものだった。腕時計型の携帯メールが読めるものはさぞ売れたであろう。取り上げ方が同じで、低俗さを嘆きたくなる。
  • 目黒区夫婦殺傷事件の報道で、福島県の容疑者宅前から中継していた。社会的に関心の高い事件かもしれないが、容疑者は家族と同居している。モザイク等の画像処理もなく、場所を特定できる中継画像だった。家族が使用している車や、ナンバープレートにもモザイクは入っていなかった。報道は何をやっても良いのか。加害者の家族にも人権がある。
  • ある国会議員が「こういう発言をした」という内容の報道が目立つ。発言したなら名を出して良いのではないか。本当に発言したかどうかわからないような報道は意味があるのか。報道とは真実であることが重要で、発言者の真意が正確に伝わらなければ誤解を招く。報道は真実を伝えることに専念してほしい。現在の報道は煽りたてる内容が目立ちすぎる。
  • なぜニュースの時間に韓国人アイドルグループの解散騒動をあんなに大量に放送するのか。ワイドショーや芸能コーナーならまだしも昼や夕方のニュース番組で、さも重要な話題であるかのように放送する必要があるのか、理解できない。
  • 大相撲の八百長が明らかになったが、NHKはそれを知りながら放送を続けてきたのではないか。そうだとすると、「スポーツ」とは名ばかりの虚偽放送をし、視聴者を欺いてきたことになる。受信料を払う視聴者としては許せない。
  • 相撲の八百長問題は、これまでにも盛んに週刊誌などで報じられていたのに、テレビはろくに調べもせず、八百長をシロと断じていた。また、テレビと角界の「癒着」も疑われていた事実もある。それなのに八百長メールが発覚した途端、偉そうに八百長を論じる資格はテレビにあるのか。
  • 新人野球選手の話題ばかりでうんざりだ。まだデビューもしていないのにスター扱いで、いかにも人気があるようにあつかう番組の持ち上げ方が異常すぎる。移動するたびにその選手を追いかけ、その選手とファンの話題ばかりだ。選手本人も練習に集中出来ずに気の毒だし、チームメイトの選手たちも迷惑していると思う。
  • 「憲法改正」がテーマだったが、出演者全員が改正論者だった。「憲法問題」は意見が分かれるはずなのに、全員一致で「改正しよう」とはおかしい。出演者が偏りすぎていることの表れだ。こうした問題がテーマの場合には、出来るだけ多くの意見を取り上げることが求められているはずだ。この番組は過去にも同様のことを繰り返しており、関西では悪い意味で有名だ。今回の放送内容も民放連の放送基準を逸脱していると思う。

【番組全般・その他】

  • スポンサーである携帯コンテンツにアクセスし、有料の投票で3万票いくかどうかで番組の存続を決めるという企画に、強い不快感を覚える。有料投票という形で番組と有料コンテンツをここまでリンクさせることはどうかと思う。このままエスカレートしていったら、民放が有料放送のお試し無料視聴という媒体になってしまう。そこまでいったら、公共性なんかどこにもない。どこかで線を引いて、ルールや基準を作らないといけないと思う。テレビ局やプロダクションがどんな言い訳をしようが、こんなやり方はおかしい。
  • 「中国人はすぐに謝らない」を検証するとしていた。中国人のうち一人は、すぐに中国語で謝罪の言葉を発していたにもかかわらず、謝らなかったとして放送していた。その後番組HPにはお詫びの記事が出たが、文字が小さすぎてよく見えない。これでお詫びのつもりなのかと疑問が残る。中国人の実態はこれだと、はじめから意図的に制作したとしか思えないが、番組側は「翻訳と編集の連携ミス」の一点張りだ。公共の放送としての自覚が感じられない。
  • 女装した男性が若手漫才師のシャツを脱がし、胸を触っている映像が堂々と放送された。家族で食事をしながら見る時間帯に、こういう映像を放送するのは許しがたい。同性愛者の方や女装する方を差別しているわけではないが、こういう映像が最近他の番組でも多すぎる。この番組自体は色々な国に行ってその国で珍しい物を食べたり、色々な体験をしたりで、とても楽しみにしている番組だけに残念だ。
  • 色々な世代に「どんな種類の鍋が好きか」というアンケートをとり、それを出演者が当てるというコーナーがあった。どの年代でも一位がキムチ鍋だった。会場も出演者も「ウソッ」という感じでざわついていた。私の知る限り、お年寄りや子供はキムチ鍋を好まない。50代や60代でも一位がキムチ鍋なんてあり得ない。どこからアンケートをとったのか、どこの場所でとったのか、何も説明がない。
  • バラエティー番組や情報番組で街頭調査をよく実施しているが、調査場所が「都内」に偏っており、人数も100人程度など、参考にならない少人数であることが多い。それを街頭調査の結果として放送するのは無理がある。特に地方の視聴者にとっては全く参考にならない。全国ネットの番組でこのようないい加減な情報を流すのはやめるべきだ。
  • コマーシャルを自動的にスキップするビデオデッキの販売を中止させた記事を見た。確かに、コマーシャルにより民放が成り立っていることは承知しているが、現在どのように放送されているのか理解した上でのことなのか疑問に感じる。実際の番組よりもコマーシャルが多いと感じる番組構成。必ずといっていいほど、コマーシャルの直後は、コマーシャルに入る直前のシーンをもう一度見せられる。以前よりもコマーシャルの回数、提供会社の数は増えている。番組の内容はくだらない。
  • 電子番組表が組み込まれているブルーレイレコーダーで番組を予約するのだが、複数の番組を合体しているせいで、電子番組表の区切りがない。何時から見たい番組がはじまり、終わるのかをわからなくして放送している。あきらかに自分の局の番組を連続してひとつの番組としてレコーダーに予約させようという魂胆だ。
  • 番組の冒頭、隅に地デジに関するテロップが入る。地デジで視聴している場合にも、なぜ「地デジの準備が済んでいるか」と入れるのか理解に苦しむ。地デジ対応テレビをいわば強引に買わせたのに、どこまで宣伝すれば気が済むのか、放送局は何を考えているのか。アナログ放送で流せば済む話だろう。
  • 「2011年地デジ化」によって、テレビの放送をラジオで聞くことができなくなる。テレビを見ることのできない寝たきりの高齢者や障害者にとっては、ラジオでテレビの音を聞くことが唯一の楽しみである。彼らはテレビが地デジ化することは知っていても、ラジオで聞けなくなることを知らない人が大半だ。高齢者とのかかわりの中でこの事を説明すると驚かれることが多い。”地デジ化の後、テレビの音声をラジオで聞くことができなくなる”ことについて、もっと広く告知してもらいたい。

【ラジオ】

  • 歌手などのパーソナリティーが飲酒しながら番組を進行することがよくある。「ほろ酔い加減でリラックスした雰囲気を」という狙いはわからなくもないが、酒を飲みリラックスして番組を楽しむのはリスナーのほうであって、パーソナリティーではないはずだ。まるで立場があべこべだ。最近目立つ飲酒しながらの番組進行には強い抵抗を覚える。

【CM】

  • 携帯ゲームのCMで、電車内で携帯ゲームをやっている場面がある。携帯電話を触らないことが電車内のマナーであるはずなのに、触っていることは倫理的にどうなのか。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • バラエティー番組内で、番組存続アンケートを携帯サイトで行うという企画があった。番組内では明示されていないが、投票するために有料の会員登録が必要というのは問題だ。このような商法は放送倫理的に問題ないのか。また、この番組はアイドル番組であり、視聴者は未成年、もしかすると中高生が多いかもしれない。ファン心理につけこんだあからさまな集金システムは、テレビ番組として倫理規定を逸脱しているのではないか。
  • 深夜アニメだが、同番組サイトには可愛いらしい少女のイラストなどが載っている。これを見る限り、実際の放送での残酷かつ刺激的なシーンなどを思い浮かべる人はいないと思う。放送ではサイトとの落差が大きく、エロチック、グロテスクな表現が多い。「放送するな」とまでは言わないが、せめて番組冒頭で刺激的な表現に関する注意書きなどを表示するべきだ。
  • スポーツ情報番組。休日の午後という時間帯でありながら、ミニスカートをはいた女性の脚などを映す演出はいかがわしく問題だ。このような番組を制作している放送局並びにスタッフの意識に問題があると感じる。子どもが自由に見ることのできる地上波で、しかも昼間に許されるべき性質のものではないと考える。

【性的表現に関する意見】

  • 小学生の子どもとアニメ番組を見ていたところ、番組の最後で突然女の子が脱ぐシーンがあった。子どもに「何であの人は裸になるの?」と聞かれ困った。子どもは深い意味まではわからない半面、興味を持ってしまった可能性もある。極力変な番組は見せないようにしているが、突然のことには対処できないし、子どもが視聴する時間帯に好ましくないものを放送する必要性も感じない。むやみに女性を裸にさせること自体、女性軽視だ。
  • アニメで無理に裸を出すことはやめてほしい。子どもが見てショックを受けたようだ。「そんなもの見せるな」という方もいるが、現状では規制が機能していないので無理な話だ。忙しいのにわざわざ親がどういうアニメなのかを調べる時間はない。せめて見せたくない人向けに成人指定マークなどを付けることが最低限のマナーでありモラルだと思う。
  • 女性の出演者の服装で、胸元やミニスカートから下着が見えそうだったりすることは子どもの教育上よろしくない。何度言っても改善されない。このような人たちは、子ども達がテレビを見る時間帯には出演させるべきではない。

【いじめに関する意見】

  • バラエティー番組で、お笑いタレントが後輩の芸人を外に連れ出し、高級時計店や洋服店に入っていずれも100万円以上の高価な商品を無理やり購入させるコーナーがあった。見ていてとても不愉快だった。子どもが真似をして、不要なものを無理に買わせるいじめに走らないか心配だ。
  • 異常な行動の人物を描き出すバラエティー番組のコーナーで、実在の特定の苗字を用いている。これはその名前の人にとって非常に不快である。私の名前も番組で使われているものと同じで、子どもが学校でいじめられていた。学校や教育委員会にも報告したところ、我が家だけのことではないらしい。テレビ局に抗議の電話をしたが、応対者はまともに対応しなかった。

【報道に関する意見】

  • ニュージーランドの地震被災者に対する取材を規制すべきだ。被災でショックを受けたばかりの子どもに当時のことを思い出させたり、怪我をした子どもに感想を求めたりするなど、こうした取材は暴力だ。旅行先の外国の地で守ってくれる大人がいない子どもたちを守るために、情けないことだが規制が必要だ。

【編成に関する意見】

  • お笑い芸人の出演時間帯について。子ども達が男女問わず、タレントのネタを真似しており不適切だ。寝転がって両足を開く動作のネタなどは、とても子ども、特に女の子に良い影響とは言えない。どうか出演時間を子どもの目に触れない時間帯に規制してほしい。青少年育成に影響があると思う。

【マナーに関する意見】

  • 情報番組などで、コメントをする際に腕を組んでいるジャーナリストや評論家などを多く見かける。人としてマナー違反で恥ずかしいことだと思う。こうした態度を見せるのは子どもの教育上もよくないのではないか。

【犯罪助長に関する意見】

  • 海外で起きた誘拐事件の内容を実際の映像などをまじえ放送していたバラエティー番組だが、内容は誘拐から身を守る方法を紹介するというより、誘拐方法などを細かく伝えるだけだった。防犯に関しても商品の宣伝しか行っていない。倫理的に大変問題のある内容であった。犯罪を助長するような内容を公共の電波で放送してよいのか。

【推奨番組に関する意見】

  • 深夜アニメだが、ファンタジックな作品世界ながら人間関係や社会の暗部をうまく描写していて秀逸だ。表現については凄惨な部分もあるが、作品が主張する考え方を表現するために必要ならば許容されるべきではないか。番組表現への批判のみを指摘し、青少年に悪影響という理由で優れた作品を深夜でしか放送できないことこそ、青少年の健全な育成を阻害すると思う。

【視聴者意見への反論・同意】

  • アニメやバラエティー番組の性的や暴力的な描写、パチンコCMへの苦情が多い。これらの番組などが不快ならば、「子どもが見る時間帯に放送するな」と言う前に、テレビを切ることだってできるはず。テレビなど、四六時中つけていなければならない規則はない。不快ならば受け手側で遮断してもよい。視聴者が減れば番組制作者やCMを出す企業の態度も変わるだろうし、悪質な番組やCMなど自然と淘汰されるはずだ。
  • BPOへの視聴者意見を読むと、あまりにも「子どものため」という言葉が多く唖然とする。私にも子どもがいるが、アニメやバラエティー番組を見ても悪影響を受けたとは思えない。「親子の会話」「子どもと共に考え親も成長する」という根本が欠けている親の責任を差し置き、テレビのせいにしている。責任転嫁もここまできたかと情けなく思う。

【CMに関する意見】

  • 最近、不況のせいかパチンコ関係のCMが目に余る。子どもが見ている時間帯に、パチンコ関係のCMが連続的に放送されていることに違和感を感じないのか。アニメとパチンコのコラボレーションなども見受けられるが、頻繁に放送されると子どもへの刷り込み効果が一切ないとは言い切れないと思う。