第141回 – 2013年1月
東海テレビ『幸せの時間』を審議。局との意見交換を基に要点を議論
第141回青少年委員会は1月22日に大阪で開催され、まず第140回委員会で実施した東海テレビ『幸せの時間』の制作者との意見交換について審議した。次いで、12月11日から1月15日までに寄せられた視聴者意見について討論した。また、1月に寄せられた中高生モニター報告について審議し、あわせて2013年3月17日に開催する「中高生モニター会議(案)」について担当委員と事務局から説明し了承された。
委員会終了後、午後3時から6時まで、大阪・朝日放送アネックス3階で、青少年委員会初のNHKを含む在阪準キーテレビ6局の制作担当者たちと青少年委員との意見交換会を開催した。
議事の詳細
- 日時
- 2013年1月22日(火)12時45分~14時45分
- 場所
- 朝日放送アネックス3階B会議室
- 議題
- 東海テレビ『幸せの時間』についての審議
視聴者意見について
中高生モニター報告
中高生モニター会議について - 出席者
- 汐見委員長、加藤副委員長、小田桐委員、川端委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員
※委員会終了後、青少年委員会として東京以外で初めての意見交換会を1月22日午後3時から大阪・朝日放送アネックス3階A会議室で開催した。
東海テレビ『幸せの時間』についての審議
青少年委員会は、1月18日に東海テレビの制作・編成責任者と行った『幸せの時間』に関する意見交換を受けて、下記のとおり「青少年委員会の受け止め」をBPO報告に掲載することとした。また、委員会は東海テレビに対し、改めて「今後に向けて」とする要請を行うことを決定した。
◆東海テレビとの意見交換を受けて、BPO青少年委員会の受けとめ
東海テレビは、平日午後1時半から2時のお昼のドラマ枠で約半世紀の経験とノウハウを蓄積し、そのクリエイティビティーに対しても多方面から高い評価を受けてきました。『幸せの時間』も一話たりとも見逃せない物語の展開で多くの視聴者を惹きつけたことは事実です。
ただ、性的シーンに対しては、その表現の過激さへの戸惑いや不快感、子どもが見る可能性があることへの困惑や怒りなどの視聴者意見が、東海テレビやBPOに数多く寄せられました。東海テレビからは、性的シーンは「これまでの延長線上」の演出であり、新たな性表現に挑戦するような意図はなかったとの説明がありましたが、性描写の許容範囲は社会環境に応じて時々刻々と変化していくものであることを考えれば、「これまでの延長線上」が必ずしも社会通念を逸脱しないことを保証するものにはならないでしょう。
では、何が問題であったのか。私たちはまず第一に、地上波のもつ公共性についての認識が制作現場で十分に共有されていなかったことが、今回の問題の根底に存在しているのではないかと考えます。課金システムによって視聴する映画やCS放送等の有料の放送と地上波放送とでは、メディアとしての特性に大きな差異が存在します。表現上の制約も自ずと異なり、映像表現として同列に判断することはできません。リアリティーを追求するという目的があったとしても、誰もが自由に視聴できる地上波放送であることに配慮したものでなくてはなりません。
東海テレビからは、個別のシーンではなく全体を視聴してから判断してほしいという要望が繰り返しなされましたが、全体のメッセージが正しければ、表現に多少の逸脱があってもいいと考えておられるのではないかと危惧します。たとえ『幸せの時間』という作品全体のテーマや文脈が理解されていたとしても、視聴者からは、個々の場面に関して受け入れがたいという意見が数多く存在していたことは明らかでしょう。
とはいえ、性表現には、どこまでが可能かと認定する明確な基準は存在しません。課金システムによって視聴する映画などの基準を地上波に適用することも適切ではありません。私たちが判断の手がかりとできるのは、「民放連放送基準」および、それに準拠して各社が定める「番組基準(放送基準)」、視聴者意見、さらにBPOや番組審議会を含む社内外のコンプライアンス組織の意見です。
東海テレビが組織した自主的な機関「オンブズ東海」では、昨年12月の委員会で『幸せの時間』が議題となり、「テレビは映倫のように18歳未満禁止やR指定などの制約が無いからこそ、自ら良識的な判断に基づき制約や節度を持つべき。昼の帯ドラマの性的表現に視聴者から多数の苦情が出ていることは重く受け止めなければならない」との意見が委員より出されています。こうした組織の意見は、十分に尊重されるべきでしょう。
一方、「民放連放送基準」およびそれに準拠して各社が定める「番組基準」が規定する性表現は、時代や社会状況、それに伴う価値観や倫理観の変化によっていかようにも解釈されうる幅をもっています。つまり、絶対的な基準ではありません。だからこそ、放送局は、放送・表現の自由を守るためにも、具体的な事例を積み重ねながら、その解釈と運用を自主的に検討し、社会に問う作業を続けていくことが求められるでしょう。
そこで、私たちは、東海テレビの地上波の公共性についての考え方を確認した上で、個々の性的シーンがなぜ放送可能と判断されたのかを問い、東海テレビの性的表現についての現在の判断基準がどこにあるのかを確認しようとしたわけですが、得られた回答は、物語の流れや演出上の必要性から採用を決めたというもので、個々のシーンが社会的な許容限度を踏み外していないかどうかとか、表現上にもっと工夫や配慮が必要かどうかといった議論が行われたかは定かではありませんでした。つまり、一貫して、制作者の立場からのみの判断であり、子どもを含む視聴者の受け止め方についての検討や、民放連放送基準や東海テレビの放送基準との照合といった、作品から一歩引いた客観的な視点からの確認作業がどのように行われたのかについては明確でなく、十分に得心できませんでした。
表現の自由を守ることが最大限に尊重されるべきであることは当然です。しかし、長年の経験や評価にあぐらをかき、昼のドラマの視聴者層にはこれぐらいはやっていいという思い込みや惰性がなかったといえるでしょうか。また、FNS系列午後帯の視聴率向上のためには、多少過激な性表現で話題になることも必要という認識がなかったといえるでしょうか。
表現の自由は、表現者の肩にかかっています。公共性の高い地上波の表現者が、確たる信念もなく、一定の基準を逸脱した表現を行うことは、地上波における表現の自由に自ら枷をはめ、ともすれば、視聴者を愚弄していると受けとめられる危険性があるということを自覚していただきたいと思います。
なお、第8回放送以降、視聴者意見やマスメディアの報道を受けて改編を行った経緯について十分な説明はありませんでしたが、放送局の自主・自律を保持するという意味で、当該局の判断を評価します。
◆今後に向けて~東海テレビへの要請
BPO青少年委員会の使命は、放送局と視聴者をつなぐ回路になりながら、放送局が自主自律的な判断を行うことを促すことです。今回の事案でも、青少年委員会との意見交換の中で出された様々な意見を参考にしながら、東海テレビが自律的な判断と総括を行うことを期待しています。そこで、以下の点について社内で十分に議論し、そこで得られた総括の内容を改めて報告していただくことを要請します。
- 青少年委員会が意見交換で提示した様々な意見を受けて、社内で行われた議論と検討の内容について詳しく報告してください。
- 今後、今回のような問題を繰り返さないために、どのような体制やシステムを構築するか、取りまとめた再発防止策について具体的にお示しください。
- 地上波の公共性に関する東海テレビの認識についてご説明ください。
以上について、社内で十分な議論を行った上で青少年委員会にその結果を、次回委員会が開催される2月26日までにお送りください。
視聴者意見について
担当委員および事務局よりその他の視聴者意見の概要等の報告を受けたうえで討論し、審議対象とするべき番組はなかった。
中高生モニター報告
12月から2月までは「バラエティー・クイズ・音楽」番組のジャンルを取り上げ、1月は最近見た番組の中で、面白そうだと思って見たものの「期待外れだった」「面白くなかった」番組を選んで具体的な分析をまじえて書いてもらい、30人から報告があった。
新聞の番組欄を熟読して選んで見るので「期待外れは無かった」「僕はバラエティー番組を見るとたいてい面白いと思ってしまう」などの意見もあったが、21の番組について「面白くなかった」という報告が届いた。
年末に放送された『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!大晦日年越しSP!!』(日本テレビ)には4人から意見が寄せられ、「面白かったが途中から時代設定が変わってしまったのが残念」「テレビで流すには下品なシーンがありもったいなかった」など、全体では好意的に受け取られているものの、一部に不満が残るという報告だった。
また、『史上空前!笑いの祭典 ザ・ドリームマッチ2013』(TBSテレビ)も3人から意見が寄せられ「年々クオリティーが下がっている」「ほとんどの組み合わせが面白くなかった」などの厳しい意見とともに、「番組構成は面白いので、ネタ決めの時の雰囲気に気をつけて」など建設的な意見もあった。
特定の番組を挙げてはいないが、「とにかく時間が長すぎる」「痛みで笑いをとる番組は嫌いです」「全ての局が同じようなことをしている」「ドッキリの番組は面白くない」などの意見が寄せられている。
『NHK紅白歌合戦』には「演歌のバックダンサーに若手アイドルを使っているのに違和感を覚えた」という意見がある一方、年末年始の番組の中で「気になった」番組についてたずねた<自由記述>には9人が『NHK紅白歌合戦』について意見を寄せ、「アイドルばかりではなく古い時代のことを忘れないでほしい」という意見もあったが、おおむね好意的な報告だった。
【主な意見】
-
「僕は新聞の番組欄などを熟読して、“これだっ”と思う番組を選んで見ているので、実はあまり期待外れだったり、面白くなかった番組というのはありません。それよりも、番組を作る人たちは、よくもこんなに面白い番組を作るなぁと思って見ていることの方が多いです。しかし、“またこの人か”とか“この企画はどこかで見た事があるなぁ”と思うことが少なくありません。年末年始の番組でいえば、どの番組を見ても司会者や出演者が同じ気がしました。」
(神奈川・中学2年男子) -
「期待していたけれど、面白くなかった番組は『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ)の大みそかに放送した「笑ってはいけない」シリーズです。昨年見た時には、この番組も面白いと感じたのですが、今年はテレビで流すには下品なシーンがあり、全体としては面白かったのにもったいないと思いました。大みそかは子どもも夜遅くまで起きて、家族だんらんという日だと思うので、家族みんなで楽しく見られる番組があればいいなと思いました。最近のバラエティー番組では、夜ごはんの時間帯にそぐわない番組が放送されていることが多いので、放送局の方にも考えてほしいなと思いました。」
(神奈川・高校2年女子) -
「『史上空前!笑いの祭典 ザ・ドリームマッチ2013』(TBSテレビ)は私にとって毎年見ている番組ですが、なんとなく毎年クオリティーが下がっているように感じます。“先輩後輩の年齢差コンビ”や、“異性コンビ”、“ネタをいつも書いている、書いていないコンビ”など、コンビを作る方法を変えてみるのも、面白くなるのではないかと思いました。また、今ではTBS本社での打ち合わせが主となり、お笑いの発表以外の笑いがなくなってしまいました。毎年一回のイベント番組だからこそ、力を入れて作ってほしいと思います。」
(東京・中学3年女子) -
「僕は、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ)という番組が好きではありません。この番組ではいろいろな企画がありますが、僕が嫌いなのは“お金”を使うものです。僕は痛みで笑いを取る番組は嫌いです。しかし、人のお金で笑いを取るような番組はもっと嫌いです。こんな罰ゲームのようなものでしか笑いをとれないようなら、芸人として失格でしょう。とても不快でなりません。」
(東京・中学3年男子) -
「僕は“期待外れ”を通り越して“怒り”を覚える番組があります。それは、『世界は言葉でできている』(フジテレビ/関西テレビ)です。深夜に放送していた時の評判は聞いていて、“偉人の名言を超えた言葉を作る”というコンセプトがとても素敵に思えました。だから、ゴールデン枠に昇格したので見やすい時間に見られると、とても楽しみにしていました。それなのに、たったの5回で打ち切りになりました。フジテレビの社長さんは、“『世界は言葉でできている』のような番組でも、視聴率が取れるようにしなければならない。”と会見で言っていたはずではないのでしょうか!今回の打ち切り劇には非常にがっかりしています。」
(大阪・高校2年男子) -
「前振りが長い番組は見ていて面白くないなと思います。これはバラエティー番組に多いですが、前振りで番組の面白いところをほとんど流してしまうと、結末が見えたりして、展開を読む楽しさもなくなってしまいます。もうひとつ、面白くないと思える番組はコマーシャルが多すぎる番組です。コマーシャルが多いと、内容がだんだん分からなくなるし、正直少しいらだってきます。ですから、そのような番組は見ていません。」
(宮城・中学1年女子) -
「私は“ドッキリ番組”が面白いとは思えません。特に、人を怒らせようとしているドッキリ番組は嫌いです。カメラが回っていなかったらいじめになるのではという企画が、大嫌いです。怒ることは、物事を解決するための意思表示の一つだと思います。自分が怒っていると伝え、相手に反省を促したり、周りの人に事態を改善してもらおうと訴えかける行動です。それを笑うための対象物として見始めると、見る側と怒っている側に壁ができ、“怒っている”ことが無視されます。最近はテレビだけではなく、学校の中でも“悪ふざけ”(ドッキリ)を行い、行われた人が怒ると“なにマジになってんの”と笑われます。自分が“止めてくれ”という意思を訴えているのにそれが笑われるのはとても悲しいことです。私はドッキリを見ていると“優劣の意識”を感じます。“仕掛け”を知っている人は知らない人を同じ地平でみていなく、相手の怒りが届いていないのと同様にこちらの笑いも相手に届いていないという思いが感じられます。それはあまり気持ちの良いものではないので、私はドッキリ番組を見ません。」
(北海道・中学3年女子) -
「私が最近見た番組の中で面白くないなと思った番組は『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ)と『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ)の2つです。どちらも実際にあった話を再現映像などのVTRとともに、MCとゲストのトークなどで進められる番組です。しかし、内容は“あれ?前どこか見たことあるような”とか“前回と似ているような…”と思うようなことがよくあります。そして、2つの番組の出演者以外の違いがはっきり分らず、とても似ているなと思います。」
(広島・中学2年女子) -
「私は『NHK紅白歌合戦』の演出の一部に気になるところがありました。演歌歌手の方が歌っていらっしゃるときや、様々な場面でバックダンサーとして若手アイドルの方が踊っているのを見て、ちょっと出番が多すぎるのではないかと思います。いつ見ても画面に映っているような気がして、正直“またか”と思って少し嫌な気がしてしまいました。以前のようにバックダンサーの方はアーティストごとに変える方が良いのではないかと考えます。」
(福岡・高校2年女子)
【委員の主な意見】
- つまらない番組は見ないので、期待外れの番組は無いという意見は面白いと思った。
- 「期待外れ」や「面白くない」番組をまとめるのは、中高生にとっては骨の折れる作業だったのかもしれない。
- ネガティブ要素から入らなければならない意見表明は難しいと思うが、改善のまなざしを持って意見を出してくれるのは嬉しい。
- 途中で打ち切られた番組に対し、期待外れを通り越して「怒り」を感じるという報告があったが、視聴者にとってどんなに悲しいことなのか放送局は知ってほしい。
- 罰ゲームでしか笑いがとれないのは芸人失格という意見は、常々自分が思っていることを書いてくれて、嬉しかった。
【今月のキラ★報告】(東京・中学1年女子)
私が最近見て期待外れだった番組は、具体的にこの番組!とはいかないのですが、お正月の年始特番です。期待外れというより、もともとあまり期待はしていなかったのですが、つまらなかったです。毎年、元旦や2日くらいは朝からお笑い芸人やタレントが沢山出て、ゲームをしたり、罰ゲームのようなことをしたりと、本当に全ての局が同じようなことをしています。見ていても全然面白くないし、テレビ局の経費削減している様子が見て伝わってきてしまいました。そのため、BSやCSといったチャンネルばかり見ていました。
お正月は普段あまりテレビを見ない人も見る1つの大きなチャンスと言える気がします。また、新年を迎えた人々をテレビの影響力を上手に利用して更に盛り上げてほしいと思いました。私の考えとして、なぜ年始特番がつまらなかったかというと、ほとんどの番組が生放送であるうえに、きちんと進行や内容が用意されていないため、全体的にグダグダしてしまい、番組のテンションに視聴者側がいまいちついていけていなかったような気がします。
学校で、友達にも聞いてみたところ多くの人がつまらなかったといい、ドラマの再放送などを見ている方がよっぽど面白かったと言っていました。
新年の番組は影響力がとてもあると思うので、もっと視聴者にとってのメリットがあるようなきちんとした番組づくりをしてほしいと思います。
【委員会の推薦理由】
お正月は、普段テレビを見ることのない人たちも家で揃ってテレビを見るよい機会なのに、同じような内容のめりはりのない特番ばかりでつまらなかった、という放送局の人たちにとって耳の痛い中学1年生からの正直な批判の声が、私たち全員の心に強く響きました。
【主な自由記述】
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気になった番組は『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!大晦日年越しSP!!』(日本テレビ)です。今回は学校がテーマで、すごく面白そうだと思いました。実際に見て、すごく楽しかったので、また今年の年末も見てみたいです。
(東京・中学2年女子) -
年末の『NHK紅白歌合戦』について、祖母や母が「今年の紅白は面白くない。アイドルグループなど若い人に人気がある人ばかりだし、昔とだいぶ変わってしまった」というようなことを言っていた。大晦日の定番である『紅白歌合戦』も、新しいものばかりに手を出すだけではなく古い時代のことを忘れてはいけないのでは、と思った。
(東京・中学2年男子) -
大晦日の『NHK紅白歌合戦』は、今年はとても面白かったと思いました。演歌の枠を半分ほどにしたらしいですが、私など若い世代にとってはその点は見やすかったと思います。また、震災を意識したプログラムもいくつかあり、エールを送っている印象を受けました。
(東京・高校2年男子) -
年末の番組はとにかく長すぎます。6時間番組とかたくさんありましたが、こんなに長かったらご飯食べながら見て、お風呂は12時以降…なんてことになってしまいます。途中で飽きてきたり目が疲れてしまいました。3時間番組として2週連続とかにしたら良いのではないでしょうか。
(東京・中学3年男子) -
私は12月26日(水)に放送された『有吉反省会』(日本テレビ)が久しぶりに爆笑できるバラエティーだと思いました。芸人やアスリート、アイドルが今年一年の反省をするというものですが、暗いイメージは全くなく、司会が有吉さんということで、明るくて楽しい反省会になっていました。
(神奈川・中学3年女子)
中高生モニター会議について
2013年3月17日に開催する「中高生モニター会議(案)」について担当委員と事務局から説明し、了承された。
※意見交換会(大阪)の概要
青少年委員会として東京以外で初めての意見交換会を1月22日午後3時から大阪・朝日放送アネックス3階A会議室で開催した。参加者は、NHKと在阪準キー局の毎日放送、朝日放送、テレビ大阪、関西テレビ、読売テレビの6局の番組制作者を中心に52人で、青少年委員7人とさまざまな意見交換を行った。
テーマは「大阪と東京の番組制作の違い」。まず、関西の人気番組『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)の構成作家で、『永遠の0』などのベストセラー作品で知られる作家の百田尚樹氏が、「大阪の番組作りの秘密」と題する講演を行った。「大阪の局は東京に比べて予算が少ない分アイディアで勝負する」、「今のテレビに期待する役割として、バラバラになった家族を、テレビの力で再び茶の間にひき付けられないか」など、およそ30分にわたって経験談を披露してくれた。
その後、各委員が事前に視聴した各局制作の番組についてそれぞれの局の現場の制作者と意見交換を行った。続いて、番組が青少年に与える影響について、局側から「どんな反応があるのか手ごたえがなく、おそるおそるやっているのが実態である」とか、「自分には高一の娘がいるが、下ネタに関しては制作者として悩ましいところだ」などの意見が出た。汐見委員長は、「テレビは人間の行動の標準モデルを作る可能性を持っている。それが、テレビが持っている公共的な影響力だ」とテレビの持つ公共的側面を話し、「関西文化は庶民に対する優しさが根っこにあるのではないか。条件が非常に厳しい中で、熱い意思を持ってよい番組を作ろうとしている人たちがたくさんいることを改めて感じた」と3時間に及ぶ意見交換会を締めくくった。
今回のアンケート結果には、「もっと意見交換する時間が欲しかった」、「各委員からすると興味深いテーマかもしれないが、制作者にとっては日常身にしみている話で、深まりが無かった」、「各委員のスタンスの違いが現れていて興味深かった」、「BPOの委員について先入観のようなものが無くなった。共にテレビ番組について考える存在なのだと思えた」などの意見があった。取り上げるテーマや形式など、参加者から寄せられた意見を参考に、次回以降の意見交換会の開催につなげたい。