放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第166回

第166回 – 2010年10月

「大学病院教授からの訴え」事案のヒアリング

9月の苦情概要 ……など

「大学病院教授からの訴え」事案のヒアリングが行われた。申立人である教授への直撃取材の経緯や医療裁判の判決内容と放送での表現等、本事案の論点について通常よりも長い時間をかけ、双方から詳細な聞き取りを行った。来月の委員会ではこれをもとにさらに議論を深めることになった。

議事の詳細

日時
2010年10月19日(火) 午後3時~7時25分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
堀野委員長、樺山委員長代行、三宅委員長代行、大石委員、小山委員、坂井委員、武田委員、田中委員、山田委員

「大学病院教授からの訴え」事案のヒアリング

この事案は、テレビ朝日・朝日放送が2010年2月28日に放送した『サンデープロジェクト』の特集コーナー「隠蔽体質を変える~大学病院医師の孤独な闘い~」について、大学病院教授から不当な直撃取材をされたことや放送の内容が偏向していたとして申立てがあったもの。
今月の委員会では申立人とテレビ朝日・朝日放送に対するヒアリングが行われた。
ヒアリングで申立人の教授は、番組内で取り上げられたケースは5年前に裁判で決着しており、しかも自分はその当事者でもなかったことや、出勤前に自宅近くで強引なインタビューを受けたと述べ、番組内容や取材姿勢を批判した。
これに対して局側は、教授は医師の上司で臨床試験の責任者でもあり、当事者として取材に応じるべき立場にあったことや、インタビューの際もきちんと名乗って行い、取材に問題があったとは考えていないと述べた。また裁判結果等のコメントに関しても、視聴者に少しでも分かり易い表現を選んだ結果、と主張した。
委員会ではこの日のヒアリング内容を整理し、来月の委員会でさらに議論を深めることになった。

9月の苦情概要

9月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・4件
    (個人又は直接の関係人からの要請
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・・26件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判

その他

  • 9月16日に行われた「機能訓練士からの訴え」事案の「委員会決定」の通知・公表について報じた、当該局であるTBSテレビの当該番組『報道特集NEXT』など2番組の同録DVDを視聴した。
  • 「上田・隣人トラブル殺人事件報道」事案で、放送倫理上問題ありの「見解」を受けたテレビ朝日が、10月8日に社内勉強会を開いたことを事務局より報告した。起草委員を務めた山田健太委員を招き、山田委員の報告をもとに決定内容や事件取材のあり方等をめぐって熱心な意見交換が行われた。
  • 次回委員会は11月16日(火)に開かれることになった。

以上