青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第113回

第113回 – 2010年6月

視聴者からの意見について

中高生モニターについて

6月22日に開催した第113回青少年委員会では、5月16日から6月15日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見をもとに、アニメ1番組のラ・テ欄表記について審議したほか、6月度の中高生モニター報告について、担当委員からの報告および審議が行われた。

議事の詳細

日時
2010年6月22日(火) 午後4時30分~6時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、境副委員長、小田桐委員、加藤委員、軍司委員、萩原委員、渡邊委員

視聴者からの意見について

テレビ朝日『ドラえもん』5月28日放送分ラ・テ欄表記について

ラ・テ欄表記に「ドM」という言葉が使われたことについて、「小さな子どもが見る番組には不適切」「子どもに聞かれて説明できない」といった意見が寄せられ、BPOの「ラ・テ欄は放送内容と一体」という考えに基づき審議対象とした。

【委員の主な意見】

  • 制作者がラ・テ欄を作る際、子ども向け番組という意識が欠落していることは、番組制作にあたっても同じことが言えるのではないか。
  • 一般番組と同様な刺激的言葉の羅列で視聴者を引きつけようとするのは、子ども向け番組には不適切だ。
  • 子どもがわからない言葉を使う制作者の’子ども観’のギャップの表れ。子どもたちにわかるような表現をすべき。委員会としては上記の審議を踏まえ、放送された番組内容に問題はないが、子ども向け番組のラ・テ欄表記については、特に「子どもにわかりやすく、子ども番組にふさわしい適正で品位ある表現」を要望する旨をBPO報告およびBPOホームページに掲載することとした。

中高生モニターについて

今月は「バラエティー・クイズ番組、音楽番組」の中で「小学生のころ熱中して見た番組」についての意見や感想を書いてもらい、33人からレポートが寄せられた。

【モニターの主な意見】

今回、最も意見の多かった番組は『学校へ行こう!』の4件だった。「番組でやったゲームを学校でやるのが大好きでした。ゲームは大勢でできるものが多く、今まで知らなかった子とゲームをやって仲良くなることもありました」「この番組は私たちにとって身近に感じる番組で、『私も?6の皆さんに会えるかな』などと思ってワクワクしていました」「『未成年の主張』というコーナーは高校生になったら出てみたいと夢見ていました。ぜひ、復活してほしいです」。今年3月に終了した『エンタの神様』にも3人から報告があった。「この番組は人気のある芸人をほぼ毎週出演させていたし、若手の芸人もブレークさせようとできるだけ多く出演させていたので楽しみだった」「この番組を見ていると『どういう風にやれば人を笑わせることができるか』などと考えて見ていたのですごく面白かった」「似たような番組が増えるにつれて知名度の低い芸人やとても面白いとは思えない芸人が増えてしまい、終わってしまった気がする」。
そのほか複数意見の寄せられた番組のひとつは『水10!ワンナイR&R(ロックンロール)』で、「個性派の芸人が独特のキャラクターを作って楽しめた。ガレッジセールのゴリさんのダンスの上手さに驚かされました」「無条件に笑えて楽しめたので4年以上続いたのではないでしょうか。あのころ面白かった番組はほとんど終了してしまい、是非、復活するよう、制作サイドの方々お考えください」という意見が寄せられた。また『関口宏の東京フレンドパークII』には、「いろいろなアトラクションに挑戦してクリアするごとに獲得した金貨で豪華商品を獲得できるダーツがもらえ、そのゲームが楽しみだった」という意見の一方、「最近はあまり面白いと感じられません。それは長寿番組だからとはいえゲームに目新しさがありません。ですから古くからあるアトラクションをリニューアルしたりするのもひとつの手だと思います」。
そのほか『サタ☆スマ』には「『おっは~』でお馴染みの慎吾ママ、いつも忙しいママをたまには寝坊させてあげたい!というお父さんと子どもの依頼を受けた慎吾ママが、朝ごはんを作るコーナーと、『怒られ侍』が一緒に謝りに行き、一緒に怒られるという内容が面白かったし、もしこの番組が復活したら今でも楽しむことができる」。北海道テレビ放送制作の『水曜どうでしょう』には「この番組をテレビ埼玉の再放送で見ていました。一番好きな企画は『サイコロの旅』で、大泉洋さんと鈴木貴之さんが繰り広げる旅にはとても親近感がありました。早く新作を放送してほしいと思います」。また、『進め!電波少年』には「番組の企画内容がほかにはない面白さがあったので強烈に覚えている。一番有名なのは『ヒッチハイク横断』で、過激だったけどもっと見たかった番組だった」という声も寄せられた。
昔はよく見ていたが、今はあまり見なくなったという番組は『さんまのSUPERからくりTV』で「替え歌のコーナーが圧倒的に面白かったが、最近は素人の人より大物芸人が出てきたりして面白くなくなった」。『行列のできる法律相談所』には「最初のころ”法律問題トーク”が中心で勉強にもなるし、毎週日曜日が楽しみでした。でも最近、法律ではない話が中心になってしまい見ていません」。
一方、昔は見ていなかったが最近は「ニュース・情報番組」などを見るようになったという意見も寄せられた。「『そうだったのか!池上彰の学べるニュース』が面白くためになる番組だと思います。さまざまなニュースを知ることで日本や世界の様子が分かり、公民などの授業で点数が取れるようになるので、ニュースを見ることはいいことだと思います」。「ちょうど家に帰るころ放送しているのが、石丸謙二郎さんナレーションの『世界の車窓から』です。この放送を見ていると本当に旅に出た気分になります。しかし唯一の欠点は放送時間が5分にも満たないミニ番組だということで、せめて15分くらいの時間で放送してほしいです」。
また受験生当時を振り返った意見も寄せられました。「僕は受験生のためテレビをあまり見ることができなかったので、ニッポン放送の『東貴博のヤンピース』を聴くことで話題のアーティストを知ることができましたし、よく笑うこともできました。しかし今、この枠は40代向けの番組となり非常に残念です。今の受験生は疲れきった夜をどうやって過ごすのでしょうか」。

【委員の所感】

  • 小学生のころの視聴体験として、番組内容より、家族と一緒に見たり、友だちと話題にしたりしたことなど、テレビはひとりで楽しむというよりも大勢で一緒に楽しむものだったというレポートが何通か寄せられ、興味深いものがあった。
  • 単純に笑える番組が少なくなって残念という報告と、中高生になった現在では単純には笑えなくなったという報告も何通か寄せられ、成長の過程をうかがわせるものだった。
  • 『学校へ行こう!』など、いまだに多くの生徒たちに支持されていることを考えると、多様なテレビが求められている一方、子どもたちが参加できる番組を熱望していることも強く印象に残った。テレビ制作者は大勢の人々が楽しめるような番組作りをもっと心掛けてほしい。

「今月のキラ★報告」(京都府・中学2年生男子)

僕が小学生のころ熱中して見た番組は『めちゃ2イケてるッ!』です。ナインティナインや加藤浩次さん、浜口優さんなどのお笑い芸人がさまざまな企画を通して視聴者に笑いを届けてくれる番組です。企画の中の一つ「只今参上 色とり忍者」に小学生のころは熱中していました。レギュラー陣とゲストが円になり、最初の人が「色+自由な言葉」を設定して次の人が答える、次はその人が新しいお題を出してまた次の人が答えるという、どんどん回っていく企画です。僕は、芸人さんやゲストが言うお題や答えに腹を抱えて笑っていました。お題にそった答えができないと罰ゲームになります。その罰ゲームの後のリアクションも面白くて僕は笑っていました。
『めちゃイケ』は現在も放送されていますが、中学生になると忙しくなったのであまり見なくなりました。ある日、暇な時間にテレビをつけると「色とり忍者」が放送されていました。僕はそれを見ていましたが、少しも笑うことができませんでした。バカらしいと思ったほどです。おそらく自分の心が発達して、子ども向けだと感じたのでしょう。新しく番組を見たり見なくなったりするケースで、「飽きた」や「面白くなかった」という人が多いと思いますが、それには感受性の発達や変化が関係しているのだと思います。

【委員会の推薦理由】

小学生のころ『めちゃ2イケてるッ!』という番組に夢中になり、お腹を抱えて笑うことができたのに、中学生になって同じ番組に面白さを感じられなくなったのはなぜか。それを自分なりに考えて分析し、率直に表現してくれている点を評価いたしました。

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