第188回 – 2012年10月
無許可スナック摘発報道事案の審理
その他
「無許可スナック摘発報道への申立て」事案の「委員会決定」(決定文)案について、時間をかけて検討した。
議事の詳細
- 日時
- 2012年10月9日(火) 午後4時~7時30分
- 場所
- 「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
- 議題
- 無許可スナック摘発報道事案の審理
その他 - 出席者
- 三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員
「無許可スナック摘発報道への申立て」事案のヒアリングと審理
本事案は、テレビ神奈川が本年4月、神奈川県警による無許可営業のスナック摘発と女性経営者の現行犯逮捕を現場で取材し、4月11日の『tvkNEWS930』で1分強のニュースとして放送したことに対し、この女性と家族から「軽微な罰金刑にもかかわらず、顔のアップ映像や、実名、自宅の住所等まで放送したのはプライバシーの侵害」等と申立てがあったもの。テレビ神奈川は、「通常の実名報道原則に基づいて放送した。申立人の基本的人権についても十分慎重に検討した」等と反論している。
この日の委員会では、10月初旬の2回にわたる起草委員会を経て提案された「委員会決定」(決定文)案の検討を行なった。事務局が文章を読み上げるやり方で、決定文全体の構成、内容、表現や結論等について時間をかけて細かく検討した。委員の間では、本件報道の公共性、公益性についても改めて議論が交わされた。
この結果、起草委員が次回委員会までに修正案を作成し、それをもとに再度検討することとなった。
その他
1.広島地区意見交換会事後アンケート調査結果を報告
9月14日に広島市で開かれた、放送人権委員会委員と広島地区のBPO加盟放送事業者との意見交換会の事後アンケート調査結果がまとまり、事務局から報告した。アンケートには52人の出席者の約3分の1から回答があった。
今回は放送現場を担う若手スタッフの参加を促すため、開始を午後7時30分からとしたが、「たいへん参加しやすかった」との声が圧倒的に多かった。
当日の主なテーマとしては、現地で直面している福山市のホテル火災に関連しての実名・匿名問題を取り上げたが、テーマ設定については「よかった」とする声が多かった。ただ、会場での意見交換は活発とまでは至らず今後に課題を残した。また、アンケートでは、顔なし映像が多用され匿名化が強まる現状について「昨今は一般人の間でも肖像権という言葉が飛び交う時代だ。取材時に“顔出し”を説得できないからといって顔出し取材が減ってくると、顔なしが基本になってしまい、自分で自分の首をしめることになる」という意見も寄せられた。
2.次回委員会は10月16日(火)に開かれることになった。
以上