放送人権委員会

放送人権委員会 ニュース・トピックス

2012年7月18日

「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」審理入り決定

放送人権委員会は7月17日の第185回委員会で、上記申立てについて審理入りを決定した。

対象となった番組はフジテレビの『 ニュースJAPAN 』で、昨年10月5日と6日の2回、「イレッサの真実」と題し、肺がん治療と新薬をめぐる問題について、肺がん治療薬イレッサのケースを取り上げて報道した。

この報道に対し、番組で長期取材を受けた男性から人権侵害を訴える申立書が委員会宛て提出された。申立人は、「本報道はイレッサの危険性を過小評価し有効性を過剰に強調する偏頗な内容で、客観性、正確性、公正さに欠けている。また申立人の発言をその主義主張とは反する使われ方をされ、かつ取材の休憩中の撮影とその映像を放送されたことにより名誉とプライバシーを侵害された」等と主張し、フジテレビに謝罪と放送内容の訂正を求めている。

これに対し、フジテレビは「本番組は肺がん治療に関し様々な立場から多様な意見が存在することを伝えたもので、客観性、正確性、公正さに欠けるところはない。また、申立人に対する名誉、プライバシーの侵害もない」と、局の見解で全面的に反論している。

委員会は、委員会運営規則第5条の規定に照らし、本件申立ては要件を充たしているとして審理に入ることを決めた。来月から実質審理を行う。

放送人権委員会の審理入りとは?

委員会は、「放送によって人権を侵害された」等と申し立てられた苦情が、審理要件(※)を充たしていると判断した時、「審理入り」します。
「審理入り」が、ただちに、申立ての対象となった番組に問題があるという判断を意味するものではありません。

(※審理入りに必要な要件については委員会運営規則第5条をご覧ください。)