第2回 – 2007年6月
TBS『みのもんたの朝ズバッ!』不二家報道の審理入りを決定
視聴者意見の検討 …など
TBS『みのもんたの朝ズバッ!』不二家報道の審理入りを決定
委員長は「われわれが判断すべきは、まず、この放送によって虚偽の疑いのある番組が放送されたということになるのかどうか、その結果、視聴者に著しい誤解を与えた疑いがあると言えるのかどうかであり、以上の2つの要件が満たされていると判断されたときには、放送倫理上問題があるか否かの審理をここで行うことになる。従って、一番の問題はこの放送に虚偽の疑いがあるかどうかということだが、もう一度、放送内容を見て、それから議論したい」と述べ、改めて全員で番組録画を視聴した。
(委員会での議論の概要は以下の通り)
- 十分な調査、あるいは裏づけのないままを放送したということは、虚偽の疑いを引き起こす、あるいは誤解を生むと思う。またお詫び訂正の不明確な提示のあり方が、更にこの問題をおかしくしていて、倫理上の問題として考えなければいけない。
- 最初の放送では、「こういうことがあった」とは断言していない。「疑いが出てきた」と言っている。表現の問題は確かに言い過ぎじゃないのかという印象は受けたが、しかし、今時、世の中怒りたいことはいっぱいあるわけで、自分の意見を言える、自由に言うという場に対して結果として制約をかけることはしたくない。
- この委員会の役割は何なのか。これに白黒をつけるのが私たちの役割なのか。事実関係を明らかにすることよりも、こういう問題が起きたときに、当事者間でどういう話し合いをするのか解決のモデルケースのようなものを出す必要があるのではないかと思う。
- 終わった事例だ。放送で問題を起こし、放送で謝り、不二家もそれを一応了としたということで、終わっているのではないかと思う。
- この問題は、情報バラエティー、ワイドショー、ニュース番組の企画ものの中に皆ある。極めて拙速なスクープ主義で、単一証言に頼ってものを言っているというのは、そこら中にある。
- 一般視聴者として見てみるとTBSは充分謝っていない、どこをどう間違って、それは何故間違ったのか、お詫び訂正放送のあり方のモデルケースみたいなものを、この番組を材料にして作っていけたらと思う。
- 放送したことに多少の誤りがあったとして、それを放送の時点で放送当事者がその誤りを誤りだと認識しないで、何らかの誤信をした理由が充分にあったかどうかが大きなポイントだと思う。実際に放送番組を作っていく上で、取材して編集してそれを放送するという過程の中で、「編集」というのが実は一番大きな問題で、そこで大きな誤りが生じる場合がある。表現の自由というのは、誤って信じたことを誤って発表、表現、放送してしまう、その自由を含むという線を崩してはいけない。
- 10年前に勤めていた人があたかも今のように放送されたこと、それについてはコメントなり表示で「証言は10年前のものだった」と示すべきだ。
- 小売店からの返品を工場に集めることはありえない事、そんなことをやって採算が取れるはずがないという指摘は、無視できない。虚偽の疑いがある番組が放送されたかどうかということは、もうちょっと慎重に審理すべきではないかと思う。
- ここで問題にすべきは、放送の中で悪意のうそがどれぐらいあったかということ。それがあったとはっきりした場合に、それに対しては何か言わなきゃいけない。
- 明らかな虚偽とは言えないまでも、明らかに視聴者を誤信に導くような編集のしかたについてはガイドラインとして出すというやり方はあると思う。
以上の意見を踏まえて更に議論した結果、審理入りすることで意見の一致を見た。
審理にあたっては、特別調査チームを設ける必要はなく、委員の中から担当の委員を決め、ヒアリングなどの調査を行う。その結果をまとめて委員に送り、次回、それを皆でディスカッションするという方向が決まった。担当委員は、小町谷委員長代行、吉岡委員。
視聴者意見の検討
アマチュアゴルフのスター選手の音声を録るために、パートナーの選手にマイク装着を依頼し断られ、また、上空からヘリコプターで撮影した問題について、視聴者からの抗議が多数寄せられた。なお、この件に関して、当該放送局は、既に番組内で謝罪し、ゴルフ連盟にも謝罪していることも報告。
委員会の最後に、第1回委員会の議事概要について委員会の承認を得た。
以上