放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第14回

第14回 – 2008年5月

光市事件裁判報道の総括

報告事項

光市事件裁判報道の総括

<主な委員の意見>

  • この委員会は間違いを指摘する組織だと権威的に見られている。特定の番組のここを直せといっているのではない。こういうことに関して考えてみましょうという意見書の場合、委員会と放送局、特に現場の人々との意思疎通を促し、向上につなげていく仕組みづくりを議論すべきではないか。
  • ここは「放送倫理・番組向上機構」だ。「番組向上」の部分が抜け落ちて、駄目なやつを叱るだけの機能の機構と理解されているのではないか。回答書も以後注意しますという感じで「向上」が抜け落ちてしまっている。
  • 今回は個別の番組ではなかったが、この委員会がつまらない意味で権威化してゆくことをどう避けるかは大事だ。そのためにBPOの発表の仕方はできるだけ多様なスタイルを作っておくべきだ。この委員会はいい意味での刺激となって番組が活性化してゆくことを最も考えなければいけないと思う。ここは査問会をやっているわけではない。
  • 本村さんは、私が発言することによって、この委員会が指摘するような被害者遺族対弁護団という図式を作ってしまっているのではないか、そうだとしたらそれは私の真意ではないと言っている。また、「言論・報道の自由」に自ら制限を加える意見のように受け取られるとも指摘している。
  • 今回この委員会の役割の中で大事だったと思うのは、犯罪被害者に寄り添う報道が抱える課題を突きつけたことだ。この議論が犯罪報道のあり方を変えるきっかけになればと思う。
  • ある在京局のキャスターの女性はBPOのことを知らなかった。局内の現場に情報が伝わっていないのは問題だ。
  • この案件は各局の意見を参考に、今後も継続性を持ってやるべきテーマだ。

報告事項

  • 事務局から以下の事項を報告した。
  • 「日本の原子力発電が新しい段階に」をテーマに、六ヶ所村にある日本原燃の再処理施設などを取材したニュース番組。放送された番組の一部に隠し撮りおよび内容的に誤謬があったとして原燃から当該局に抗議があった。当該局は原燃の広報部の指示のもとに取材したと説明し、話し合いが継続中である。

以上