第111回 – 2006年4月
新委員長の選任ならびに委員長代行の指名
バラエティー番組における人格権侵害の訴え」事案の総括…など
新委員長の選任ならびに委員長代行の指名
退任した飽戸委員長に代わる新委員長に、互選の結果、竹田稔委員が選出された。また、委員長代行には堀野紀委員と五代利矢子委員が指名された。
この後、竹田委員長の司会で審議に入った。
バラエティー番組における人格権侵害の訴え」事案の総括
本事案は、東京都在住の男性が「2005年6月及び7月に関西テレビで放送されたバラエティー番組で、当時妻だったタレントの発言によって名誉・プライバシー権の侵害を受けた」と申し立てていたもので、3月28日に「委員会決定」の通知・公表が行われた。
この日の委員会では、在京キー局のニュースでの「委員会決定」の扱いや「委員会決定」を掲載した新聞記事等について、事務局から報告した。
また、関西テレビが本事案の「委員会決定」の模様を伝えたニュースと4月1日に放送した当該番組『たかじん胸いっぱい』でのお詫び部分のVTRを視聴した。
委員会としては、後日関西テレビから提出される「委員会決定を受けた後の改善対応策の報告」を見守ることにした。
「新ビジネス”うなずき屋”報道」事案 当該局の改善報告
上記事案の委員会決定(1月17日)を受けて、当該局テレビ東京から3月20日「改善策を含む取組状況についての報告」が委員会宛に提出された。
報告の内容は、委員会決定の趣旨を社内各部局に周知徹底し、報道現場や外部プロダクションなど各部署での研修・勉強会を行ったこと等。
この報告書の提出を受けて、竹田委員長は「本委員会決定の見解を真摯に受け止め、改善の努力をしていることがうかがえる。是非今後同じようなことが起きないよう努めて欲しい」との感想を語った。
審理要請案件「若手政治家志望者からの訴え」
若手政治家志望者から「日本テレビが05年11月22日に放送した報道番組で、我々が作った政党と個人の活動について誤解を与える表現と作為的な編集、演出が行われ、名誉が傷つけられた」との苦情申立てが06年4月9日に放送人権委員会に寄せられた。
これに対し、日本テレビは「当該番組は、作為的な編集を加えることなく事実をありのままに放送したもので、報道内容に問題はなかったと判断している」と反論している。
4月の委員会で、この申立て案件について審理対象とするか否かについて、申立書と当該局から提出された経緯書を検討し、それに放送済みVTRを視聴し協議した。
その結果、当該申立ては若手政治家志望者個人からの訴えとして審理対象とすることを決め、5月の委員会から本格的な審理に入ることになった。
審理要請案件「防災フォーラムによる人権侵害の訴え」
東海豪雨災害の被災者だという男性からの「防災の専門家らが論じ合った番組に、被災者の主張を取り上げなかったのは、被災地住民の人権の一端を侵害するものだ」との苦情申立に対し、「申立書」に基づき、慎重に討議した結果、<審理対象外>との判断を下した。
委員の意見は「記載事項から見て、当案件は、放送人権委員会の運営規則第5条に定める申立人またはその直接の利害関係人の名誉、信用、プライバシー等の権利侵害に関する苦情にあたらない」ということで一致し、審理対象としない旨委員長名の文書で申立人に通知することにした。
苦情対応状況[3月]
2006年3月の1か月間に寄せられた放送人権委員会関連の苦情の内訳は、次のとおり。
◆人権関連の苦情(7件)
- 斡旋・審理に関連する苦情(特定個人または直接の関係人からの人権関連の苦情)・・・2件
- 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない一般視聴者からの苦情)・・・5件
その他
次回委員会は、5月16日(火) 午後4時から開くことを決め、閉会した。
以上