放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第134回

第134回 – 2008年4月

「高裁判決報道の公平・公正問題」事案  起草委員会が草案作成へ

「群馬・行政書士会幹部不起訴報道」  5月委員会でヒアリング ……など

「高裁判決報道の公平・公正問題」事案  起草委員会が草案作成へ

本事案は、今年1月に「戦争と女性への暴力」日本ネットワークの代表が、「昨年1月放送の『ニュースウオッチ9』で、2001年に放送されたETV2001シリーズ『戦争をどう裁くか』について東京高裁が判決を言い渡したニュースの中で『当事者としてのNHKの言い分』と『報道機関としての報道』を峻別せずに報道したことは、公平原則に照らして到底許されるものではないし、放送倫理にも違反している」と申し立てているもの。

4月の委員会では申立人、被申立人双方から、個別に直接主張を聞くヒアリングを行った。

この席で申立人側は「NHKは報道機関でありながら、裁判の当事者としてのNHKと一体化していて、客観的な報道を行っていない、判決の本質をゆがめて伝えている」と訴えた。

一方、被申立人のNHKは「当事者としての判断はなく、判決についてより淡々と伝えることに気を配ったものである」と述べた。

ヒアリングの後、更に審理を行い、5月13日に起草委員会を開いて、委員会決定の草案作成の作業を進めることにした。

「群馬・行政書士会幹部不起訴報道」  5月委員会でヒアリング

群馬県行政書士会の幹部から、「ラジオのニュースにより、自分の名誉が毀損された」と申立てがあり、委員会で審理された。放送は昨年 12月12日のエフエム群馬の夕方のニュースで、「行政書士会の運営を巡る対立により、この幹部が傷害の疑いで書類送検され、その後不起訴になった」などと伝えたもの。

これについて申立人は、「事実関係は全く違う。自分になんの取材をしないまま、県議会の委員会で取り上げられたからと言って、自分が傷害犯のように思われる報道を一方的にされたことは納得できない」として、エフエム群馬に対し訂正放送と謝罪を求めている。

これに対しエフエム群馬は、「ニュースは、県議会での質疑応答の過程において明らかになった内容を伝えたものであり、重要事項についての事実確認を行ったうえで報道しており、真実でない事項の放送はしていない。従って訂正放送などに応じることは出来ない」と反論している。

委員会では、申立人から提出された「申立書」「反論書」、及びエフエム群馬からの「答弁書」「再答弁書」等の資料を基に審理を行った結果、申立人、被申立人それぞれの言い分を確認する意味でも、次の委員会では双方を招いてヒアリングを行うことにした。

苦情概要

3月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり

◆人権関連の苦情[9件]

  • 審理・斡旋に関する苦情(特定個人または直接の関係人からの人権関連の苦情)・・・9件
  • 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない一般視聴者からの苦情)・・・0件

次回委員会を5月20日に開くことを決め、閉会した。

以上