青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第75回

第75回 – 2007年1月

『紅白歌合戦』関する視聴者意見について審議

中学生モニターについて …など

『紅白歌合戦』関する視聴者意見について審議

はじめに、年末恒例の『NHK紅白歌合戦』で、男性歌手の衣装や女性ダンサーの裸に見えるボディースーツについて視聴者から「卑猥で子どもや女性への配慮がなく、とても不快だった」「公共放送としての品位にかける」「放送局は知らなかったというが、あまりにも無責任ではないか」といった批判的な意見が多数寄せられ、これを基に審議した。

各委員の意見は次のとおりである。

  • 年末恒例の子どもからお年寄まで家族揃って見る番組だからこそ、視聴者は期待を裏切られたと感じるのではないか。局側は話題づくり、視聴率が取れることを狙ってやっているとしか思えない。知らなかったという対応は無責任に感じる。
  • 国民的な番組と言われているにしては、演出が卑猥な感じがする。衣装については事前の打ち合わせで分かっているはずなので、演出側の冒険がすぎたのではないか。
  • 番組の途中で局のアナウンサーが、「裸ではなく、ボディースーツです」と弁解のような謝罪をしていたが、裸でさえなければ良かったのか。対応の仕方に問題がある。
  • この歌手は、こういったパフォーマンスを常套的にやっているので、局側も分かっていたはずだから演出には気をつけるべきだった。NHKでやったからこそ視聴者に与えたインパクトは大きい。
  • NHKは、公共放送であるから、公共性を強く意識する必要がある。こういった国民的な番組で、大多数の視聴者が不快に思ったことを、重く受け止めるべきだ。
  • 歌番組の演出には、現場の勢いも必要だが、やはり出演者との信頼関係をきちんとつくっておくべきだ。会長会見で謝罪はしていたが、遅すぎたし言い訳に聞こえたのはいかがなものか。

以上の審議の結果、視聴者からの厳しい指摘や青少年への影響を考え、委員会としては当該局に対し、事実経過の説明を文書で求めることを決定した。

次に、法律的に犯人を罰することが難しい事件の被害者のため、恨みを晴らすというオムニバスドラマについて、「些細な理由で人を殺し、遺族が犯人の死刑を依頼する。あまりに人の死を軽く扱っている」「人を殺して恨みを晴らすという考えはおかしい」「レイプや殺人の描写、子供の虐待シーンはあまりにも残酷すぎる」といった意見が寄せられ、委員会では当該局にビデオ提供を依頼し、それを視聴のうえ、次回委員会で審議することとなった。

また、友達と同じ会社の携帯電話を使っていない女子高生が”お金がかかるから電話しないでいい”と謝っている携帯電話のCMについて、視聴者から「いじめを助長する」「同じ携帯を持ってない子は仲間外れになって仕方ないといわんばかりだ」「仲間外れにしていじめを連想させる」といった意見が寄せられ、委員からは「”いじめにつながる”と言っているのは、若い視聴者が多いようだが、いじめに対して若い人が敏感になっているのではないか」「このCMが問題と言うより、みんながいじめに対してナーバスになりすぎていて、それがいじめを抑止する方向に進んでいない」といった発言があった。

中学生モニターについて

1月のレポートはやや少なく、19人から30件(一人で複数件の報告有)が寄せられた。分野別ではドラマとバラエティー・音楽がそれぞれ13件、11件と多く、他には情報番組が4件、ニュースと教養番組が1件ずつだった。

局別ではフジテレビが10件、日本テレビ8件、NHK5件、TBS4件、テレビ朝日と朝日放送が1件ずつだった。

複数意見が寄せられた番組を中心に紹介する。

  • ドラマでは『花より男子2』が4件。一般視聴者からは「暴力や乱暴な言葉づかいがひどい」という批判があったが、中学生の意見はその点は心配しながらも「去年のものとはスケールが違い内容が濃くてあっという間に時間がすぎる」「支えてくれる人がいることはどんなに幸せな事かがわかる」などといずれも好評だった。また『佐賀のがばいばあちゃん』には「貧乏もへっちゃら、自分の信念を曲げない生き方はミラクルだ」「これからも世間で話題になった本をドラマ化してほしい」など、『拝啓、父上様』にも「都市化と老舗、父を知らぬ主人公などの主題を大きな物語に作り上げている」「ゆっくりした時間が流れていて好き」など、概ね好評な意見が2件ずつ寄せられた。
  • バラエティー・音楽では、『紅白歌合戦』に「ボディースーツの時に妹が目をそらしていた。来年はみんなで見られるものにしてほしい」「問題は誰にも言わずに本番にああいうことをやったこと」など3件。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』には2件、「内容は面白くて良かったが罰ゲームが厳し過ぎた」という意見が寄せられた。
  • その他、いじめを特集した『SMAP×SMAP』には「今いじめられている人や、それを解決した人の話を丁寧に取り扱いとても考えさせられたが、中学生が大勢出席している割に意見が少なく物足りなかった」という注文が、また、いじめなどの報道に関して、事件が起こった時だけでなくじっくり話し合ったり(『ジェネジャン』)振り返って報道する事(『スーパーモーニング』)の大切さを訴える意見もあった。

モニターのレポートに関して、各委員の発言は次のとおり。

  • 『花より男子2』の意見でも感じるが、中学生は番組を深くしっかり見ているのが分かる。大変良い事だと思う。
  • 『佐賀のがばいばあちゃん』が好評だったが、ああいうドラマを見るのは興味深い。
  • 『のだめカンタービレ』で、マンガがテレビになって音楽がついて物語が盛り上がったという意見があった。次にマンガを読む時にその音楽が浮かぶだろう、心に残る番組だったのだと思う。
  • 原作がマンガのドラマが多すぎるという意見もあった。テレビの作家も育ってほしい。
  • いじめの問題を、シリーズでやるなど継続的に取り上げることは、中学生の言うとおり大切だと思う。
  • 『SMAP×SMAP』で中学生の意見が少なく物足りないという指摘があったが、イギリスの番組と比べると日本は有名人に頼りすぎていると思う。

中学生フォーラムについて

12月26日に行われた「中学生フォーラム」について総括をした。各委員の感想は次のとおり。

  • 中学生がハキハキしゃべり、内容・テーマ設定も良かった。
  • 中学生の物怖じしない発言には感心した。制作者の”バラエティーお風呂論”に対し”お風呂なら効能が必要で、入って気分が悪くなるのは困る”と切り返したのはすごかった。またテレビと携帯を比較するのは時代遅れという発言も良かった。
  • インタビュー調査の中間報告は、フォーラムの話し合いとうまくかみ合った。
  • 並び方が横一列で、手を上げたのに指されないなど悪条件はあったが、中学生はがんばった。
  • 中学生と制作者が直接話すという事には今回も意義を感じた。

「中学生フォーラム」の内容をまとめた冊子は3月に発行予定。またNHK教育テレビ『土曜フォーラム』(70分番組)で、2月17日(土)夜11時30分から全国放送する。

調査・研究活動について

橋元委員から、インタビュー調査も残りあと2回となり、これで36人のインタビューが完了する。その後、事前アンケートとインタビュー調査をまとめ、報告書の作成にとりかかる、との報告があった。