放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第148回

第148回 – 2009年6月

「保育園イモ畑の行政代執行をめぐる訴え」事案の審理

「派遣法・登録型報道」事案の審理 ……など

先月に引き続き、「保育園イモ畑の行政代執行をめぐる訴え」事案の審理を行った。また、「派遣法・登録型導入報道」事案の実質審理が始まった。

議事の詳細

日時
2009年 6月16日(火)  午後3時~6時20分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
堀野委員長、樺山委員長代行、三宅委員長代行、大石委員、小山委員、坂井委員、武田委員、田中委員、山田委員

「保育園イモ畑の行政代執行をめぐる訴え」事案の審理

前回に引き続き審理を行った。この事案は、大阪の保育園の理事が、道路建設のため保育園の野菜畑が行政代執行によって強制収用された当日、園児たちを現場に動員して並ばせたなどと事実に反することを情報バラエティー番組で放送され、名誉を侵害されたと申し立てたもの。番組は2008年10月19日放送のTBS「サンデージャポン」。
この日の委員会には、申立人の「反論書」とTBSの「再答弁書」が提出された。前回の審理をふまえ、名誉毀損はあったか、番組の性格を考慮すべきか、訂正放送は十分だったかなどの各点について、意見の集約に向けて審理した。
次回6月29日の委員会では、申立人、TBS側双方に対してヒアリングを実施することになった。

「派遣法・登録型報道」事案の審理

テレビ朝日・朝日放送の「サンデープロジェクト」の特集、「派遣法制定、登録型導入報道」(2009年2月1日および8日放送)により名誉侵害などを受けたとの訴えが出され、この事案の審理入りが4月の委員会で決まり、今回の委員会で初めて実質審理を行った。
はじめに、申立人・被申立人双方の主張をまとめた論点整理を行い、その後各委員がこの事案についての大まかな感想や意見を述べた。
その中では、「番組は熱心な調査報道である」という感想の一方、「言葉の使い方や映像の出し方はどうだったか」と言った声もあり、これらの意見を受け、次回委員会では議論の筋道を立て、委員会決定に向けて更なる審理を進めることになった。

「割り箸事故・医療裁判判決報道」事案の審理について

本事案は、東京都在住の勤務医らから、08年2月にTBSのニュース情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」で放送された、割り箸事故を巡る判決報道の内容が医師の名誉を侵害したなどとして申立てがあったもの。申立人から提出される「反論書」、これに対するTBS側の「再答弁書」の提出を受け、6月の委員会で審理を続ける予定であったが、「再答弁書」が6月末に提出されることから、今回の委員会では実質審理は行わず、7月の委員会より審理を再開することとした。

5月の苦情概要

5月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・ 2件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・・83件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

次回委員会は6月29日(月)に開催し、「保育園イモ畑の行政代執行をめぐる訴え」事案の当事者に対するヒアリングが行うこととした。

以上