青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第74回

第74回 – 2006年12月

青少年に関する視聴者意見について審議

調査・研究活動について …など

12月12日に開催した今年度第8回青少年委員会(通算74回)では、11月21日~12月4日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に審議したほか、調査・研究活動や中学生フォーラムならびに2007年度の委員会活動について検討した。

議事の詳細

日時
2006年12月12日(火)
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」(千代田放送会館7階)
議題
出席者

青少年に関する視聴者意見について審議

今回も、いじめによる自殺報道について、視聴者から報道のあり方に関する意見が寄せられ、これを基に審議した。

各委員の意見は次のとおりである。

  • 新聞では自殺防止のメッセージを掲載したりしているが、放送もいじめによる自殺者を悲劇の主人公のように扱うのではなく、自殺をさせないための報道を考えてほしい。
  • 最近では、事件の再現や状況を放送する時に、情緒的なBGMを入れたりすることがよくあるが、もう少し冷静に報道することが望ましい。
  • 報道姿勢とは別に、放送技術の発達で編集なども簡単にできるので、過剰に情に訴えるなど報道の方法も変わってきているのではないか。
  • いじめ自殺だけではなく、飲酒運転事故もそうだが、もう少し客観的に報道できないものか。一つの問題だけ集中的に報道していては、長続きしないのではないか。事件・事故によっては静かに長く報道していかなくてはならないものもあるので、報道するテーマをより分けて取り上げることも必要だ。
  • 民放連がWHOの「自殺予防―メディア関係者向け手引き―」を民放各社に送付し、自殺報道については十分留意するよう要請したことが効果あったのか、このところの報道は多少あらたまった感じがする。

次に、同じく報道のあり方について視聴者から「事故死した子どもの写真を自分のHPに無断掲載し、訴えられている教諭を取り上げた番組で、前任の小学校の生徒に水着などの写真を見せ、”これは君の写真だよね”と直接取材をしていたが、事件を知らないかもしれない子どもの心に、傷を残したと思わないのか」といった意見が寄せられた件について、委員からは「やりすぎではないか、子どもへの取材は慎重に考えるべきではないか」「事実を知らないかもしれない子どもにわざわざ写真を見せて知らせることはない」といった意見が述べられた。

そのほか、中学生の妊娠をテーマに取り上げたドラマについて、委員から「番組が終了した段階で、なぜこのような企画の番組を作ったのか聞きたい」「子どもたちが妊娠・出産について考えるきっかけになったのではないか」「この局は以前も視聴者から問題だと言われたドラマを放送していたが、今回も話題づくりとしか思えない」といった発言があった。

調査・研究活動について

橋元委員から、第4回インタビュー調査の報告があった。また、12月26日開催の中学生フォーラムで発表するインタビュー調査の中間報告について、説明があった。

主な報告内容は次のとおり。

  • 長時間視聴の子どもだからといって、テレビが一番大切なわけではない。
  • 10年前の調査と比べ、子どもにとって一番大切なメディアは、テレビから携帯電話になりつつある。
  • 今の子どもは、ほかの情報メディアを利用しつつ、”ながら”でテレビを見ている。

中学生フォーラムについて

事務局からフォーラムについて、下記のとおり説明があった。

  • 司会は、昨年同様タレントの麻木久仁子氏に依頼した。
  • 今回は、4月からの中学生モニターが主役で、モニターからのレポートを中心に番組制作者との話し合いを進めていく。
  • モニターからのレポートを集計し、関心が高い番組ベスト10や評価する番組・しない番組ベスト10などの番組評価を基に意見交換を行う。

2007年度委員会活動について

来年度の委員会開催日、中学生モニターの公募、中学生フォーラムの開催、インタビュー調査の結果報告などについて検討した。また、視聴者意見を基に委員会が出している「要望」や「回答要請」の取り扱いについて、意見交換した。

(注)今年度は、テレビ界全体の問題とし「少女を性的対象視する番組に関する要望」をNHK、民放全社に、放送前の個別番組に対し「自粛のお願い」を当該局に出している。

主な意見は次のとおり。

  • 今年度は放送前の番組に対し当該局に「自粛のお願い」を出したが、今後もこういったかたちで出していってもいいのではないか。
  • 放送界全体の問題については「要望」として出す必要もあるので、ケースバイケースで「要望」または「回答要請」として出していけばいいと思う。
  • 「要望」というかたちで出すと局側は厳しく考えてしまう。委員会は検閲機関ではないので受け取る側が萎縮しないような体裁や用語を考えていく必要がある。
  • 局側は「回答要請」についても重く受け止めているのではないか。局側の考え方を知るためには、報告のようなかたちで説明を求めればいい。もっと局側と委員会との意見のやりとりができる方法を考えるべきだ。
  • 委員会として問題点を指摘することも必要だが、表現者の意欲をそぐようなことだけは避けたい。

以上の結果、視聴者意見の取り扱いについては、委員会で合意したうえで、放送局との間でより頻繁に意見の交換を行い、対応していくこととした。

中学生モニターについて

◆12月の報告

12月のレポートは23人から、37件(一人で複数件の報告有)寄せられた。分野別では今月もドラマが断然多く16件、バラエティーと情報・討論番組が5件ずつ。スポーツが4件。アニメが2件、映画とドキュメンタリーが1件ずつだった。

報告が多かったドラマから紹介する。

  • 『14才の母』への意見は5件。これまでは共感の意見が大半だったが、やや風向きが変わった。共感する意見は「最近は”いじめ”などの理由から、自ら命を絶とうとしてしまう子供が多いので、もっと命の大切さを主張するようなドラマを作ればよい」という1件。他は「命の大切さを教えてくれる」という点には共感しても、「話の展開が速すぎたりゆっくりすぎたりしてついてゆくことができない」、また「14才という年齢でしてはいけない行為だと訴えてもいい」というものだった。さらに「世界を見ると、暴力により強制的に”10代の母”にならされている人もいるのに、そのことを考えないで遊び心でこのような番組を作っている。番組を作っている人の考えが伝わってこない」という注文もあった。

    また「中学生フォーラム」(12月26日開催、後述)の事前打ち合わせ会で『14才の母』について話し合ったのをきっかけに、『家族善哉』という、主人公が16歳で妊娠出産したお昼の連続ドラマを取りあげ、中絶の現状なども調べ、自分に引き寄せて考えを述べた男子の報告も寄せられた。「一番大切なのはそういう(妊娠させるような)行為を軽々しくしないということ。中途半端な”生きること”に対する教育しかされていないことが、原因なのではないかと思った。この番組をみて”生きること”などについて知らないことが分かってきた」という内容だった。

    『のだめカンタービレ』には4件。「最近どんどん面白くなってきて、次回も早く見たい」など好評が2件、他は「最初はのだめの発言やリアクションが笑える内容で楽しかったが、中盤からどんどん真面目な話になった」「初めに漫画を読んでとてもよいイメージがあったのに、演奏を聴いてがっかりしました」という意見だった。

    『僕の歩く道』は、「このドラマを見た後は気持ちがすごくおだやかになれる」、「これからもメッセージ性の強い上質なドラマをつくってほしい」などと2件とも内容は好評だった。しかし「放送の次の日学校でふざけてセリフを真似している人がいる」という影響への心配と、「ドラマ内のCMに同じ俳優が出演すると興ざめする」という注文が添えられていた。

    さらに土曜深夜の『地獄少女』について、「地獄通信というサイトに地獄に流したい人の名前を書きこむと、相手を地獄に流してくれるという話ですが、ネット上に同名のサイトがある。テレビの影響がこのような形で現れてしまうのはイヤだなと思いました」という報告も寄せられた。

  • その他の分野で2件意見が寄せられたのは『世界バレー』について。「受験生ですが、日本選手が一生懸命最後まで戦っている姿に感動し、自分も頑張ろうと励まされました」などといずれも好評だった。
  • バラエティー・情報番組では、『熱血!平成教育学院』は「見ている人を熱中させる問題を選んでいる」、『クイズ!ヘキサゴン?』は「少し人を馬鹿にして笑うところに疑問も感じるが、許容範囲なのでよ」、『ぷっすま』は「むちゃなところもあるが、叩いたりせず口で勝負していて品がある」、『世界まる見え!テレビ特捜部』は「毎週驚かせてくれて楽しみ」、『金曜かきこみTV』は「意見を掲示板に書き込め、大人が自分達の意見をもとに話し合ってくれて、とても親しみが持てる」等、各番組とも概ね好評だった。ただ『IQサプリ』に「小中学生向けにもうちょっと簡単な問題を出して欲しい」という注文があった。
  • 先月はたくさん寄せられた”いじめ”に関するレポートは1件で、『感動特番!みのもんた動物に聞いてみよう』について、「この番組のテーマが、生きることだったり、いじめだったりした所が驚きで、番組からもその内容がしっかり伝わってきた」という意見だった。

中学生フォーラム開催

第6回の中学生フォ-ラムは、12月26日に千代田区平河町のルポール麹町で「中学生モニター 今、テレビに言いたいこと」をテーマに開催された。中学生モニター24人(前・後期合わせ)と、在京民放キー5局とNHKの番組制作者が集まり、麻木久仁子さんの司会で話し合いが進められた。 まずこれまでの中学生モニターの報告をもとに、関心が高い番組と評価が高い番組のベスト10を紹介。そして関心も評価も一番高かった『14才の母』についてと”いじめ”にまつわる問題を中心にすえ、活発な議論が繰り広げられた。

休憩後、青少年委員会橋元委員の「小中学生はテレビをどう見ているか?」という調査・研究の中間報告をもとに、熱心に見る番組・テレビと携帯どちらが大切か・これからのテレビのあり方などについて、意見交換が行われた。

このフォーラムの内容は、在京民放各局の検証番組で放送される他、NHK教育テレビ『土曜フォーラム』(2月17日夜11時30分からの予定)で全国放送される。また内容をまとめた冊子を、3月中に発行する予定。