放送人権委員会

放送人権委員会 委員会決定

2005年度 第28号

第28号 バラエティー番組における人格権侵害の訴え

【委員会決定を受けての関西テレビの対応】

2006年3月28日に委員会決定を受けた関西テレビは、BRC宛に06年6月13日に「決定後の対応と取り組み状況」をまとめた文書を提出した。

これは、NHKと日本民間放送連盟が、BPOの発足にあたり

基本合意書において「3委員会から指摘された放送倫理上の問題点については、当該放送局が改善策を含めた取り組み状況を報告し、放送倫理の向上を図る」と申し合わせたことに基づくもので、06年6月20日の第113回委

員会では、この関西テレビからの報告文書について意見を交わした。

各委員からは、BRCの委員会決定を受けた放送局に対する最近の総務省の動きを懸念する意見が相次いだ。

関西テレビの報告は以下の通り

2006年6月13日
放送と人権等権利に関する委員会
委員長  竹田 稔 様
関西テレビ放送株式会社

委員会決定後の対応と取組みについて

平成18年3月28日のBRC(放送と人権等権利に関する委員会)の勧告を受け、当社は下記の通りの対応と再発防止の取組みを行いましたので、ご報告します。

(A)勧告後の当社の対応について

1.申立人への謝罪

  • 4月4日、申立人に制作局長と番組プロデューサー連名の謝罪文を郵送

2.視聴者等への告知

  • 3月28日、委員会決定直後に当社ホームページにて、これまでの経緯と委員会決定の内容、今後は一層送倫理遵守に努める方針を掲載
  • 3月28日、委員会決定後から視聴者情報部が窓口となり、視聴者からの電話やメールに対応(3月28日~4月6日:この件に関する電話7件、メール28件で内訳は苦情69%、激励その他31%)
  • 3月28日、委員会決定後に夕方の全国ニュース(40秒)、ローカルニュース(1分20秒)で決定内容を放送
  • 4月1日の当該番組「たかじん胸いっぱい」の中で番組の最後にテロップ画面でアナウンスコメントのお詫びを30秒間放送
  • 4月30日、月1回放送の検証番組「月刊カンテレ批評」の冒頭で5分間の特集を放送。その中で制作局長が出演し、経緯及び今後の方針を説明

3.他のマスコミ各社への対応

  • 3月28日、委員会決定直後のBRC委員長らの記者会見の席で、出席したマスコミ各社に当社のコメントを配布
  • 3月28日、委員会決定後から総務部が窓口となり、マスコミ各社の問合せに対応

4.社内への告知

  • 3月28日、委員会決定直後に緊急管理部長会を開き、総務局長から委員会決定について報告。全社員への周知徹底を図る
  • 4月4日、5日に全社の部長会、局長会でも今回の経緯並びに決定内容が報告される

5.総務省近畿総合通信局への報告

  • 3月28日、当社技術業務部長から委員会決定について報告。4月12日、技術業務部長と総務部長がこれまでの経緯を事情説明

6.番組審議会への報告

  • 4月13日開催の第475回番組審議会において、制作局長、考査部長から委員会決定について報告

(B)再発防止に対する取組み

1.緊急制作局会、プロデューサー会議の開催

  • 3月28日に緊急制作局会、プロデューサー会議を開き委員会決定の内容を説明し、今後は企画・編集段階から見直しを図り、再発防止に努めるよう指示
  • 4月7日、制作局長が当該番組の制作プロダクション幹部に委員会決定の内容とともに再発防止への協力を要請

2.企画・編集のチェック体制の強化

  • 3月29日より、制作部長と副部長が分担して企画書や収録番組の編集テープを取寄せ、番組のチェックをすることを決定

3.各種研修会の開催

  • 4月12日、新入社員の研修会にて考査部長がこれまでの経緯とBRC決定のポイントを解説
  • 5月18日、若手カメラマンと外部プロダクションの編集スタッフを対象に研修会を開催。今回の問題点を取り上げて、人権に配慮した番組作りを心掛けることを確認
  • 6月2日、関西テレビの本社で上智大学の田島泰彦教授を講師に招いて、「放送と人権」をテーマに研修会を開催。外部プロダクションのスタッフや社員80人が参加。田島教授はBRCの設立時の背景や放送倫理と人権について

    講演。講演後、バラエティ番組と人権に関するテーマで活発な議論が交わされた

4.制作マニュアルの作成

  • 番組制作に携わる者が放送倫理を守り、他人の名誉やプライバシーに配慮した番組作りに努める心得を書いた小冊子を作成

以上