群馬・行政書士会幹部不起訴報道
委員会決定 第37号 – 2008年7月1日 放送局:エフエム群馬
見解:放送倫理違反
申立人は2006年7月に暴行容疑で書類送検されたが、その後不起訴処分になった。エフエム群馬は2007年12月に県議会で取り上げられたこの問題を伝えたが、申立人は「何の取材も受けないまま真実でない放送をされ、名誉を傷つけられた」と申し立てた。
2008年7月1日 委員会決定
放送と人権等権利に関する委員会決定 第37号
- 申立人
- A
- 被申立人
- エフエム群馬
- 対象番組
- エフエム群馬 夕方のニュース
- 放送日時
- 2007年12月12日
午後6時07分頃
1分10秒
申立てに至る経緯
民放ラジオ局であるエフエム群馬は、夕方の定時ニュースの一項目として、「群馬県行政書士会の総務部長が会員に暴行を加えてケガを負わせたとして、傷害の疑いで前橋地方検察庁に書類送検されていたことが分かりました」で始まり、同行政書士会の会員が県議会に総務部長らの処分を行うように陳情し、放送当日の県議会総務常任委員会で取りあげられたこと、総務部長は書類送検されて不起訴処分となっていること、また県では検察で不起訴処分になっていることから処分は行わないとしたことなどを伝えた(以下、「本件放送」という)。
本件放送に対し、申立人である総務部長は、事実関係が異なるうえ、自分になんらの取材をしないまま一方的な報道をされ、名誉を傷つけられたとして、2008年1月、エフエム群馬に対し、放送法4条に基づく訂正放送と謝罪を求めた。
これに対し、エフエム群馬は、本件放送は県議会での質疑応答の過程において明らかになった内容を伝えたものであって、重要事項についての事実確認を行った上で報道しており、真実でない事項の放送はしておらず、訂正放送などに応じることはできないと反論した。その後、双方の直接の交渉はなされないまま、2008年2月、申立人から当委員会に対し「申立書」が提出され、3月の委員会で審理入りを決定した。
目次
- Ⅰ. 申立てに至る経緯
- Ⅱ. 申立人の申立ての要旨
- Ⅲ. 被申立人の答弁の要旨
- IV. 委員会の判断