若手政治家志望者からの訴え
委員会決定 第29号 – 2006年7月26日 放送局:日本テレビ
見解:迅速・丁寧な対応を要望
若手政治家志望者3人が、日本テレビが2005年11月に放送した報道番組について「我々が作った政党と個人の活動について誤解を与える表現と作為的な編集、演出が行われ、名誉が傷つけられた」と申し立てた事案。
2006年7月26日 委員会決定
放送と人権等権利に関する委員会決定 第29号
- 申立人
- A、B、C
- 被申立人
- 日本テレビ
- 苦情の対象となった番組
- 日本テレビ 報道番組「先端研」
- 放送日時
- 2005年11月22日 午前1時45分から約30分間放送
申立てに至る経緯
「先端研」は、日本テレビの説明によると、ニュース離れが進む若年層をターゲットに、気になる「先端的なテーマ」を取り上げた報道局制作の深夜番組であり、05年4月から12月まで週に1回関東ローカル枠で放送された。
「政治家を志す若者たち」というテーマで放送された本件番組は、主に以下の4つのパートから成り立っている。
•元フリーターから当選した(東京の)中野区議
•自分たちで政党をつくった「日本公進党」の党首ら
•早稲田大学雄弁会の学生たち
•松下政経塾の塾生たち
今回申立てを行ったのは、04年10月に「日本公進党」を立ち上げたいずれも20歳代の党首・A、幹事長・B、幹事・Cの3氏で、「当該放送は、当方の活動について誤解を与える表現を使い、また作為的な編集や演出が行われた結果、我々の名誉が傷つけられた」としている。
申立人らは、当初05年12月に日本テレビ報道局長宛に公開質問状を送るなどして局側の説明を求めていたが、06年2月に担当プロデューサーと電話で話しあった後、書面による回答を求めていた。
被申立人の日本テレビは、06年4月に報道局担当プロデューサー名で「当該番組は取材で浮かび上がった事実をありのままに伝えたもので、事実を歪曲して編集していない。したがって、取材方法や編集作業において謝罪や訂正すべき点があるとは考えていない」と回答した。
申立人らは、この回答を不満として同年4月9日付けで「申立書」を本委員会に提出した。
目次
- Ⅰ. 申立てに至る経緯
- Ⅱ. 申立人の申立ての要旨
- Ⅲ. 被申立人の答弁の要旨
- IV. 委員会の判断