新喫茶店廃業報道
委員会決定 第26号 – 2005年10月18日 放送局:毎日放送
見解:放送倫理違反
たこ焼き屋の店主の申立て。喫茶店の入り口付近で営業していたが、2005年5月の毎日放送のニュース番組『VOICE』の特集について、「隠しマイクの録音、隠しカメラの映像を巧みにつなぎ合わせ、いかにも私が嫌がらせを続けて喫茶店を廃業に追いやったかのように放送された」として、人権侵害などを訴えた。
2005年10月18日 委員会決定
放送と人権等権利に関する委員会決定 第26号
- 申立人
- 兵庫県在住 元たこ焼き屋台店主
- 被申立人
- 毎日放送
- 苦情の対象となった番組
- 毎日放送 ニュース番組「VOICE」
特集「憤懣本舗:嫌がらせの『屋台』・無神経な『役所』」 - 放送日時
- 2005年5月9日午後6時16分~6時55分内
申立てに至る経緯
放送内容
「兵庫県宝塚市内のある駅前の喫茶店の入口付近において、女店主がたこ焼き屋台器具を搭載した車を夜間日常的に違法駐車して営業していたことに端を発し、付近 住民が再三にわたって警察に通報し、市役所にも相談したところ、警察が同たこ焼き屋台の移動をさせたり、市当局がバリケードを設置して駐車できないようにした。市当局から通報者を聞き出した女店主がこれに憤慨して喫茶店に乗り込んで大声で脅迫めいた抗議をし、また度重なる嫌がらせをした結果、喫茶店の常連客は怖がって寄りつかなくなり、売り上げがガタ落ち、喫茶店営業者は閉店に追い込まれたのに、市は責任をとることなく、当のたこ焼き店は今も営業している」という趣旨のナレーションのもとに、毎日放送は、喫茶店営業者がサラリーマン時代に貯めた資金で苦労して喫茶店を開業した状況、たこ焼き屋台車を違法駐車して営業している状況を隠し撮りして放送した。
さらに、客を装って同店主が喫茶店の悪口をしゃべるのを密かに録音し、また、喫茶店に乗り込んで客の前で大声で抗議している状況を密かに録音したテープを入手して、これらのテープの音声を流し、喫茶店は閉店に追い込まれたのに当のたこ焼き店主は依然営業を続けると言っている状況を隠し撮りにより放送した。
目次
- Ⅰ. 申立てに至る経緯
- Ⅱ. 申立ての趣旨及び理由の要旨
- Ⅲ. 被申立人の答弁の要旨
- IV. 委員会の判断