放送人権委員会

放送人権委員会

2003年度 解決事案

「白装束集団とは無関係」との苦情

情報番組に対して、宗教法人「GLA」から苦情申立てがありました。内容は、「白装束集団に関して報道した際に、白装束集団の代表者がかつてGLAに所属していたなどと報道したが、そのような事実は全くない。GLAが白装束集団と根本において同一であるかのごとき印象を与えるのは、まことに迷惑であり、事実無根の報道に対して訂正・謝罪を求める」というものです。
これに対して当該局は、「放送中にGLAから訂正要求の電話があったが、事実に間違いはない」としています。双方に話し合いを求めた結果、当該局から、「GLAの広報担当者と話し合った結果、白装束集団の代表者が、過去にGLAにいたことが事実だとしても、現在は何の関係もなく、今後この問題を取り上げる際には十分注意することを約束し解決した」との連絡があり、事務局でGLA側にもこの旨を確認し解決しました。

(2003.05.03.放送、05.09解決)

「リフォーム番組で悪質業者の烙印」との苦情

岐阜県の建築業者から苦情申立てがありました。内容は、「悪質リフォーム業者の特集番組の中で、自分の父親がリフォームした家が『欠陥住宅』として取り上げられた。放送に当たって当方への取材は全くなく、相手方の主張だけで番組が作られてしまった。番組を放送した局に抗議したところ、制作したのは東京のキー局だと言われ、制作局に抗議したが、『欠陥住宅だから放送しただけ』との回答であった。この放送で父は「悪質業者」の烙印を押されてしまい、仕事にも支障をきたしている」というものでした。
当該局との話し合いがほとんど行われていないため、事務局から当該局に苦情の趣旨を伝え、対応を要請しました。
当該局プロデューサーが苦情申立人に、放送内容と放送意図をあらためて説明、遺憾の意を表明し、今後、当該番組で、同じ映像を使用しないなどで合意しました。

(2003.05.26放送、07.02解決)

「ドラマの台詞で、ショートステイを”姨捨山”に喩えた」との苦情

栃木県の男性(53)から苦情申立てがありました。内容は、「ドラマの台詞で、介護を受けている老人が刑事からアリバイを問われて、『おれは、ショートステイ(老人ホーム)という姨捨山にいた』という表現があったが、これは差別ではないか。当該局に抗議したが『問題ない』とのこと。なんとかならないものか」というものです。
事務局が当該局に苦情の趣旨などを伝えたところ、後日苦情申立人から、「担当プロデューサーとの話し合いで、その台詞の部分は事実上再放送しないなど納得できる回答があった」との連絡があり解決しました。

(2003.06.24放送、07.03解決)

「写真が無断で使用された」との苦情

大阪の男性からの苦情で、「6月に放送された、精神障害者の社会復帰を目指す番組の中で、仲間と一緒に私が写っている8年前の写真が断りもなく使われた。その後仲間とは、立場や考えが変わり、一緒の写真を使われて非常に迷惑している」というものです。
当方から、当該局に苦情の趣旨を記した文書送る一方、苦情申立て人の相談に応えて、放送局側との話し合いを勧めました。その結果、局側が、無断での写真使用を陳謝する謝罪文を出し、決着しました。

(2003.06.07放送、08.29解決)

「話の内容をねじ曲げられた」との苦情

神奈川の女性から、「情報番組のインタビューに応えて、娘とのトラブルを話したところ、話の内容を再現映像でねじ曲げて放送され、私自身も悪者扱いされた。放送での謝罪や訂正を求めたい」との苦情がありました。
当該局に「苦情連絡票」を送り、対応を求めた結果、番組担当者との話し合いで苦情を申し出ていた女性は、「怒りも収まった」ということで、決着しました。
今年度5件目の斡旋解決です。

(2003.10.23放送、11.11解決)

「一方的な取材で・ドクハラ・として放送された」との苦情

精神科医(苦情申立人の代理人)から報道番組への苦情で、「精神科医がドクター・ハラスメントで取り上げられた。患者からの一方的な取材によるもので、当該放送局に抗議をしたが、納得できる回答は得られていない」というもの。
上記代理人から、放送人権委員会に「斡旋」をお願いしたいとの申入れがあったので、当方が当該局にその旨「苦情連絡票」を送付。話し合いが2度ほど行われ、その結果「精神科医療特有の治療の難しさを理解するためにも、今後も懇談の機会を設ける」ことで双方合意した。

(2003.5.20放送、12.1解決)

「自分は欠陥住宅とは判断していない」との苦情

大阪の男性から情報番組への苦情で、「11月の初め、プロダクションのディレクターとの打ち合わせで、報道番組で欠陥住宅の論評をし、警鐘を鳴らしてもらいたいということだったので、番組に出演した。当該局の担当者は立ち会っておらず、当初の話と違うので、収録部分の削除などを要求したが、連絡もなくそのまま放送された。住宅の検査結果には法的なミスはなかったにもかかわらず、放送では欠陥まみれと言われ、私にも多数の電話があり迷惑している。当該局に抗議したところ、『時間的余裕がなく削除できなかった』というFaxが来た。訂正を求めたい」というもの。
当方が、当該局に話し合い解決を求めたところ、当該局のプロデューサーが、苦情申立人を訪ね(大阪)話し合い、「欠陥住宅」についての認識に差異があり、事前にその溝を埋めておくべきだったことを双方が確認、当該局が、今後、同様の企画の際に協力要請をすることを約束して解決しました。

(2003.12.1放送、04.2.12解決)