青少年委員会

青少年委員会 審議事案

2002年5月

『とくばん』 TBS(再回答)

『とくばん』 (3月28日放送)に関するTBSからの回答

意見の要旨

(株)東京放送殿

放送と青少年に関する委員会
委員長  原 寿雄

「とくばん」再回答のお願い

「とくばん」の視聴者の意見に対する貴局の回答(4月28日)について委員会で議論しました。その結果、いくつかの点で意見や疑問が出てきました。

そこで、以下の項目を含め、貴局の見解や具体的な対応を再度回答下さるようお願いします。

なお回答は、6月7日までにいただければ幸いです。

  • 回答文では、司会者が出演者にセクハラ発言をしたことに対し、言われた側の出演者の精神的被害については、何も触れられていません。
    出演者が未成年であるだけに、発達を阻害する怖れはないでしょうか。それとも出演者はタレントだからそのような配慮は必要ないということでしょうか。
    また、こうした放送を見た子どもたちが“この程度のセクハラ発言は社会的に許される普通のこと”と受け止めることも考えられます。視聴者である子どもたちの規範意識への影響についてどのように認識されていますか。
  • 視聴者の意見が司会者にどのように伝わり、さらに司会者がどのように受け止めたかが明らかになっていません。司会者がこのような発言を繰り返さないためにも、番組責任者と司会者の話し合いは重要と考えますし、場合によっては、次の回の放送で、司会者が自分の反省点を述べるという方法もあったと思います。司会者に対する放送局の対応はどうなっているのでしょうか。
  • 回答文では、「新たな対策」を考えたいとありますが、すでに取られた対策、あるいは今後検討される対策について具体的にお知らせください。特に、収録時にこうした場面が収録されないようにする方法はないでしょうか。

以上

局の回答

「とくばん」に関するご意見について、改めてご報告いたします。

  • について
    発言を受けたZONEのメンバーの精神的な被害について、収録終了後そして放送終了後の2回にわたり、レコード会社を通じて調査いたしました。(通常、「うたばん」のキャスティングおよびアーティストの諸連絡には、レコード会社が間に入り調整します。またZONEは北海道の居住し学校に通い活動しているため、今回もレコード会社を通じての連絡となりました)

    それに対し「ZONEのメンバーは、(発言に)傷ついている様子はない」との答えをもらいました。さらに再回答に当たり5月下旬に改めて貴委員会の指摘を説明し、レコード会社を通じて、メンバーの様子を尋ねました。彼女たちの身の回りを常に取り仕切っている女性マネージャーの答えとして、今回も「本人たちもほとんど気にしていません。むしろMIZUHO(本人)も、『今後石橋さんと話しづらくなるのが心配です。』と話しています。事実、収録後に石橋さんはZONEの楽屋を訪れ、声をかけてくださいました。メンバーと番組はいい関係を続けたいと思っています。」との返事を受けています。

    しかしながら、タレントであるとはいえ彼女は15歳の少女であり、同世代の普通の少女が、同様の発言を受けた場合感じるであろう痛みに私たちの思いが至っていなかった、といわざるを得ません。また、番組の視聴者には多くの同世代の子どもたちがいます。その子どもたちがどう受け止めどう反応するか、をも勘案しなければなりません。

    テレビの影響力の大きさを考えれば、さらに細心の注意が必要なことは、言うまでもありません。スタッフ一同、これまで以上に認識を新たにしなければいけないと感じております。

  • について
    今回の問題については、「とくばん」放送後および5月中旬にプロデューサーから司会者に対し、視聴者からの意見および一連の発言がセクハラに当たるのだという点を、説明しました。司会者の二人とも、この件に関し十分に理解してもらいました。今後の収録については、同じような問題を起こすことのないよう、番組司会者と番組スタッフが協力しあう点を確認しました。

    ただ「うたばん」は、台本があるとはいえ、番組司会者とゲストのフリートークによりゲストの個性を発揮させる番組です。収録された内容に不適切な表現や問題となるような部分があった場合、番組の責任において削除または修正して放送しています。生放送ではなく編集して放送する番組の最終的な責任は、それを放送する番組およびテレビ局にある、と私たちは考えます。

  • について
    番組収録に際し、事前に必ず司会者とプロデューサー・担当ディレクターが打ち合わせを行っています。進行の流れを説明し、気を付けたい点を司会者に伝えます。この打ち合わせで、子ども達に悪い影響を与えたり、いじめやセクハラにつながるような内容や演出は避ける、という点が再確認されました。

    一つ一つの企画についても、「この企画はいじめや差別やセクハラにつながらないか?収録中にそのような流れのトークになる危険性はないか?」検討しています。

    また、セクハラなどの意識を高めるため、前回回答から一歩進め、アシスタントプロデューサーやディレクターに、新たに女性スタッフを2名増やしました。さらに女性スタッフだけの会議を開いています。そこで収録内容や企画について、男性の気付かない視点からの意見を伝えてもらい、番組づくりに反映させています。

    さらに、疑問の出た発言や部分については、スタッフだけで判断せずに社内の関係各所に相談しています。

以上