青少年委員会

青少年委員会 審議事案

2004年10月

『発掘! あるある大事典2~春の芸能人血液型スペシャル~』関西テレビ

『発掘! あるある大事典2~春の芸能人血液型スペシャル~』(4月4日放送)に関する関西テレビからの回答

意見の要旨

  • 血液型診断について放送していたが、何も根拠がないものであると研究されているのにもかかわらず、このようなことを全国放送するのはいかがなものか。特にA型だけは良いように言って、B型は悪い人のような表現であるために、いじめにつながるのではないだろうか。

    (男性 20歳代 鹿児島)

  • 血液型と性格は関連があり、それは科学的に裏づけられた事実であるかのごとき内容の放送だった。血液型で人間の性格が決まるということが事実なら、それは特定血液型の人に対する差別やイジメにつながりかねず、許されるべきことではない。子どもがその血液型ゆえに学校でいじめられたり、ある血液型の社員が差別に近い扱いを受けている会社もあると聞く。私には、血液型と性格の関係が科学的に立証されているとは思えない。にもかかわらず、これは科学的根拠があると断定しているかのごとき演出で放送したことに大いなる疑問を感じ、抗議したい。

    (男性 40歳代 大阪)

  • ある特定の血液型を「自己中心、自分勝手」と言っていた。こんなことをテレビを通じて言うのは人権侵害だ。差別と偏見以外の何ものでもない。

    (男性 30歳代 東京)

局の回答

当社が平成16(2004)年4月4日午後9時から放送した『発掘!あるある大事典2~春の芸能人血液型スペシャル~』は、今や占いの領域にまで浸透し、日本人の日常生活や行動に対し多大な影響を及ぼしている「血液型による性格分類」が、果たしてどこまで実証できるかを番組の起点に置きました。

そこで、当番組では血液型による性格の傾向および行動パターンの俗説を検証するため、「1000人調査」「幼稚園でのウォッチング」や「あるある実験」「海外での最新研究」を放送いたしました。

視聴者の投稿では、「ある特定の血液型に対する偏見や差別を助長する」という意見ですが、あくまでも「1000人調査」から得たデータに基づいての統計学的見地に立った企画であり、各々の血液型によって類似する性格や行動の傾向があるという結果にとどめています。

血液型イコールこの性格と断定している訳ではなく、1000人の人間から得たデータから4つの血液型の特徴的な行動パターンを紹介した訳です。

もとより、人間の性格はさまざまな要因によって形成されており、未知の部分も多く、すべてが血液型によって決定されると断定できるものではありません。

当番組でも、「血液型ですべてが決まる訳ではありません。血液型による偏見や相性の決めつけはやめましょう」というスーパーテロップを番組の最後に出すことによって注意を促しています。

また、4月新番組をテーマにした4月8日の番組審議会でも同番組が多くの委員によって取り上げられました。

その中で、「血液型の話をする人とは付き合いたくない」という委員もいましたが、今回の番組内容については、身近なテーマであり、家族全員が会話をしながら楽しめるものだったと概ね好評でした。

今後も、番組で同様のテーマを扱う場合は、非科学的なものは慎重に対応するようにという当社の放送基準の精神に則った番組づくりを心掛けていきたいと考えています。

〔2004年7月30日付〕