青少年委員会

青少年委員会 審議事案

2004年10月

『決定! これが日本のベスト100』テレビ朝日

『決定! これが日本のベスト100』(6月13日放送)に関するテレビ朝日からの回答

意見の要旨

  • 血液型診断説とそれに関連する「血液型別データ」をろくな検証もなく一方的に正しいと決めつけて放送しており、血液型による差別を助長している。血液型別での異性の好き嫌いまで示されており、これはもはや一種の人種差別とさえ言える。また番組の最後に「この番組は差別を助長するものではない」と言う趣旨の文言が表示されたが、番組の構成を見れば、実際の内容はその言葉とは明らかに逆であり、許されるものではない。検証的な態度が見られず、ただ人々に偏見を植えつけるこのような番組は厳しく非難されるべきだ。

    (男性 20歳 埼玉)

  • 特定の血液型に悪印象を与えるような演出が気になる。血液型占いを信じる・信じないに関わらず、不愉快な気分にさせられた。日曜日の19時は子どもが多くテレビを見ている時間帯。子どもは占いや迷信が好きだから、番組を見て影響された子どもがいじめを行わないとも限らない。このような差別を助長するような番組編成は即刻、やめていただきたい。

    (女性 20歳代 石川)

  • これほど醜悪で偏見に満ちた番組は久しぶりに見た。「劣っている」と決めつけられた側が、放送後に短絡的な思考しか持たない人や集団に偏見を持たれてしまうリスクを、放送局側はどこまで配慮しているのか。キャストをお笑い芸人でまとめ、おどけた雰囲気にしたつもりであろうが、青少年のみならず、社会や家庭に至るまで、こうした些細な事由を基に“差別することは大して悪いことではない”的な意識を助長していることに大変な憤りを覚える。

    (男性 30歳代 神奈川)

  • ヒット曲や人気アニメとは違い、血液型は持って生まれたものであり、順位を決めるという発想に疑問を感じる。血液型と性格は、星座占いと同じく根拠がなく、信憑性に欠ける。影響を考えれば、お笑い番組と片づけて済まされるものではない。非常に不快である。

    (女性 京都)

局の回答

今回の番組は、現在、世の中に溢れている血液型に関するさまざまな情報を集約してみようと企画いたしました。制作にあたっては、偏りによって差別や偏見を助長することがないよう、新聞、テレビ、書籍、雑誌等の情報を集め、さらに血液型研究の第一人者、血液型人間研究室代表・能美俊賢氏に監修をお願いし、血液型別の傾向を調査・研究いたしました。また、番組独自の調査・実験も行っております。

今回の番組はその結果を放送したものであり、「視聴者の皆様からの意見」で指摘のあったような特定の血液型に悪印象を与える意図は全くございません。むしろ、私どもは企画から放送に至るまで、一方的な決めつけで差別や偏見を助長しないよう留意したつもりです。スタジオでのトークでは結果を全肯定するのではなく、ゲストの方々に当てはまるかどうかという議論を展開しておりますし、番組の最後でも差別や偏見を助長しないようテロップを入れ、視聴者の皆様に注意喚起を行っております。しかし、設問項目の多くで特定の血液型の調査結果が悪かったのは事実であり、このことが視聴者のご指摘の要因となったかと反省しております。

私どもは差別や偏見を助長することがないよう制作を行ったつもりですが、結果的に視聴者の皆様から指摘をいただいたことは本意ではなく遺憾に思います。今後も、更に細心の注意を払い番組制作をする所存ですので、何卒ご理解を賜りますようお願い申しあげます。

〔2004年7月26日付〕