青少年委員会

青少年委員会 審議事案

2001年5月

『ガチンコ!』TBS

『ガチンコ!』に関するTBSからの回答

意見の要旨

  • 「大検ハイスクール」企画。教師が生徒に殴り合いをしろと命令するのは、視聴者に何を伝えたいのか理解に苦しむ。暴力的映像で反響を呼びたかっただけなのか?自分も大検に合格したが「ガチンコ」を見ることで、大検および資格取得者を誤解するのでは、と心配になる。いいかげんな番組作りはやめて欲しい。

    (Eメール 大阪 男性)

  • 大和先生の、殴る、蹴るなどの暴力行為はどう見てもやりすぎだと思う。学校だったら親が訴えるような教育方法であり、戦時中の軍隊か、やくざの世界を思わせる。不愉快だ。

    (電話 茨城 男性)

  • 塾長が生徒に暴力を振るうシーンが出てくる。ひざ蹴りをするなど、教育とはいえない。音楽とナレーションで、暴力を感動場面として肯定した描き方になっていることが、子どもや若者に「暴力による解決」を良しとする影響を与えないか心配。即刻中止して欲しい。

    (Eメール 福井 男性)

局の回答

「ガチンコ!」は、1999年4月のスタート以来、「やればできるさ!」を合言葉に目標を持った若者達が一生懸命努力する様子をドキュメントタッチで描いてまいりました。

「大検ハイスクール」というコーナーは、何らかの理由で学校をドロップアウトしてしまった若者達が、大和龍門氏の指導のもと、今までのだらしない生活を正し、今年の8月2日、3日に行われる「大検(大学入学資格検定)」合格を目指す様子を描いております。

大和龍門氏は「禅刀道」という武道を主宰し、その武道を通じ、引きこもりの少年少女や不登校児を指導した実績もあります。私たちは、決して暴力を肯定するものではありませんが、時に、ご指摘のように、大和氏のやり方は乱暴に見える点があるかもしれません。

しかし、教育という場において、相手に正面から向き合い、そして、こちらを振り向かせるために「腕力」を使って指導していくというのは、一つの教育のやり方ではないでしょうか?「腕力」「力」が教育の場に必要な場合もあるのではないか・・・と、私たちは考えています。彼ら(学院生)は、何らかの理由で周囲の社会に対し、自らの心を閉ざしドロップアウトしてきたわけです。誰が、そして、どんな教育が、彼らをあんな風にしてしまったのか?ひょっとすると、その背景には今まで彼らを教育する側が、彼らに対して、真正面から彼らと向き合っていなかったという事実は無かったでしょうか?彼らは、自分たちの希望でこの企画に応募し、自分たちの意志で継続しています。いやなら、もうドロップアウトしているはずですが、まだ頑張っています。ひょっとすると、彼らにとっては、初めて、真正面から向き合ってくれる「教育者」が現われたのかもしれません。

大和氏のやり方を最後まで見守っていただけませんでしょうか。

(5月28日)

「ガチンコ大検ハイスクール」がスタートして1ヶ月余り・・・ 学院生の気持ちにも、徐々に変化が起こっているようです。番組では、もちろん、「暴力」を否定しておりますが、コーナースタート当初の彼らの態度に「暴力的」なイメージをお持ちになった視聴者の皆様もいらっしゃったようです。

しかし、自己表現の手段として「暴力」しか知らなかった彼らが、最近では、少しずつではありますが、「人」とのコミュニケーションを上手く取れるようになって来ております。彼らが、少しずつ「殻」を破り始めた瞬間かもしれません。

大和龍門氏、そして、学院生たちを最後まで見守って頂けませんでしょうか。

(6月22日)