『愛のエプロン 2005秋SP』テレビ朝日
『『愛のエプロン 2005秋SP』(10月5日放送)に関するテレビ朝日からの回答
『愛のエプロン』は、著名人に料理の腕前を披露していただく番組で、今回はスペシャル番組としてチーム対抗戦を企画しました。そこで、料理がプロ級の細木数子氏にその技を見せていただこうと、番組へのご出演をお願いしました。
しかし、チームリーダーを務めた細木氏は自らの役割に熱心のあまり、視聴者の皆様からご指摘いただいたような行動をとってしまったものと思われます。弊社にも視聴者の皆様から同趣旨のご意見が寄せられております。
なお、細木氏の発言は3時間の番組中、ほとんどが料理バラエティ番組における細木氏の料理に関する発言であり、基本的には占いに基づくものではなかったと考えております。占いをもとに発言したのは「料理占い」というコーナーのみで、その内容も細木氏の占い理論に沿って、どんな料理を食べたら運気が上がるかなどを出演したタレントに告げるというものでした。これらは公序良俗に反するものではないと判断しております。
また、細木氏の活動や収入を結果的に放送局が支えているとのご指摘ですが、タレントや文化人の方々の番組出演がご当人の収入などに一定の影響を与えているのは事実であり、今回のケースのみが特例とは考えておりません。
私どもは視聴者の皆様に不快の念を与えぬよう配慮したつもりでしたが、視聴者の皆様がご指摘の印象を抱かれたことは残念で、誠に遺憾に存じます。番組としましてはこうしたご意見ご批判等を真摯に受け止め、今後とも細心の注意を払いながら番組制作に臨む所存ですので、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
以上について委員会で検討したところ、委員からは主に次のような意見が出されました。
- 局側の制作意図が”占いではなく人生相談の番組”であるとしても、見る側は”占い師”の発言として受け止めるのではないか。”単なる人生相談”というのは、詭弁と感じる。
- 番組内で占い師の書籍等の宣伝をしなくても、テレビ出演することで結果的に影響力が大きくなることへの配慮は、やはり必要ではないか。
- 占い師の”言いたいことを言っている”という物言いが、かえって視聴者に受けている面もあるのではないか。ただ、強引な発言や差別的と思える発言もあり、局には慎重な事前チェックが求められる。
- 占い師としてのキャリアを背景に、一部の人を不安にさせるような発言も見受けられるが、やはり一定の配慮が必要ではないか。
- 『愛のエプロン』は、誰が出演するにせよ、(食べ物の扱いなど)企画自体を考え直した方がいいのではないかとも感じる。
審議の結果、”メディアが持つ影響力を踏まえるとともに、占い師の明らかな差別的発言や問題と思われる発言については、編集の段階できちんとチェックすべきだ”との認識で一致しました。
〔2005年11月10日付〕