青少年委員会

青少年委員会 審議事案

2005年10月

『爆笑問題のバク天!』TBS

『爆笑問題のバク天!』に関するTBSからの回答

○『爆笑問題のバク天!』にレイザーラモンHGを出演させる意図について

当該番組は従来の発想を越えて、様々な新しい「笑い」を追及することを主旨とした番組で、10代を中心に若者層に支持を頂いている番組です。

レイザーラモンHG氏については、吉本興業所属のタレントで、吉本新喜劇にも出演するなど関西地方である程度の知名度があり、その芸風が非常に斬新であると話題を呼んでいたことから上記番組の主旨に合致したタレントであると考

え出演していただくことになりました。

○どのような視聴者からの意見が寄せられているか

「子供と絡むのはよくないのではないか」「放送する時間帯がふさわしくないのではないか」「食事の時間に放送するのは不適当ではないか」といったご批判を頂戴しております。

○意見をどう受け止め、社内議論はあったのか

ご批判の声があるのは承知しておりますし、社内の審査部門からの指摘もありました。その点も踏まえ、出演の際には、レイザーラモンHG氏の持ちネタを吟味して、中でも直接的な表現をするような下品なネタに関しては排除した上で

番組で扱っております。また、腰を振る動作に関しては、あくまで彼の芸風であり、そのこと自体が、淫靡さや不健康なイメージに結びつくとは判断していないため、そのまま出演を依頼しています。さらに、レイザーラモンHG氏自身

は「HG」の意味を「ハードな」「芸風」の略であると言っており、番組の主旨と彼の芸風を合わせて「ハードなものに挑戦する」というコンセプトで、「世直し」「人助け」「巨大企業に挑む」などのコーナーを設けております。上記

のようなご批判がある一方で、レイザーラモンHG氏はTBSを含め他局においてもゴールデンタイムを中心に多数出演していて、お茶の間の人気者として定着しつつあることも事実であると認識しています。

○子供が多く見ている時間帯への配慮は

既述のように、直接的な表現をとる下品なネタについては排除することに加え、当初、子供たちに料理を教えるコーナーなども放送していましたが、視聴者の方々からのご意見も踏まえ、直接子供たちと接するという構成は中止しました

○今後に向けての考え

今後は、レイザーラモンHG氏に限らず、これまで以上のネタの吟味を重ねながら、当該番組の「従来の発想を超えた笑いを提供する」とのコンセプトに則り、新しいタレントの発掘に努め、質の高いバラエティ番組を制作していく考え

です。

○番組審議会について

この番組について㈱東京放送の番組審議会で取り上げる予定は今のところありません。

以上について委員会で検討したところ、委員からは主に次のような意見が出されました。

  • “淫靡さや性のストレートな表現には結びついていない”などの回答は、社会一般の常識とかけ離れている気がする。局の上層部がこれらの番組をどう考えているのか知りたい。
  • 回答の中に”(同タレントが)人気が出てきているから”という趣旨のくだりがあったが、人気が出ているから認める、ということでいいのだろうか。
  • 同タレントが子どもと接する構成を中止したり(TBS)、性をストレートに表現するパフォーマンスを控えるよう指導していること(日本テレビ)などは、一定の配慮の表れと言えるのではないか。

審議の結果、”同タレントのパフォーマンスは、子どもは意味もわからずに喜ぶかもしれないが、人気が出れば何をしてもいいというものではない。局なりに一定の配慮はしているようだが、テレビはお茶の間メディアであることを踏

まえ、今後とも一層の配慮を求めたい”との認識で一致しました。

〔2005年11月9日付〕