視聴者からのご意見

2012年7月に視聴者から寄せられた意見

2012年7月に視聴者から寄せられた意見

ロンドン五輪が開幕した。日本人選手の活躍に声援を送る意見がある一方、どこの放送局も五輪の放送ばかりで、他の情報・ニュースが報道されないといった批判もあった。また、滋賀県大津市で発覚した中学生いじめ自殺事件では、教育委員会や学校、教師の対応をめぐって多くの意見が寄せられた。

2012年7月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,305件で、先月と比較して268件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール71%、電話26%、FAX1%、手紙ほか2%。 男女別は男性72%、女性24%、不明4%で、世代別では30歳代32%、40歳代26%、20歳代16%、50歳代14%、60歳以上9%、10歳代3%の順となっている。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は535件【38局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、28件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

7月の視聴者意見は1,305件と先月より268件減少した。
ロンドン五輪が開幕した。日本人選手の活躍に声援を送る意見がある一方、どこの放送局も五輪の放送ばかりで、他の情報・ニュースが報道されないといった批判もあった。また競技中継がLIVEなのか、録画なのか判然としないので、画面に字幕などで明示してほしいという要望もあった。時差の関係で深夜にわたる放送も多く、「まもなく××選手登場」といった、今にも登場するような表現にも、多くの批判が寄せられた。
滋賀県大津市で発覚した中学生いじめ自殺事件では、教育委員会や学校、教師の対応をめぐって多くの意見が寄せられた。自殺直後におこなわれた生徒へのアンケート調査結果をあいまいにし、真剣に対応しなかったというもので、被害届を三度も受け付けなかった警察も批判の対象となった。報道の過程で、いじめたとされる加害少年らの名前の消し方不十分だったため、ネット上に流出し、問題になった。
バラエティー番組では、長時間の特番に、「節電の夏にやることか」「身内ばかりで騒いでいるだけだ」などの批判や、芸人に生中継で”プロポーズ”させた演出などに反発があった。
また親族の生活保護費受給が問題になったお笑い芸人がテレビに出演し続けていることにも、テレビ業界の倫理観を疑うといった厳しい意見があった。
ラジオに関しては34件、CMに関する意見は43件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は155件で、前月より22件増加した。
今月は、一連の大津いじめ自殺事件の報道の影響もあり、いじめ・虐待に関する意見が44件、次いで表現・演出に関する意見と低俗・モラルに反する意見がそれぞれ22件と続いた。
いじめ関連では幅広い視点から意見が届いており、特にバラエティー番組の中の企画がいじめを連想させるとの意見が多いほか、ドラマや報道・情報番組内での扱いについても、複数意見が寄せられている。
また、子どもが見る時間帯における番組や映画の宣伝の内容について、配慮を求める意見が恒常的に寄せられている。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 大津いじめ自殺事件について。確かに教育委員会や学校それに警察の対応には問題があったと思う。報道では、学校や役所をスケープゴートにして叩いているが、そういう報道のみで良いのだろうか。家庭や地域、社会やテレビ番組に問題はないのだろうか。大人の社会でも毎年3万人の自殺者が出ている。いじめとは直接関係ないが、そういうことが子供社会にも影響しているのではないか。
  • 私は40年近く教師をしていた。大津いじめ自殺事件の教師や教育委員会の態度に腹を立てていたので、厳しく追及する報道姿勢に感謝している。現場の教師が見て見ぬふりをしなければ、最悪の事態は防げたはずだ。今後も教育現場が改善されるような報道をお願いしたい。
  • 他人事のように弁解する教育委員会や学校を批判するのではなく、今もいじめに苦しんでいる子どものための報道をしてほしい。自分も同様のことをされるかもしれない恐怖、自分がされていることのフラッシュバックなど、彼らは今も怯えているに違いない。一部の番組では24時間対応の「いじめ相談窓口」を紹介していたが、画面下に電話番号などを表示して、今いじめに苦しんでいる子どもを救う報道をしてほしい。
  • 大津いじめ自殺事件の報道で、加害生徒の名前を不十分な塗りつぶしをした状態で放送したため、名前が判明してしまった。そのため、ネット上では生徒や家族への嫌がらせが行われている。十分な配慮がなされていたとは思えない。今後同様のことがないように注意すべきだ。
  • 大津いじめ自殺事件は、本当に心が痛む。もちろん加害生徒や教育委員会、学校の責任を追及していただきたいが、それらを放送するテレビ局はどうなのか。直接関係なくても、日ごろからいじめや罰ゲームをお笑いとしているテレビ番組のあり方も見直していく必要がある。テレビで放送される罰ゲームやお笑い受けするいじめギャグを日常的に見ることによって、正義の感覚が麻痺するのではないだろうか。
  • ロンドン五輪中継で、「この後すぐ」の字幕や司会者が「もうすぐ」と同じセリフを連呼するが、すぐに日本人選手が登場することはない。バラエティー番組でも同じような手法がとられるが、こういったやり方は過剰演出だ。日本人選手を中心に見ようとしても不可能で、テレビ画面ではこの後すぐといった字幕スーパーに踊らされてしまう。
  • ロンドン五輪の放送について、「LIVE」と「録画」の違いをはっきりさせてほしい。時差のある海外での放送だし、録画放送を知らずに見続けさせられているのではと勘ぐってしまう。安心して応援できない。
  • 米海兵隊のオスプレイ配備報道について。どの局も「オスプレイには墜落する危険性がある」「オスプレイ配備反対の主張と市民団体の主張」という報道ばかりだ。重要なことが無視されている。「オスプレイは日本の国防にとって役に立つのか」という検証報道が少ない。そのために、結果的には「オスプレイ配備にとにかく反対」という一方的な報道ばかりがされており、国民がこの問題に関して冷静に判断する機会を奪っている。
  • 上野動物園のパンダが出産し、朝から晩までそのニュースを報じていた。確かに珍しいこと、おめでたいことではあると思うが、出産のニュースを伝える際に交尾中の映像が必ずといっていいほど使われているのはいい気分がしない。一日中各局で交尾の映像を見せられても困る。
  • ワイドショーのテーマの取捨選択に疑問を感じる。大きな話題なのにテレビで取り上げないケースがある。最近では、プロ野球監督の女性問題だ。事件の発端は80年代のようだが、反社会的人物との金品授受は数年前であり、時効ではないはず。その金額も尋常でない金額なのに、どのテレビ局も追随して独自の追加取材や事件の真相を調べようとしていない。うやむやのまま終わらせようとしている感じだ。テレビ界には、情報を操作することや、圧力などがあるのか。

【番組全般・その他】

  • 昨年もそうだったが、身内だけが盛り上がるだけのくだらない番組を延々とやっていた。節電が叫ばれている中で、このような番組を長時間放送する意味があるのか?各地からアナウンサーを集めてのど自慢をやる意味があるのか?被災地の人間からみれば、そのようなことに費やす時間とお金があるなら、復興に取り組んでいる団体や、被災地にやってきているボランティアの活動に焦点をあてて紹介するなど、良質な番組を作ろうと思えばいくらでも出来るはずだ。
  • 男気じゃんけんなる企画で、出演者がスーツ姿で同じバッジを付けている。過去の優勝者は金バッジで幹部だそうだ。デザイン、制度からも明らかに暴力団の代紋のバッジ・金バッジを真似したものだ。近年暴力団と芸能界の関係が厳しく問われているのに、この程度の認識だ。あきれたことにそのバッジを子どもが中心のテレビ局のイベントでも販売するそうだ。出演者、スタッフだけでなく、局までこの程度の認識かと思うと情けない。
  • お笑い芸人に無理やりプロポーズさせていることが、とても気の毒で不快だった。生放送だからしないわけにはいかず、時間が迫っているから考える時間を与えない。台本があったのかはわからないが、本来喜ばしいプロポーズという行為なのに、不快になった。何の心構えもなく無理やりさせられたプロポーズで、幸せな結婚ができるのか。不幸な結果になったときテレビ局は責任をとれるのか。
  • クイズの王様を決める企画。当初はそれぞれの番組優勝者を集めることに意味はないと思っていた。しかし見てみると、さすがに実力者と思わせる知識量、実力者同士の駆け引きはスポーツ観戦よりも見応えがあった。やはりクイズ番組は一般参加型がよいと感じた。ここ何年も、クイズ番組といえば芸能人が回答者であるものばかりだったが、無能な出演者の稚拙な回答には呆れていた。有名人でなくても、勉強を積んだ、本当に一流の人々の振る舞いを見ていると、それだけでも見本になる。
  • 整形手術の繰り返しにより容姿が変形してしまった韓国女性が登場し、日本で最終的な治療を受ける様子を放送していた。しかし過剰な演出でショー化し、彼女の異様な姿を見世物にしているとしか思えなかった。また、隣り合わせの話題が「アメリカ発、浮気現場映像」など低俗な内容であったため、韓国女性の話題も同じく興味本位のネタとして扱われているように思え、本人がかわいそうだった。
  • 生活保護不正受給問題で、悪質な行為をはたらいていたお笑い芸人が毎日のようにテレビに出続けることが不思議だ。番組で馬鹿笑いし、何事もなかったかのようにしゃべり続けている。笑えないばかりか心底不快だ。彼らの言い訳を擁護し、起用し続けるテレビ局の常識を疑う。罪にならなければ何をしてもいいと言っていることと同じだ。テレビ業界は倫理観がまるでない。
  • 秋公開予定のアニメ映画劇場版の未公開映像が放送されるという触れ込みだったが、実際放送されたのは前作のダイジェスト映像と作りかけのピアノのCGを背景にしたタイトルロゴだけであった。確かに初公開映像には違いないが、これでは詐欺もいいところだ。最近、こういう不愉快な告知が多すぎる。業界として改善に取り組むべきではないか。
  • モラルの低さを露呈したような番組ばかりが目立つ。常識もなければ秩序もなく、テレビ業界への不信感が募る。芸能人が脱法的なことをしても、罪を犯しても、テレビ局は弁護士を盾に正当化し、さも世論だといわんばかりの偏向報道を平気でしている。テレビが嫌いになった。
  • 各局で、「衝撃映像」などといって海外の映像を集めた番組を放送している。映像を見せる番組なのに必ずワイプで芸能人の顔を映すことは邪魔だ。なぜ映像の邪魔をするのかわからない。大げさな「このあとすぐ!」などのコメントを画面の上の方に出していることも邪魔だ。なぜ普通に映像を見せないのか。
  • ツイッターなどと連動させて、画面下部に視聴者のリアルタイムの感想を表示させる手法の番組が多い。生放送ならではのライブ感ということなのだろうが、目がチラチラして見辛いし、そちらを読んでしまって、放送内容をほとんど見聞きしていないことも多い。自分と異なる意見を見てしまい、無意味に腹が立つこともある。意図は分かるが、皆が皆、他人の感想を眺めつつテレビを見たいわけではない。
  • 「東南アジアのアイドル、ヘビロテを歌う」という字幕を見た。「ヘビ=蛇」の話ではない。「ヘビロテ」とは「ヘビーローテーション」という曲の名前だが、こうした表現を理解しろというのは無理である。日本人が作ったとは思えないニュース原稿であった。自分はわかっているから視聴者は理解すると思っている独善的な態度では、マスコミに携わる資格はない。「コミュニケーション能力」が退化しているという自覚すらないようだ。
  • 最近の民放の女性アナウンサーはいわゆるキャピキャピギャルばかりだ。それでもアナウンサーとして「正しい日本語で分かりやすく伝える」ことが出来ていれば良いのだが、それすら怪しい。少々のことには目をつぶるが、厳しい選抜を経て採用された人達にしてはあまりにもお粗末なのではないか。

【ラジオ】

  • 「顔を美容整形している人と話したい!」を聞いた。「美容整形によって人生が変わった」「きれいになった方がいいじゃない」など、美容整形を推奨する意見ばかりで、リスクの説明が全くなかった。これでは、未熟な若者が安易に飛びついてしまう。美容整形は医療行為で、失敗もあれば、思った通りにならないこともある。賛否両論を紹介し、慎重な判断を促すべきだ。
  • 他人を口汚く罵倒すれば批判になると勘違いしている「自称」批評家や「独自」ジャーナリストを、午前および昼過ぎから夕方のバラエティーにゲストやコメンテーターとして多数採用しているが、昨今のネット世論に迎合した偏向報道であり著しく中立性を欠く。
  • 大人の女性に対し、「なぎさちゃん」と言っている。放送局は、キャバレーじゃない。こういう女性蔑視発言を公共の電波で流すのは、放送局の社会的責任としていかがなものか。相手が良いと言ったとかそういう問題ではない。きちんと対処してほしい。

【CM】

  • 番組の山場になると、必ずCMが入るのでイライラする。正解や得点、料理や変身後など挙げればきりがない。これではCMの商品を買う気がしない。CMをはさまず、そのまま見せてくれたら良いのに逆効果だ。民放はみな同じ手法で視聴者をイライラさせる。改善してほしい。
  • CMになると普通の番組との音量差が大きい。CMの度に、ボリュームを小さくしなければならない。CMの音量に合わせると一般番組の音が聞こえづらく、ボリュームを大きくしなければならない。病人や乳幼児のいる家庭では、健康面にも多大な影響を与える。

青少年に関する意見

【いじめ・虐待に関する意見】

  • 芸人同士が悪ふざけで殴り合うシーンがあった。先日、中学生が小学生を暴行している動画がインターネットに公開される事案があったが、放送されたシーンはその動画を彷彿とさせるものだった。テレビ局は「これは演出」と言うかもしれないが、放送を見た子ども達がそんな区別をできるだろうか。世間でこれだけいじめの問題が取りざたされ、自身の局でも「いじめはいけない」と報道している今、あまりにも配慮にかける放送だったのではないか。
  • 子どもが深夜の時間帯の番組を録画して翌日見ていたが、その中でお笑い芸人が生きた蟹を口移しでリレーしていき、はさまれたら負けというゲームが唐突に始まった。大津いじめ自殺事件で、死んだ蛙や蜂を食べさせられたとの報道があったが、それを連想させる上、やらされている芸人を囲んでみんなが笑って見ている構図はどう見てもいじめにしか見えなかった。毎日報道でいじめを非難しているテレビ局が、同じ構図のいじめを垂れ流している。いくらバラエティーで、お笑い芸人が参加しているとはいえ、こういうことを企画するべきではない。同じゲームがいじめで使われることを危惧している。
  • お笑いタレントによるゲームのコーナーで、「一人が口にゴム状のものをくわえ、その端っこをもう一人が持ったまま数メートル離れ、一気に離す」というゲーム(ゴムパッチン)をやっていた。ゴムは顔面を直撃し、当てられた方は痛さに声をあげ、顔をゆがめていた。その様子にスタジオ内からは爆笑が沸き起こった。子どもを対象とした番組で、いじめのヒントを与えるような内容を放送するとはとんでもない。また、テレビ局に電話で抗議したが、横柄な対応をされた。
  • 最近、いじめている状況を携帯で撮った動画をテレビで放送しているが、やめてほしい。考えが未熟な子ども達は真似をする。ニュースで流すこと自体がいじめを誘発しているのではないか。いじめをすることは間違いなくいけないことだが、それをそのまま放送するマスコミも感覚がおかしくなっているのではないか。

【表現・演出に関する意見】

  • 大津いじめ自殺事件を扱っていた番組を見ていて、気になったのはBGMだ。ホラービデオのようなおどろおどろしい音楽を用いていたからだ。怨念や呪いを感じるような気持ちの悪いBGMだったので、青少年、特にいじめのあった中学校に通っている生徒がこの番組を見た場合、強い不快感を覚えるだろう。配慮を求めたい

【低俗・モラルに反する意見】

  • 子役タレントに、男性芸能人のファッションをチェックさせて「辛口」という名目で毒舌(時に大変失礼)な意見を言わせていた。子役自身は要望を受けて仕事の上で行ったことだとしても、視聴者の子どもたちにはそのような割り切りは存在しない。ましてやネットユーザのように子役よりも年上の視聴者であっても、「生意気」「失礼」といった印象を強く持つ。そもそも他人を罵るような内容で笑いをとる姿勢が問題だが、子どもにまでそれをさせる番組制作者のモラルについて問いたい。

【性的表現に関する意見】

  • 衛星放送の「韓流ラブストーリー特集」の宣伝を、子どもが見る午前7時30分頃に放送していた。何回もの執拗なキスシーンは、朝の時間帯に相応しくない。子どもの見ない深夜にしてほしい。

【要望・提言】

  • この番組に限ったことではないかもしれないが、収録とはいえ、深夜番組に小中学生のアイドルを出すことはどうかと思う。

【暴力・殺人・残虐シーンに関する意見】

  • 司会のタレントは、毎回出演者の芸人を叩いている。時にはカツラがズレるほど強く叩いている。子どもに「どうしてあんなに叩くの」と聞かれたが、理由が分からなかった。大した理由もなしに人を叩くことは子どもに悪影響だ。

【犯罪の助長に関する意見】

  • 脱法ハーブの取材内容を放送していたが、購入の様子や、販売のやり取りなどが含まれていた。こうした内容は購入方法を安易に知ってしまい、少年や興味を持つ人は、これを見て真似をするのではないか。また、麻薬類の取り引き現場を放送することも、買い方を知ってしまう等の弊害も多いと思う。