青少年委員会

青少年委員会 審議事案

2000年10月

『ここがヘンだよ日本人』TBS

『ここがヘンだよ日本人』に関するTBSからの回答

意見の要旨

  • 10月4日放送分(秋のスペシャル):ドイツやオランダでは売春が許可されているとか、オランダの喫茶店では簡単に麻薬が買えるということを放送していたが、ゴールデンタイムで取り上げるべきことだろうか。麻薬を買うためにオランダに行ったり、売春目的でドイツ、オランダに行く日本人が増えたりするのではないか。それで事件が起きたらどう責任をとるのか。

    (福岡 女性 18歳)

  • 10月25日放送分:中絶経験者の話す言葉が直接的で露骨。編集段階で配慮をすべき。視聴者は番組の意図と構成を理解している人ばかりでない。メディアの影響力について認識してもらいたい。

    (東京 男性 65歳)

10月4日スペシャル

(『外国人に告ぐ!そんな事でいいのか&ここがヘンだよ織田無道スペシャル!』): 売春が許可されているオランダやドイツの人たちは「営業には届出が必要で18歳以上であれば立派な労働として認められている」と言うが、アジアやアフリカの人たちは「売春を商売にしてはダメ」と反論。ほか世界で唯一麻薬が認可されているオランダについて討論を。

10月25日:

『女性の権利を考える!“妊娠中絶”』を。ある女性はカラオケボックスで半ば強制的に妊娠させられ、知らない人の子をどうすればいいか迷っているという。「中絶するかしないかは女性に与えられた権利なのではないか?」と中絶を擁護する意見の者もいれば「どうして子どもを殺すのか?生まれてくれば何とでもなるんだ!」とあくまで反対する者もいて・・。

局の回答

  • 〈10月4日放送分〉

    麻薬の所持や使用、売春行為は、日本では当然のことながら法律で禁止されています。しかし、一方で、同じ行為でありながら、ドイツ、オランダでは法律で禁じられているということもありません。これは紛れもない事実です。
    なぜ同じ行為でも、こんなにも常識の尺度が違うのか。

    文化の違い、考え方の違いを議論するためにテーマとして取り上げることにしたのです。

    実際には、麻薬の入手には制限がある旨、番組で放送しております。そのため、事件に発展するとは考えられません。

    さらに、売春に関しましても、文化の違い、考え方の違いを議論するための素材として、法律で認められているオランダ、ドイツの文化を取り上げました。

    番組の姿勢として、麻薬や売春を肯定的に取り上げることはしていません。

    国際化が進む日本の社会で、明らかな事実は事実として放送することにより、お互いの文化や習慣の理解が進むものと考えるのが私達の番組の本意なのです。

  • (10月25日放送分)

    放送された言葉は、出演された方の心の叫びです。差し障りのない言葉では、彼女の本心は伝わらないと、我々は考えました。

    また、普段の言葉で語ってもらうことで、視聴者の方々に「当事者としての目線」を持っていただけるとも考え、放送に至りました。

    さらに、11月4日付の読売新聞に、当日の番組を見た視聴者の方々から「多くの人が見るべきだ」「出演女性の発言に考えさせられた」といった、中絶や性について考える好機となったという投書が相次いでいることが掲載されています。

    こうした反応をみましても、今回の放送に関しまして、皆様に、中絶を真剣に考えるという番組の本意が伝わっていると考えています。

    事実を隠すことなく放送することで、広く皆様に現実の問題を考えていただくきっかけにするというのが、私たちの番組の姿勢であります。