第210回–2025年9月
日本テレビ『月曜から夜ふかし』委員会決定を通知・公表へ
第210回放送倫理検証委員会は、9月12日に千代田放送会館で開催された。
4月の委員会で審議入りした日本テレビの『月曜から夜ふかし』について、担当委員から再度示された意見書の修正案について意見交換した結果、合意が得られたため、今後当該放送局へ通知して公表することになった。
8月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。
議事の詳細
- 日時
- 2025年9月12日(金)午後4時~午後5時30分
- 場所
- 「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
- 議題
- 1. 日本テレビ『月曜から夜ふかし』について審議
2. 8月に寄せられた視聴者・聴取者意見を報告
3. その他
- 出席者
-
小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、小柳委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員
1. 日本テレビ『月曜から夜ふかし』について審議
日本テレビは、2025年3月24日に放送したバラエティー番組『月曜から夜ふかし』の街頭インタビューのコーナーで中国出身の女性の声を紹介したが、放送後この女性から実際に話した内容とは違うという指摘を受けた。
委員会は当該放送局に報告書と番組DVDを求め、それらを踏まえて協議した結果、問題となっているインタビューは女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑いがあり、取材から放送に至る経緯等について放送倫理上の問題がなかったかどうかを詳しく検証する必要があるとして4月の委員会で審議入りを決め、5月と6月の委員会で担当委員が当該放送局の関係者に行ったヒアリングの結果を基に議論し、7月の委員会では担当委員から提出された意見書の原案について議論、8月の委員会では担当委員から示された意見書の修正案について議論した。
今回の委員会においては、担当委員から再度示された意見書の修正案について意見交換した結果、合意が得られたため、表現などについて一部手直しの上、当該放送局へ通知して公表することになった。
2. 8月の視聴者・聴取者意見を報告
8月に視聴者・聴取者から寄せられた意見では、甲子園出場校が途中で出場辞退した問題を扱った複数の番組について、さも、SNSが原因のように報道しており、本質とずれているとの批判が寄せられた。また、大学柔道部員の大麻不法所持の問題について、容疑の段階で20歳の若者の顔を出し、実名で報道するのはいかがなものかとの批判が集中したことなどが事務局から報告された。
3. その他
毎日放送の報道情報番組『よんチャンTV』内のコーナー「発掘!憤マン」において、今年6月の放送で、奈良公園内のドングリの木の伐採とシカの食料不足との関係性について、専門家や奈良県の担当者のコメントを交えて報じたことに関し、9月になって奈良県知事らより「申立書」と書かれた文書が放送倫理検証委員会に届いた。
放送倫理検証委員会は申立て制度を取っておらず、あくまで放送番組を検討する端緒のひとつと捉え、番組を視聴し議論した。ウェブサイトの見出しが本編と合っていないのではないかという指摘が委員から出されたものの、本編自体については問題点を指摘する意見はなく、委員会は放送倫理上問題の疑いがあるとして討議入りするまでの事案ではないと判断した。なお、委員会は討議、審議・審理入りしないことを決めた番組は、原則として議事概要に放送局名、番組名を公表していないが、放送局自身がすでにこの件を報道していることから、議事概要に番組名等を記載することとした。
以上


