青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第280回

第280回-2025年6月24日

バラエティー番組制作者との勉強会の開催…など

2025年6月24日、第280回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、吉永みち子委員長をはじめ7人の委員全員が出席しました。
議事に先立って、ある在京キー局の番組プロデューサーらを招いて、バラエティー番組制作をテーマにする勉強会を開催しました。
議事では、5月後半から6月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
6月の中高生モニター報告のテーマは「最近視聴したドラマについて」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2025年6月24日(火) 午後4時00分~午後7時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
バラエティー番組制作者と委員との勉強会
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
吉永みち子委員長、飯田豊副委員長、池田雅子委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

バラエティー番組制作者と委員との勉強会

この勉強会は、2024年11月から本年2月まで続いたバラエティー番組のドッキリ企画などをめぐる「討論」の結果、「番組制作者らを招いて勉強会などを開催する」ことが委員の中で了解されたのを受けたものです。
出席したある在京キー局の番組プロデューサーがまず、担当する番組の制作体制やコンプライアンス関連を含む制作上の問題点解決のプロセス、そして、委員会の「討論」で対象となったドッキリ企画制作の経緯などを詳しく説明しました。
そのうえで委員との意見交換に移り、委員からは「(ドッキリのターゲットになった)芸人が演技も含めて苦しむ様子、いわば『死のイメージ』があると視聴者から否定的な意見が多くなるようだ」や「(番組のコア・ファンよりも)若い視聴者層には、バラエティー番組が伝統的に積み上げてきた『お約束』が通じなくなっている。やっぱりかわいそうという感覚が先立ってしまう」などの意見がありました。
番組プロデューサーが最後に、「指摘されたところをしっかりと共有しながら、今後の番組制作にあたりたい」と述べて、勉強会を終わりました。

視聴者からの意見について

5月後半から6月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
かつての人気クイズ・バラエティー番組の復活版について視聴者から「回答者に卑猥な言葉を連想させる設問があり、非常に下品な番組だった。子どもが一緒に見ることを考慮した番組作りがまるでされていない」などの否定的な意見が寄せられました。
担当委員は「作問の段階で、若い女性回答者に卑猥なこと(回答)を言わせようとする意図が感じられ、そこは問題かと思う。テレビ番組は安心だと思っていた視聴者が安心できず、不安を持たれてしまっているのではないかと感じた」と報告しました。
幼児向け教育番組の挿入歌の歌詞に「ママが困ったときに変身して現れ必ず助けに来てくれるパパ・レンジャー」とあり、母親である視聴者から「我が家はひとり親家庭だが、歌詞を聞いて3歳の子どもが傷ついている」との意見が寄せられました。担当委員は「教育番組だからこそ、よりいっそう配慮してほしいということだろう」としました。
別の委員は「ひとり親家庭のみならず、子どもの中には児童養護施設で育つ子もいるし、さまざまな環境がある。いわゆるステレオタイプ的な家族像や固定観念に関しては、番組制作者がそれらを押し付けてはいけないし、そうすることで傷つく子どもがいることを心にとどめ置くべきだろう」と指摘しました。
一方、ある委員は「ひとり親家庭の場合、こうした問題に敏感なのは確かだが、(番組が)すべてのケースに対応することもできないだろう。それでも『必ず、絶対(パパが助けてくれる)』という歌詞は、行き過ぎかなと感じる」と述べました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

6月のテーマは「最近視聴したドラマについて」で、30人のモニター全員から合わせて23番組の報告がありました。視聴方法はリアルタイム視聴が9人、録画視聴が10人、見逃し配信等のアプリ視聴が7人、複数併用が2人、不明あるいは報告なしが2人でした。
複数のモニターが取り上げた番組は『連続テレビ小説「あんぱん」』(NHK総合)、『日曜劇場「御上先生」』『日曜劇場「キャスター」』(いずれもTBSテレビ)、『なんで私が神説教』(日本テレビ)、『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日)、『人事の人見』(フジテレビ)です。
「自由記述」ではドラマのテーマに関する要望や意見のほか、他ジャンルの番組の感想や特定の番組に関する意見が多くありました。
「青少年へのおすすめ番組」では『未来予測反省会』(NHK総合)に9人から、『EIGHT-JAM』(テレビ朝日)に3人から、『Good For The Planet×ZIP!』(日本テレビ)と『GO!GO!チャギントン』(フジテレビ)、『ダム湖で遊ぼーぜ!』(BS11イレブン)にそれぞれ2人から、感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【最近視聴したドラマについて】

  • 『連続テレビ小説「あんぱん」』(NHK総合)

    • 朝ドラはあまり見ないが、親が視聴していたので一緒に見たら面白かった。嵩(北村匠海)が戦場に行ってしまう場面だったが、当時の風習や空気感がよくわかって面白い。人物描写はとても個性的かつリアリティがあり、今の世界に通ずるところを感じる。今の若い世代は当然戦争を経験してないし、戦争に関する意識が薄れていっているように感じるので、このドラマを広く若い人たちに見てほしい。(中学3年・男子・東京)

    • 幼いころよく『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ)を見ていましたが、作者のやなせたかしさんがモデルだと知り、毎週欠かさず録画して視聴しています。特に印象に残ったセリフは嵩の叔父・寛(竹野内豊)の「何のために生まれて、何をしながら生きるがか」です。「アンパンマンのマーチ」の歌詞と重なり、進路に悩んでいた私の心にとても響きました。(高校3年・女子・徳島)

  • 『「藤子・F・不二雄SF短編ドラマ」シーズン3「換身」』(NHK総合)
    ユニークな熟語のタイトルに惹かれて視聴しました。一話15分という短い時間にユニークなストーリーとオチの面白さが詰まっていてワクワクしました。“一話15分完結のSFドラマ”は手軽さを求める今の時代のニーズと合致していて、他のシーズンの作品も見たいと思いました。(中学3年・男子・東京)

  • 『新日曜名作座「ドナウの旅人」』(NHKラジオ第1) 2年前に他界にした父の書棚に「ドナウの旅人」があり、当時は大人の恋の切なさと複雑さが難しく理解不能で、読むのを途中で諦めていましたが、いまなら理解できるような気がして聴取しました。西田敏行さんと竹下景子さんの2人が4役も5役も演じているのに、まったく違和感がありませんでした。特に竹下さんは麻沙子と絹子、母娘両方の声を演じていましたがまるで本当の親子のようで、1980年代当時の情景が目に浮かびました。複雑な人間模様をたった2人で演技するラジオドラマから耳が離せません。(中学3年・男子・北海道)

  • 『日曜劇場「キャスター」』(TBSテレビ)
    • 「テレビ業界の話だよ」と親に勧められて視聴しました。第3話は理解しにくいところがありましたが、過去に似たような出来事が実際にあったと知り、ネットで調べたり親の解説を聞いたりしながら観て楽しかったです。日々取材し、会議し、編集し、原稿をまとめ、生放送をするというスピード感は面白いです。(高校1年・女子・秋田)
    • 報道の役割や問題点について知ることができそうだと思い視聴しました。第5話では進藤キャスター(阿部寛)の「空気を読む沈黙が不正を助けている」という言葉が印象的で、学校や家庭で「仕方ない」と見過ごしてしまう自分自身を振り返るきっかけになりました。(高校1年・男子・神奈川県)
    • テレビ局の業務用語が聞けてワクワクしました。また夜の簡易的な照明で演者の表情に説得力を持たせるよう演出していて、素敵だと思いました。(高校3年・男子・福島) 

  • 『日曜劇場「御上先生」』(TBSテレビ)
    • 教育改革を起こそうという内容にひかれて視聴しました。御上先生(松坂桃李)の指導や生徒一人一人に寄り添う教育がとても心に染みました。ただ、生徒たちの問題を改善しながら隣徳学園の不正を暴き、また官僚の世界でも問題が起きていて、様々なことが一度に起きすぎていると思いました。最終的にはよく分からないところで終わってしまった気がして、最後に全てがつながって謎が解ける終わり方がいいと思いました。(中学2年・女子・東京)
    • 特に印象に残ったのはCM間に画像や短い動画が挿入されるアイキャッチの使い方だ。一匹の蝶が自然の中をさまようシンプルなアニメーションだが、毎回内容が変わっていて物語の展開を暗示していた。番組に深みを持たせ、視聴者に物語を隅々まで楽しんでもらう良い工夫だと思う。(高校2年・女子・神奈川)
  • 『日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」』(TBSテレビ)
    以前視聴して気に入った『アンナチュラル』(TBSテレビ・2018年制作)『MIU404』(同・2020年制作)と同じ脚本家(野木亜紀子)だったので視聴しました。1話目は普通な気がしましたが、2話目や3話目から一つ一つのシーンに伏線があると分かって、予想しながら視聴するのが楽しかったです。(中学2年・男子・群馬)

  • 『火曜ドラマ「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」』(TBSテレビ)
    好きな俳優(江口のりこさん)が出演するので視聴しました。ドラマをきっかけに、訳あって十数年専業主婦をしていた母と、専業主婦や家事についてじっくりと話すことできました。性別や年齢を問わず今の日本に必要なドラマだと思います。原作者の朱野帰子さんの他の作品も読んでみたくなりました。(高校1年・女子・熊本)

  • 『火曜ドラマ「まどか26歳、研修医やってます!」』(TBSテレビ)
    ぼくは野球が大好きなので、主人公のまどか先生(芳根京子)が“横浜DeNAベイスターズのファン”という設定が面白そうだと思い視聴しました。クライマックスシリーズの試合が映ったり、部屋に球団グッズやポスターがあったりして、どこかでまどか先生が暮らしているのかなと思ってしまいました。次に何が出てくるのか楽しみでした。(中学1年・男子・大分)

  • 『金曜ドラマ「イグナイト -法の無法者-』(TBSテレビ)
    間宮祥太朗さんと及川光博さんが出演することをSNSで知り、また大逆転劇のある裁判の話が面白そうだと思い視聴しました。心に残ったシーンは、轟(仲村トオル)に桐石(及川光博)が「奥さんのことは俺に任せてくれないか」と言われて任せるシーンです。轟と桐石の間に強い信頼関係を感じて感動しました。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『金曜ドラマ「ライオンの隠れ家」』(TBSテレビ)
    高校生になって友だちとドラマの話をする機会がほぼなくなりましたが、唯一周りの人も多く見ていて盛り上がったドラマです。きょうだい児や虐待、DVなど、現代の問題を幸せに描いてくれる素敵な作品で、福祉の仕事に興味がある私にとって大きな学びとなりました。自閉症のみっくん(坂東龍汰)の表情や行動、描く絵がみるみる変わっていくのは圧巻でした。(高校2年・女子・東京)

  • 『なんで私が神説教』(日本テレビ)
    • なんとなく面白そうなタイトルなので視聴しました。第1話の神説教するシーンで「いじめとイジリは同じ」という言葉がとても印象に残っています。(中学2年・女子・千葉)
    • 家族に教員がいるのと自分が高校生なので視聴しました。ドラマの世界観は実生活と違っても楽しめますが、たばこを全員で吸った話を軽く描くのはどうなのでしょうか。「イジリといじめ」もドラマを通して「ダメだ」というメッセージがほしかったです。登場人物の会話には所々突っ込みがあり、シリアスな場面でも重くなりすぎずコントのようで面白かったです。(高校3年・女子・長崎)
  • 『恋は闇』(日本テレビ)
    たまたま予告を見て面白そうだと思い視聴した。設楽浩暉(志尊淳)の大胆なやり口やどこか闇を感じる表情に、すごく引き込まれた。BGMにも興味をさらに掻き立てられ、終始ドキドキしながら見ていた。(高校2年・女子・東京) 

  • 『ホットスポット』(日本テレビ)
    バカリズムさん脚本のドラマにはハズレがありません。クスっと笑えて楽しめる内容がやみつきになります。役者の掛け合いがとても好きで、遠藤さん(市川実日子)と高橋さん(角田晃広)の二人が淡々と話す様子がずっと面白いです。一話にたくさんの伏線が隠されていてストーリーに引き付けられ、最後にどんでん返しが起きて毎回驚かされます。(高校1年・女子・愛媛) 

  • 『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日)
    • テレビアニメ(TOKYO MX他、25年1月~放送)を見たことがあり、謎を解明する探偵モノに興味があったのでドラマも視聴した。久しぶりにドラマを視聴したが役者の演技は凄いと思った。(中学1年・男子・福島)

    • 原作の小説を読んだことがあり視聴しました。「クッシング潰瘍」という聞き馴染みのない医療用語をCGの小人を使って分かりやすく紹介している点は、本を読むより良いと思いました。畑芽育さん(鴻ノ池舞役)の出演が少ないのが残念です。(高校1年・女子・愛知)
  • 『木曜ドラマ「PJ~航空救難団~」』(テレビ朝日)
    ドラマはあまり見ないが、家族が見ていた第1話を偶然見て引き込まれた。航空救難団の存在は知らなかったが、再現された訓練シーンはリアリティがあり、どんな組織なのかがよくわかった。主題歌は今話題のVaundyで、人間の自問自答や葛藤をこの曲に込めたとのこと。訓練学生の想いと重なる部分があると思った。(中学2年・男子・東京)

  • 『人事の人見』(フジテレビ)
    • 松田元太さんが主演なので視聴しました。ドラマは医療や殺人のテーマが多いイメージで怖いのかなと思いましたが、このドラマは全体的に明るくて面白かったです。BGMからも気持ちが読み取れて内容が分かりやすかったです。(中学1年・女子・東京)
    • もともとドラマを見るのは好きで、松田元太さんが好きなので視聴しました。いつも思うのですが、出演者が前半の出来事をまとめる部分はいらないなと思います。「この展開どうなるの?」とワクワクしていたら急にまとめが来て、ワクワク感が薄れるためです。(中学3年・女子・山梨)
  • 『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ)
    普段あまりドラマを視聴しないが、母が見ているので視聴した。60歳になる主人公・吉野千明(小泉今日子)の生き方は昨今の日本の生活を映し出していて、考えさせられる内容だった。何かしら抱えながらも様々な立場で楽しく生きている登場人物たちは生き生きとしており、見ていて心が温まった。60歳近い登場人物の恋愛というテーマは少なく、面白いと思った。(高校3年・男子・岡山)

  • 『119エマージェンシーコール』(フジテレビ)
    普段あまりドラマを見ませんが、YouTubeでドラマの切り抜きが流れてきて関心を持ちました。兼下(瀬戸康史)の妻と息子がいた場所の近くで土砂崩れが発生し、息子・光(高木波瑠)が指揮官である兼下に電話をかけてきたシーンが、一番印象に残っています。救急医療のすばらしさに尊敬の念を抱きました。(高校1年・女子・岡山)

  • 『問題物件』(フジテレビ)
    家族が視聴していたので見ました。コメディータッチな部分とミステリー要素のバランスがちょうど良く、子どもが見ても分かりやすいストーリーで面白かったです。清水伸さん(警察官役)の狂ったような演技が凄くストーリーに合っていて引き込まれましたが、怪しいと思った人が犯人になることが多いので、少しありきたりだなと思いました。(中学1年・女子・東京)

  • 『MADDER その事件、ワタシが犯人です』(関西テレビ)
    好きなグループのメンバーが主人公のクラスメイト役で出演していたので視聴しました。最終話でいくつかの伏線が完全には回収されなかった印象があり、少しモヤモヤしました。これまではドラマの考察にあまり触れませんでしたが、いろいろな考察サイトを見たり自分なりの説を立てたりと、物語の余韻を味わうのは新鮮でとても楽しい体験でした。(高校3年・女子・広島)

  • 『あなたを奪ったその日から』(関西テレビ)
    番組宣伝を見て「絶対にこのドラマは観たい」と思いました。「子どもを誘拐して育てる」という点が角田光代さんの小説「八日目の蝉」と同じだからです。見所は北川景子さんの目力で、睨むシーンでの迫力ある鋭い目、子どもと触れ合う時の屈託のない笑顔の目など、「目は心の鏡」「目は口ほどにものを言う」ということわざがふさわしいと思いました。(高校2年・女子・熊本)

  • 『中国ドラマ「フライト・トゥ・ユー~君との距離<マイル>』(BS12 トゥエルビ)
    予告の飛行機の映像がとても迫力があったことと、僕が将来パイロットになりたいので興味を持ちました。心に残ったシーンは、飛行機恐怖症の乗客に対するパイロットや客室乗務員の心温まる気配りです。僕もこんなパイロットになりたいと思いました。(中学3年・男子・大分) 

【自由記述】

《ドラマについて》

  • 医療系のドラマは内科や外科が多く、いつも同じようなパターンなので、精神科などの違う科も取り扱ってほしいと感じた。(高校3年・女子・徳島)

  • ヤングケアラーや少子高齢社会をテーマにしたドラマがもっと増えるといいと思います。(高校1年・女子・岡山)

  • 現役アスリートの幼少期から活躍するまでを描いたドラマを見てみたいです。日常生活や家庭環境、周囲のどんな支えがあったのかなど、アスリートの気持ちの浮き沈みを見てみたいです。一流と言われる人たちが僕と何が同じで何が違うのかを知りたいです。(中学3年・男子・大分)

  • キュンキュンするラブコメがもっと増えてほしいです。(高校3年・女子・広島)

  • 『北の国から』(フジテレビ・1981年~制作)が大好きなのですが、最近はこのような超長編ドラマがなくてさみしいです。出演している子どもの成長を実感できるようなドラマを作ってほしいです。(高校2年・女子・東京)

  • 観たいと思うドラマが少ないです。「フェミニズム要素強めで精神的にキツい内容だな」とか「怒鳴り声を上げてBGMでそれらしくするのだろうな」とか、ワクワクしない要因が多くあります。こんな時だからこそ冒険してほしいです。(高校3年・男子・福島)

  • 同じシーズンで他局のドラマのテーマが被ったとき、結末が似ていると新しさがなく飽きてしまいます。(中学1年・女子・東京)

  • ニュースやバラエティー番組がインターネットのコンテンツにすげ変わっても、ドラマはテレビだからこそ実現できる規模感や出演する俳優によって、そう簡単に廃れないしずっと存続すると思う。もっと面白く見ごたえのあるものにすれば若者のテレビ離れに対抗できると思う。(中学3年・男子・東京)

《他のジャンルの番組について》

  • ニュースや報道番組で「障害者」という表記がありました。障がい者は何も悪くないのに「害」があると誤解が生まれるような表記は、正しい情報を提供しなければならないテレビ局として良くないと思います。(中学3年・女子・山梨)

  • 歌番組などに出演するグループの名前はアルファベットや記号表記が複雑で読みにくいので、幅広い世代が読めるようにフリガナがあると良いと思う。読めない世代は一気に冷めて離れてしまう。(高校1年・女子・秋田)

  • 昔のクイズ番組は脳トレやナンプレが主流で、見ていてとても楽しかったです。また『全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ)はアメリカの自由の女神をバックに優勝者が決まるなど“THEクイズ番組”といった感じで面白かったです。もっとクイズ番組が増えてほしいです。(高校2年・女子・埼玉)

  • “衝撃映像○○連発”という番組が多数あります。意外な展開でハッと驚くような映像ばかりですが、スマートフォンで動画を見るのとなんら変わりはなく、あえてテレビで見たいと思いません。(高校1年・女子・熊本)

  • CMなのか番組なのか分からないところは、はっきりとわかりやすくしてもらいたいです。(中学1年・女子・東京)

  • つい最近までオンラインカジノのCMが放送されていたことに驚きました。オンラインカジノに関する逮捕者や書類送検の報道が増えていますが、自局で過去にCMを放送していた事実も伝えるべきだと思うし、CMの内容や放送のあり方についてもっと慎重に考えてほしいです。(高校1年・男子・神奈川県) 

《特定の番組への意見》

  • 『ラジオ深夜便』(NHKラジオ第1)の「ラジオ文芸館」で辻村深月「私のディアマンテ」の朗読を聴いて、女子高生のエミリが担任の先生と関係を持ち妊娠したことを母親に伝えるシーンは、結城さとみアナウンサーの声と間、抑揚に、エミリの切ない気持ちが伝わってきました。エミリの気持ちや母親の不安を声だけで表現するアナウンス技術に感動しました。(中学3年・男子・北海道)

  • 6月9日放送の『この歌詞が刺さった!グッとフレーズ』(TBSテレビ)では名曲をたくさん聴くことが出来た。特にHump Backの「拝啓、少年よ」の歌詞に深く触れていて、これはテレビだからこそ知ることができたし、テレビの良さを感じた。(高校1年・女子・愛知)

  • 『世界くらべてみたら』(TBSテレビ)を視聴しました。2つの国の人々のどちらが辛さに強いか、それぞれ30人ずつ辛い料理に挑戦して何人完食できるかを調べる企画でした。結果は1点差でしたが、このような結果はいくらでもコントロールできると思います。何だか残念です。(高校3年・男子・神奈川)

  • 『アーカイブ映像センター 素人ホームビデオなんとかする課』(テレビ東京)を視聴したが、とても独創的で面白かった。一般人に呼びかけて番組に出てもらうのはテレビらしい内容だと思う。(高校3年・男子・岡山)

  • アニメ『ポケットモンスター』(テレビ東京)をサトシの頃にもどしてほしい。昔はギャグシーンや感動シーンがあってとても面白かった。(中学1年・男子・福島)

  • 『Skyrocket Company』(エフエム東京)は番組を会社に見立てる設定が面白いです。みんなで乾杯するコーナーもあり、番組とリスナーの一体感もあります。とても良い雰囲気でよく聴いています。(中学2年・女子・千葉)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『未来予測反省会「家庭料理はなんでも自動調理器が作ってくれる」』(NHK総合)
    • 50年前の予想がぶっ飛んでいてとても面白かったです。「予想が無茶だった」で終わらせることなく理由を深めていて、学校で説明文を書くのに役立つ構成だと思いました。(中学2年・男子・群馬)
    • AI技術でイラスト風のアイザック・アシモフと対話していて、昔の人がテレビの中にいて話を聞いている感覚になり面白かった。(高校2年・女子・埼玉)
    • タイトルだけでは“硬い討論番組”という印象で観たいと思わなかったが、観始めると50年代のイラストや映像がとても貴重で興味深かった。ただ「反省」という言葉に少しモヤモヤし、アシモフ氏が「反省」しなくても良いと思った。(高校1年・女子・秋田)
  • 『Good For the Planet×ZIP!』(日本テレビ)
    • カズレーザーが取り上げていた、世界の海で問題になっている“海の砂漠化”を救う最新AIドローンを調査した企画が特に興味深かった。最新技術にもAIが用いられていることに感動した。(中学2年・男子・東京)
    • “海の砂漠化”“水中ドローン”など聞き覚えのない単語が気になって視聴しました。難しい言葉を使わずに説明していて、今まであまり関心がなかった私でも「こんなことが出来るんだ!」と興味が湧きました。(中学2年・女子・東京)
  • 『EIGHT-JAM』(テレビ朝日)
    ダンスを見ることはあまり好きではないですが、あっという間に1時間が経つほど引き込まれました。チームの良さを分かりやすく説明していたし、文字も読みやすくて集中してダンスを見ることができました。(中学1年・女子・東京)

  • 『GO!GO!チャギントン』(フジテレビ)
    小さい子にも分かりやすくシンプルで面白い内容でした。最後の「チャギントン体操」は大人の主張が激しくて子どものダンスにあまり目がいかないのでもう少し子役を引き立てたらいいと思いました。(高校2年・女子・東京)

  • 『土曜はダメよ!大阪・関西万博SP』(読売テレビ)
    “小枝不動産”のコーナーが大好きで小さいころからよく番組を見ています。関西万博についてさらに知ることができました。くら寿司の企画では世界各国のスイーツを知ることができてとても楽しかったです。(高校3年・女子・広島)

  • 『LOVE HOKKAIDO』(北海道テレビ放送)
    オープニングのイラストに癒されます。また出演者のリチャンさんと大野ユリエさんが可愛らしく、ほっこりします。6月13日の放送では白糠町にある羊牧場直営レストランのメニューを紹介していて、画面からはみ出る映し方は迫力があり、魅力がリアルに伝わりました。またリチャンさんが海の見えるサウナに入ってくつろぐ姿は本当に気持ちよさそうで、800円は安い!と思いました。(中学3年・男子・北海道)

  • 『高校生のじかん』(九州朝日放送)
    すもうで世界2位になったウクライナの女子高校生の企画でした。日常を奪われ家族と離れ離れになっても、目標に向かって日本で頑張るベロニカさんを応援したいです。(中学3年・男子・大分)

  • 『令和7年度長崎県高等学校総合体育大会 総合開会式』(長崎国際テレビ)
    今年は佐世保での開会式で、各学校の入場行進の実況は分かりやすかったです。開会式と同時に種目紹介もありテンポが良いと感じました。最後の県知事の祝辞は長く感じ、寝ている子の映像を放送するのはかわいそうだと思いました。先日のニュースで、長崎県内や島の高校が少子化で減るとありましたが、実況の中で全校生徒数や歴史などもあればよかったと思います。(高校3年・女子・長崎)

  • 『バカリもビビる!?設計浪漫~みんなが知ってるあの場所の、みんなが知らないつくりのヒミツ~』(BSフジ)
    東京タワーと東京スカイツリーを、歴史・設計・建築などで比較する構成でした。2時間のバラエティー番組で1つのテーマだけを扱うと、途中でつまらなくなって飽きてしまいがちですが、この番組は話題をこまめに入れ替えながらテンポよく展開していたため、飽きずに最後まで視聴することができました。このようなニッチで面白い番組はまた見たいです。(中学3年・男子・東京)

  • 『ダム湖で遊ぼ~ぜ!』(BSイレブン)
    ダム巡りは熱心なマニアがいるイメージだったので、どのような番組か気になって視聴した。知名度が高いとは言い難い山形県内のダム湖だけで番組が編成されていることに驚いた。ゆったりと時間が流れるダム湖の雰囲気がそのまま伝わってきて、タイパ・コスパという言葉が広まる今だからこそこのようなのどかな番組も放送してほしいと思った。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『第一芸人文芸部 俺の推し本。』(BSよしもと)
    出演している芸人を調べたところ、有名大学出身だったり著書を出していたりして驚きました。巧みな話術に引き込まれる「肩の力を抜いた楽しい読書のススメ」という雰囲気で、毎週観たい番組の一つになりました。最後のプレゼン結果発表では観覧者の様子も映してほしかったです。(高校2年・女子・熊本)

◆委員のコメント◆

【最近視聴したドラマについて】

  • 『日曜劇場「御上先生」』(TBSテレビ)を視聴した中学2年生の報告に「最後に全てがつながって謎が解けたという終わり方がいい」とあったが、学校でいつも答えのあるテストを解いている中高生にとっては、白か黒か分かるほうがスカッとするのだろう。ただ社会に出たら答えのない問題のほうが多いので、こういったドラマで視野を広げてほしいと思う。

  • ラジオドラマを聴取した中学3年生が映像のないラジオの良さと深みを報告していた。情緒豊かな青少年にはラジオドラマが深く刺さるのだと分かった。

  • 学園もののドラマを取り上げた報告がいくつかあり、中高生に身近なテーマは人気があるのだなと感じた一方で、社会的な問題を考えるドラマも意外と中高生の心を掴むのだなと感じた。

【自由記述について】

  • 中学3年生から「現役アスリートの幼少期から活躍するまでを描いたドラマを見たい」と報告があったが、凡人と天才の違いはどこにあるのかは大変興味深い。“夢への階段の上り方”を子どもたちに示すのはよいと思う。

  • 『世界くらべてみたら』(TBSテレビ)を視聴した高校3年生の報告に「結果がいくらでもコントロールできる」のでよくないとあったが、今っぽい感想だなと思う。トークバラエティーのこういった検証には実証的な意味がないと視聴者も織り込んで見ていると思っていたが、今はきちんと注釈をつける傾向がある。放送業界への風当たりの強さを反映している感想だと思った。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 中学2年生から「一話15分完結のドラマは今の時代のニーズと合致している」「話をこまめに入れ替えると2時間番組も飽きずに視聴できた」と報告があった。「15分×8」で2時間番組を構成すれば中高生は飽きずに視聴できるのだろう。

  • 最近は書籍や言葉をテーマにした番組に興味があるモニターが多く、内容に
    詳しく言及したり視聴者が一緒に考えたりする構成が好まれていると感じる。

今後の予定について

次回は2025年7月22日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。また、2日後の7月24日(木)には東京・渋谷のNHKで中高生モニター会議を開催します。

以上

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