視聴者からのご意見

2022年12月に視聴者から寄せられた意見

2022年12月に視聴者から寄せられた意見

特定の出演者への執拗な「いじり」や高齢者の「珍解答」を笑う演出、「心霊現象」の扱い方などに意見が寄せられました。

2022年12月にBPOに寄せられた意見は1,349件で、先月から122件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール82%、電話17%、郵便・FAX1%。
男女別は男性42%、女性17%で、世代別では40歳代28%、30歳代24%、50歳代17%、60歳以上16%、20歳代10%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、12月の送付件数は464件、37事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から16件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

特定の出演者への執拗な「いじり」や高齢者の「珍解答」を笑う演出、番組での「心霊現象」の扱い方などに意見が寄せられました。
ラジオに関する意見は28件、CMについては14件でした。

青少年に関する意見

12月中に青少年委員会に寄せられた意見は140件で、前月から78件増加しました。
今月は「表現・演出」が45件、「差別・偏見」が28件、「いじめ・虐待」が27件、それに「性的表現」が7件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • ひき逃げの疑いで男が逮捕されたニュースで「容疑者の自宅にあった車の破損部分と現場で見つかった部品が一致した」と伝える際に、容疑者宅の車庫などの映像が使われ、映像からは小さな子どもがいる様子などがうかがわれた。罰せられるべきは犯人のみであって家族ではない。面白半分に映像から容疑者宅を割り出す人が出てくるのではないか。

  • 引退を表明している現職市長を番組に呼び、これまでの市政の施策などを紹介していたが、市長は引退後に政党を立ち上げると明言している。市政の問題点などを指摘することなく賞賛するだけの番組はいかがなものか。

  • 情報番組で年末ジャンボ宝くじを特集。スタジオに一万円の札束10億円分を積み上げ、「人気の売り場」などを紹介。CMは「年末ジャンボ」。放送局としてどうかと思う。最近、商品やサービスを取り上げ、ほめる番組が多すぎる。広告との区別がない。

  • 長野市の“公園廃止騒動”では、苦情を寄せた人を一方的に悪者と決めつけるような報道が多いように感じる。その影響か、苦情を寄せた個人が特定されSNS上で誹謗中傷が行われている。

【バラエティー・教養】

  • 出演者がクイズの答えを間違えると床が抜けて5メートル落下。女性タレントが腰椎を圧迫骨折した先日の事故を受けて、テレビ業界は安全対策に乗り出し、危険な演出を排除するのかと思っていたら、まだこんなことをやっている。クッションがある、スタッフが予行演習をしたというのは甘い。「1メートルは一命取る」のであれば5メートルは殺人級。テレビ局は安全対策の基本ルールなどをきちんと策定しているのか。

  • タレントがチームを組んで「鬼」役と戦うゲームで、鬼が油圧ショベルのバケットの中に隠れていた。作業中であれば法規上、人は乗れない。ゲームとはいえ建設業に携わる者として見過ごせない。人命に関わるような誤解を招きかねないので絶対にやめてほしい。

  • 番組で取り上げた飲食店のオリジナル料理として、鶏肉を表面だけお湯にくぐらせ「中がレアな状態になるよう湯通し」して、ほぼ生の状態で「なめろう」風にする料理を紹介し、アナウンサーが「おいしい」と食べていた。鶏肉の生食は食中毒の危険性が高いとしてやめるように指導する自治体・保健所が多い。注意喚起もなしにわざわざ生食に近い料理を紹介するのはいかがかと思う。

  • 大手回転寿司チェーンの特集で、養殖のブリを「寒ブリ」と紹介していた。有数の水揚げ地である地元では天然ものであること、重量など一定の基準を満たすものだけを「寒ブリ」として市場に出している。大手チェーンの言うまま養殖ものを「寒ブリ」と放送されては消費者の誤解、地元ブランドのイメージダウンが心配。無責任ではないのか。

  • 「神が見える」という8歳の子どもを取材して寺の住職や「霊媒師」に会わせ、「本当に神が見えていると思う」「母も子も霊力を持っている」などのコメントを放送。過去に仏具を壊したことの影響、霊的なメッセージが子どもに移るなどのエピソードは、霊感商法を想起させる。世の中には霊感というものを信じ込んでしまう人が少なからずいてカルトに利用されるのだ。定かでない霊的な内容の放送は控えてほしい。

  • 新型コロナワクチンの陰謀論などに警鐘を鳴らし、エビデンスが必要、ファクトチェックなどと言っているメディアが、バラエティー番組では「心霊・UFO」と言った非科学的なものを扱っている。違和感があるし、説得力がない。

  • タレントが電動バイクで旅し、充電させてもらいながら人々と触れ合う番組。時折、一時停止しない、ウインカーを点滅させていない、片手運転で沿道の人に手を振るなど、交通法規に違反している場面が放送される。視聴者が「問題ない」と誤解しないか心配だ。好きな番組なので、きちんとルールを守ってほしい。

  • バラエティー番組で紹介した鍋料理店が、ラー油を有名ブランドのバッグで取った型に流し込んで固め、バッグそのものの形で提供していた。当該ブランド側の許可を得ているなどの説明は一切なかった。放送していいものとは思えない。面白ければ何でも放送するという姿勢は変えてほしい。

  • 架空の深夜番組の映像を作り、それが「視聴者が録画・保管していた1985年放送の映像」であるかのように番組内で紹介していた。最後に「深夜番組は架空のもの」というテロップが表示されてはいたが、深夜番組の名をネットで検索すると外部のオンライン百科事典でヒットし、あたかもこの深夜番組が実在していたかのように出演者、スタッフ、番組内のコーナーなどが詳細に説明されている。制作陣が宣伝のために外部のオンライン百科事典を巻き込んだのであれば、問題ではないのか。

  • 海外のハプニング映像を集めて「おマヌケ」と題して放送していたが、他人に迷惑をかけるような行為や犯罪行為の映像があり、単純に「おマヌケ」と表現するのは適切ではないと感じた。こうした映像をネットに投稿したり視聴したりしている人たちは喜ぶかもしれないが、家族視聴も多いであろう時間帯。「良くない行為」はそのように注意喚起してほしい。

  • レギュラー放送で特定の1人の出演者にだけ試食をさせない演出がある番組。年末の特番でも、試食する人を決めるサイコロは明らかにその1人に不利なように細工され、たとえ試食できる目のサイコロが見つかっても、他の出演者が蹴って目を変えるなどしていた。演出だとしてもこれは公開いじめだ。笑いをとりたいのだろうが、見ていて不快だしあまりにかわいそうで笑えない。子どもたちも見ているゴールデンタイムの放送でやってほしくなかった。

  • 1人だけ試食させないという「仲間外れ」を楽しいもの、面白いものとして扱う番組制作者の姿勢に疑問を感じる。

  • お年寄りたちにクイズを出題し「迷・珍解答に爆笑」するという番組。お年寄りを笑いものにしていいのかと考えると笑えない。いい笑いではない。

  • マスクをつけたくないという子どもの意思をヒーローの敵役「怪人」に見立てていた。様々な事情からマスクをつけられない子どもに対する差別を助長するだけだ。こうした演出は是認できない。

  • 女性の応募者がある男性タレントに好かれればアイドルデビューできるという企画。応募者本人たちの自由意思とはいえ不快感を覚えた。女の子たちが好きでもない男性にアプローチしたり、体を触らせたりする。女性は実力とは別の方法で夢をつかむ必要があるように見えて気持ちが悪かった。時代錯誤。

  • グルメ番組などの食事シーンで「ガブッ」という効果音が頻繁に使われる。番組側は面白いと考えているのかもしれないが、不快なのでやめてほしい。日本人は食事のときに音を立てないことを美徳としてきたのではないか。

  • ゴールデンタイムの全国放送のバラエティー番組。事前に「年間優勝者発表」と大々的に宣伝され、楽しみにしていたが、地元局では、肝心な最後の数分間がローカルニュースに切り替わり見られなかった。非常に残念。同様のことが以前のスペシャル放送でもあった。キー局はこうした状況をどのように考えているのだろうか。

  • さまざまな分野で活躍した女性の生涯を若手女優がドキュメンタリーとして取材し、またドラマとして演じている。女優が真剣に取材している姿は好感が持てた。名前や功績は知っていても、今まで知らなかったその女性の苦労の部分もよく描かれているので勉強にもなった。また企画してほしい。

【ラジオ】

  • ローカルFM局が今年、県内の小中学校、高校で行ってきた「校内放送」企画を再編集し、一般リスナー向け特番として放送した。ふだんはその学校の児童・生徒たちしか知らないイベントを一般に紹介していて、とても好感が持てた。「校内放送」ならではのハプニングやアクシデントを、番組パーソナリティと子どもたち、先生とが力を合わせて乗り越える様子がうかがえてとても良かった。素晴らしい取り組みだと思う。今後も継続してほしい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 子ども向けバラエティー番組で、魚のマアジで剥製を作る企画があった。出演者はカラフルな絵の具を塗って楽しそうに作業していたが、食べ物を遊びに使うこと、命ある魚を遊びに使うことが倫理的になじめず、いやな気持ちになった。

  • 子ども向け特撮ドラマで、運転免許の路上教習中のヒロインが敵役の人をはねて走り去るシーンがあった。子ども向け番組で、ひき逃げを放送してもいいのだろうか。

  • バラエティー番組で、「館長がカンチョー」というドッキリ企画があった。カンチョー遊びは一時期、子どもの社会問題になった。番組テロップで「絶対にマネしないで」と注意していたが、子どもは絶対にマネするだろう。危ないことなら「企画するな」と思う。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • 特別支援学級向けの番組で「マスクをつけよう」と題して、マスクをしない人を悪者扱いしていて、とても不快に感じた。これでは差別を助長する。さまざまな理由からマスクをできない人がいることを理解させる放送にするべきだと思う。

  • バラエティー番組で「運動神経の悪い芸人」を特集した。運動神経は個々人の能力であり、個性でもある。それを笑いものにするのは非常に不愉快だ。学校の体育の時間に子どもが差別的な行為を受ける温床にもなるので注意してほしい。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組の和牛ステーキ試食コーナーで、50人の出演者が一斉にインチキのサイコロを振って、特定の男性芸人だけが試食できないようにした。出演者全員でひとりだけを仲間外れにするのはいじめに見えた。芸人本人が事前に承知していたとしても、いじめで笑いを取る演出は不快であるし、やめてもらいたい。

【「性的表現」に関する意見】

  • 夜10時からのバラエティー番組を子どもと見ていたら、お笑い芸人と若い女性タレントの濃厚なキスシーンが流れてきた。ご丁寧にもキスの音声までわかるように放送されて家庭内が凍り付いた。深夜帯ならわかるが、子どもが起きているかもしれない時間帯での放送としてはいかがなものか。