放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第176回

第176回–2022年10月

NHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見に対する報道について報告

第176回放送倫理検証委員会は10月14日に千代田放送会館で開催された。
委員会が9月9日に公表したNHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見について、テレビ、新聞がどう報じたのか報告された。
また、9月にBPOに寄せられた視聴者意見が報告され議論を行った。

議事の詳細

日時
2022年10月14日(金)午後5時~午後7時
場所
千代田放送会館
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、米倉委員

1. NHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見の公表について報告

委員会は9月9日、NHK BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見の公表の記者会見(オンライン形式)を行った。今回の委員会では、NHKを含めテレビ、新聞がどのように報じたのかが報告された。これに関連して、総務省がNHKに対して行政指導を行ったことについて議論したところ、多くの委員から行政指導がなされたことについて懸念が示された。委員会は、番組内容に関する行政指導としては、2015年のNHK総合テレビ『クローズアップ現代』"出家詐欺"に対する文書による厳重注意以来の指導になること、委員会は「『クローズアップ現代』"出家詐欺"報道に関する意見」(委員会決定第23号)において、放送法5条は放送事業者が自らを律するための「倫理規範」であり、総務大臣が個々の放送番組の内容に介入する根拠ではなく、「放送局が自律的に番組基準を定め、これを自律的に遵守すべきことを明らかにしたものなのである。したがって、政府がこれらの放送法の規定に依拠して個別番組の内容に介入することは許されない。」との意見を表明していることを再度確認した。その上で、今回の行政指導は、NHKの報告書提出から約半年を経てなされたものであり、放送局が自主的にその原因を調査し再発防止策を検討して問題を是正すること自体が脅かされたとまではいえないこと等を踏まえて、委員会として意見を表明することはしないものの、委員会が議論を行ったことを公表することにより、今後も総務省の行政指導に対しては注視していくことを明らかにすることとした。

2. 9月に寄せられた視聴者意見を議論

9月に寄せられた視聴者意見のうち、安倍元首相の国葬報道・特別番組に対してさまざまな意見があったことや、民放番組のコメンテーターが、国葬に大手広告代理店が関与したという趣旨の事実に基づかない発言をし、訂正・謝罪に至ったことに対する批判的意見が多数寄せられたことなどを事務局が報告した。

以上