視聴者からのご意見

2022年4月に視聴者から寄せられた意見

2022年4月に視聴者から寄せられた意見

エレベーターでの防犯対策として推奨される女性の行動に不快感を示した男性芸人の体験談に「不適切」などの意見が寄せられました。

2022年4月にBPOに寄せられた意見は1,648件で、先月から69件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール79%、電話19%、郵便・FAX 各1%。
男女別は男性41%、女性24%で、世代別では40歳代27%、50歳代23%、30歳代19%、20歳代13%、60歳以上12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、4月の送付件数は856件、54事業者でした。また、それ以外の放送全般への意見の中から24件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

女性にエレベーターを譲られたことを男性芸人が「不快な体験」として披露したことについて、防犯対策として警察も推奨する行動であり不適切という意見が寄せられました。またバラエティー番組で過去のテレビドラマを、主演の男性タレントが存在していなかったかのように紹介。これについて、大手芸能事務所を退所したこととの関連を懸念する意見が寄せられました。
ラジオに関する意見は49件、CMについては21件でした。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は153件で、前月から49件増加しました。
今月は「いじめ・虐待」が43件、「低俗、モラルに反する」が33件、「表現・演出」が25件、「人権」が18件、「暴力・殺人・残虐シーン」が8件でした。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 発言内容が取り沙汰されている講義で実際に使われた「無垢」、「生娘」、「シャブ漬け」などの言葉を、ある放送局は別の言葉に置き換えていた。もし放送上不適当と判断したのなら行き過ぎで間違っていると思う。それらの言葉が不適当かどうかは視聴者やリスナーの判断に任せるべきだ。もし政治家の発言であったとしたら、誤った内容を視聴者に伝えることになる。大きな問題だと思った。

  • ヒグマが人を襲ったり目撃されたりしたニュースで、キャスターが「小学生は登下校時にクマよけの鈴をつけて」と呼びかけている。専門家の意見だとは思うが、おととし私は、鈴をつけていてクマに追いかけられた。ツキノワグマには有効かもしれないが、好奇心の強いヒグマには有効ではない。人の気配があっても出てくるクマは、人間の廃棄物を食べた、もしくは人を襲った経験があると思った方がいい。クマよけの鈴は「エサがある」という目印になるだけだ。数年前まではロケット花火や爆竹なども有効だといわれていたが、銃で仕留め損ねたシカを食べた経験から、今では火薬の匂いをエサと勘違いして近寄ってくる。クマよけの鈴をつけていれば安心だと思わせる報道は危険。

  • 放送局の社外取締役の一人が県議会議長。政治家が社外取締役では公平性に欠けるのではないか。また、地元選出国会議員の後援会への勧誘を副知事が県幹部に依頼していた事件について、この放送局は国会議員の名前を伏せて報道した。これも中立性に欠けるのではないか。

【番組全般・その他】

  • 「離婚後の親権の問題を考える」という番組のゲスト2人が共同親権に否定的な弁護士や学者で、離婚後に子どもとの面会交流ができないのは「別居親に問題がある」という印象を与える内容だった。同居親が不倫をして他方親の同意なく子を連れて転居(実子誘拐)するようなケースもある。

  • 性犯罪への対策のひとつとして、警察などは男性と二人きりでエレベーターに乗り合わせないよう女性に注意喚起している。それに従ったと思われる女性の行動について、男性芸人が「不快に感じたので脅かしてやろうと思った」という主旨の発言。これを自慢げに話すなんてどうかしている。ネタとしてOKを出し放送したテレビ局もおかしい。

  • 女性にエレベーターを譲られたことを男性芸人が「不快な体験」として披露。腹いせによる報復をおそれて男性と同乗し、犯罪に巻き込まれるなどの影響がありそうで心配だ。大変有害な内容だと思った。人気のある芸人の発言なので「怖がってはいけない、男性に配慮しないといけない」と思う子どもも出るかもしれない。

  • バラエティー番組で過去のテレビドラマを、主演の男性タレントが存在していなかったかのように紹介した。主演俳優が誰なのかは少し調べれば分かることで、単なる勘違いではないはず。大手芸能事務所に忖度(そんたく)して退所したタレントを起用しないなどの行為がいまだになくならないことについて調査してほしい。

  • 過去に公正取引委員会が元SMAPメンバーの扱いについて注意をしたが、大手芸能事務所の退所者への不当な扱いは一向に改善されない。事実を歪めてまで放送することが政治的な内容にまで及ぶことが懸念され、視聴者としては放送が信頼しにくくなる。

  • 「都市伝説」と銘打ってはいるが、世界情勢に乗じてデマを広めているだけだと感じた。稚内市内の看板などのロシア語表示をロシアの脅威と関連付けたり、プレゼンターが「日本が大きな自然災害に見舞われた時にどさくさに紛れて(外国に)攻め込まれるのが怖い、乗っ取られる」などと発言したり。公的なメディアで流すのは適切ではないと思う。関東大震災ではデマによって朝鮮人が虐殺されている。また、「バイデン(米大統領)はAI」という発言もあったが、もはや「都市伝説」ではなく危険な「陰謀論」。それを助長する内容はいかがなものか。

  • 私は電気設備の技術者。紀行番組のエンディングでスタジオの芸人を「メキシコの電気ビリビリマシーン」に感電させているが、子どもがこの企画を見て興味本位でコンセントに金属棒を突っ込んだらどうなるだろう。取り返しのつかないことになる前に即中止すべき。

  • 愛媛県の銘菓の特集で、飲食店を経営する友人が取材を受けた。放送日に従業員と常連客が集まり、店がいつ登場するかとテレビ画面を凝視していたが、最後まで触れられないまま放送が終わった。気落ちしている友人がとても気の毒だ。事前に「放送しないことになりました」と一言連絡するなどできなかったのだろうか。

  • セキセイインコに首輪をつけ、肩に乗せて散歩する飼い主。他人の飼育方法についてどうこう言うつもりはないが、「鳥博士」として取り上げ、その危険な飼育方法を紹介するのは番組としてお粗末。鳥は驚くとパニックを起こし飛び立とうとする。ひもに絡まれば脚の切断、絶命にもつながる。誤った知識を広めるのは罪。専門家の監修を受けるべきだ。

  • 「旧家に眠るお宝 一挙に売ります」という企画。テレビ番組が数百~数千万円の高額美術品の売買を仲介するような行為に問題はないのだろうか。

  • バラエティー番組で芸人が包茎をネタにする。何が面白いのかわからないが、人の身体的欠陥(ネタにしている人はそう思っているのだろう)で笑いを取ろうとしている。次の日、学校でいじめに遭うんです。なかなかしんどいです。芸能事務所やテレビ局にメールしたけど返信はない。「表現の自由があるのでやめなくてもいいのかな」「死なないと取り合ってもらえないのかな」たくさんの疑問が湧く。僕がテレビを見ないことは簡単なんですけど、いじめてる人に見させないことはできない。これをネタにしないと生きていけないくらいの芸人はいなくなれ。親に申し訳ないのでこんなことで死なないとは決めてるけど、本当にしんどいよ。それでも聞きたい、僕が死んだらこのネタ、放送しないようになりますか?

  • 海外生活が長く、帰国後に日本のバラエティー、お笑い番組を見てがく然とした。人をののしる、冷やかす、ばかにする、たたく、そういったことで笑いを取っている。信じがたい光景で欧米ではあり得ない。他に笑いを取る芸がないのであれば、芸人の質がたいへん落ちているということだと思う。人のアタマをたたく笑いなど、海外では「芸」ではなく犯罪だ。

  • BPOの「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」に関する見解は評価する。しかし、テレビ番組が規制されるほど、YouTubeなどに過激で危険な動画が増え、再生数が伸びる(収入になる)のも現実だ。BPOは、テレビ番組を規制した先のことも踏まえた対策をしてほしい。

  • BPOが罰ゲームや暴力について否定的な見解を示したが、大人が子どもをしっかり教育できなくなっているだけ。放送がけしからんというのは責任を放棄している大人の意見。犯罪を助長してはいけないが、そうでない暴力的な内容は、それがいやな人は見なければいいし、子どもたちにはちゃんと教育すればいい。

青少年に関する意見

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • アイドルグループの1人が他のメンバーそれぞれにドッキリを仕掛けるという企画で、最後に発案者が全てを受ける逆ドッキリを仕掛けられるという内容。一人一人のドッキリは体を張るものも多少はあったが、健康にはある程度留意していたのかと思う。しかし最後に番組側からドッキリ全てをかけられる場面はいじめにしか見えず、とても笑えなかった。子どもが他者を傷つける言動や危険行為を「面白いこと」として捉えることを助長している。

【「低俗、モラルに反する」】

  • 中高生等も見る時間帯に、AV女優を出演させて整形について語らせていた。この方を知らない人もネットで検索すれば、裸の画像や動画がすぐに出てきてしまう。やるなら夜中の時間帯に放送するべきではないか。そして最近よく特集される整形についても、安易に放送するのはあまり良くないと思う。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 特撮ヒーローもので、主役の1人が普段は大人しく優しい男性なのに、恋人が傷つけられて「彼女を傷つける奴はどんな人間でも絶対にゆるさない」と、悪人を殺してしまったのは残酷だ。悪人も、毎回普通の人間が敵の親玉に操られているだけなのに、どうして改心させたり救ったりせず、容赦なく殺してしまうのか。あまりにも残酷すぎて子ども番組とは思えない。

【「人権」に関する意見】

  • お笑い芸人が「エレベーターで先に待っていた女性に譲られ、1人で乗った。怪しまれたと思ったから腹が立ってもう一回降りて脅かしてやろうと思った」と発言した。話を誇張している可能性もあるが、このような犯罪を助長するような発言で笑いを取ろうとすることに、人権侵害を感じる。性犯罪を少しでも助長するような発言、またそれを軽視する発言を放送していいとは思えない。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 最近ウクライナ紛争で報道が過熱していて、視聴率アップを狙ってなのか死体の映像を各メディアで流している。深夜ならまだしも、子どもが見るであろう朝や日中にも頻繁に映像を出している。いつから死体の映像が解禁されたかわからないが、あまりにも凄惨な映像にショックを受けている。放送倫理として如何なものか。放送時間帯を制限するなど規制が必要だと思う。