視聴者からのご意見

2022年2月に視聴者から寄せられた意見

2022年2月に視聴者から寄せられた意見

特定の政党の関係者が番組にレギュラー出演していることについて「バランスを欠く」などの意見が多かった。

2022年2月にBPOに寄せられた意見は1,504件で、先月と比較して539件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール86%、電話13%、郵便・FAX 1%。
男女別は男性41%、女性19%で、世代別では40歳代27%、50歳代23%、30歳代23%、20歳代12%、60歳以上11%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は806件【49事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から17件を抜粋し、全会員事業者に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

特定の政党の関係者が番組にレギュラー出演していることについて「バランスを欠く」などの意見が多かった。
ラジオに関する意見は47件、CMについては26件あった。

青少年に関する意見

2月中に青少年委員会に寄せられた意見は92件で、前月から42件減少した。
今月は「表現・演出」が21件、「低俗、モラルに反する」が18件、「いじめ・虐待」が8件、「報道・情報」が8件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 政党の創設者である人物を「一般人、私人」の扱いで多くのテレビ番組に出演させるのはその政党に利益を供与していることに他ならない。特定の政党を利するような番組作りをするのは問題だ。

  • 北京冬季五輪での羽生結弦選手のジャンプについて「国際スケート連盟(ISU)が初めて4回転アクセルと認定した」などと報じられているが、これは正しい情報なのだろうか。ISU は通信社AFP の Fact Check に対して「羽生の4回転アクセルは成功しなかった」と回答している。

  • 養鶏業者を紹介する中で「エサは遺伝子組み換えを行っていない安全なものにこだわっている」と説明していた。「遺伝子組み換えは安全ではない」という主張は公的かつ科学的に検証された知見とは異なり、遺伝子組み換え作物を生産・販売する者を不当に貶(おとし)め、不利益を与えるおそれがある。報道するならその業者独自の見解であることが分かるように強調すべき。あたかも一般論として「遺伝子組み換えが安全ではない」という前提が存在するかのような印象を視聴者に与え不適切だ。

  • 児童虐待の報道は必要ではあるが、ただただ悲惨なストーリーを放送する「エンターテインメント」番組になっている。事件を伝えるだけでなく、虐待を防ぐためにどうするべきか、どれだけ重い罰が科されるかなど次の被害者を出さないための内容が必要だと思う。また、自殺のニュースの後に相談窓口を紹介するように、「『虐待かも』と思ったらこちらへ」と通報先を紹介して視聴者の協力を仰ぐなどすべき。

  • 政治討論番組で元首相と特定政党の関係者が、対立意見のない場で「核シェアリング」の有用性を説明。これまでにも特定政党寄りの発言があるなど公平さに疑念を持っていたが、今回は「危険」。

  • メディアが特定政党の一方的なアナウンサーとなっている。情報番組で地域のコロナ対応や死者の多さという問題を提起していたが、出演した知事の弁明を番組が肯定するなどひどい有様だった。不偏不党、公平な報道がなされるよう厳しくチェックすべきだと感じる。

【番組全般・その他】

  • 「車でのドライブを楽しむ犬猫」というテーマで座席やダッシュボードでくつろぐ犬猫の動画を紹介していたが、車に乗せる際はケージなどに入れるべきではないだろうか。動物が予期せぬ動きをして運転の支障になることは十分ありうる。「助手席のインコに気を取られて」という死亡事故があったばかり。

  • 放送局が社の方針としてSDGsを標榜しながら、大食い企画で食材を無駄にする矛盾。視聴者をばかにしているとしか思えない。恵まれない人たちやその支援に奔走する人たちに胸を張って番組を見せられるのか。

  • ロケ中の店内の商品が盗品ではないかと心配になり始めた出演者が、共演者に店の住所を質問し、教えられた地名を心配そうに反すう。このロケ映像を見ていたスタジオ出演者らが大笑いして「○○(地名)は関係ある?」「よくないよ」「いらんこと言うな」とはやす。そこに住んでいる人を犯罪者扱いする内容。カットすればいいだけなのに、あえてその地域を笑いものにしている。

  • 出演者から悩みを相談された共演者が「もう遅い」という意味で「ステージ4になってから来るんだもん」「手遅れ、末期ですね」と発言、スタジオが笑いに包まれる様子がテロップ付きで放送されていた。がん闘病中の身内がいる者としてはブラックジョークの範ちゅうを超えている。

  • 罰ゲームで鼻にフックをかけられて痛がる芸人の顔を、共演者が「『ゲルニカ』っぽい」と表現、テロップでも「ピカソの名作」と説明していた。これはスペインのゲルニカ地方への無差別爆撃をテーマにした作品。たとえとしてふさわしくないと思う。

  • ギャンブル好きの芸人が自分たちの体験をこじつけで解釈し、ギャンブル依存を肯定的に表現して笑いにしている。依存症患者の家族の苦しみに全く配慮していない。

  • 同じスタジオでトークする出演者たちが相次いで新型コロナに感染。そろそろテレビ業界も出演者にマスクを着用させてはどうか。視聴者から称賛されたり話題になったりしてむしろ良いのでは。もうアクリル板だけでは無理なことが明らかなのではないのか。

  • バラエティー番組で自衛隊の武器や装備を楽しげに紹介している。国民を守るために必要なことは理解できるが、これらは敵を殺すための殺人装置でもある。たとえ敵でも家族がいる同じ人間だ。見ている子どもたちに何を伝えようとしているのか。戦車や戦闘機や銃やミサイルなど、少なくとも楽しく紹介するような性質のものではないと思う。ロシアがウクライナに侵攻して多くの犠牲者が出ており、多くの方が悲しい思いをしているのに、一体どういう目的でこのような番組を放送しているのか、全く理解に苦しむ。

  • 財布のテレビショッピングについて。占いが特技というタレントが出演して「お金に愛される財布を開発中」「ついに完成 究極の金運財布」などと紹介しているが、科学的な根拠が希薄でテレビで放送することに疑問を感じる。

  • 番組への要望があり放送局に電話をして伝えたところ、担当者が「ここに寄せられるのは視聴者からの文句ばかり。そんな電話をかけてこないでほしい」などと言った。驚いて「そうした態度はよくない」と諫(いさ)めると「どこに通報してもいいですよ。クビにされてもいい」と開き直った。虫の居所が悪かったとしても、それを見ず知らずの視聴者にぶつけるとはあまりにお粗末。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 中高生に人気のある俳優とタレントが出演する番組で、スクラッチくじを大量に削る企画があった。ただ削るだけではなく絵柄の出方を解説していた。これは明らかに賭博を指南している。子どもがやりたいと言い出すと困る。深夜放送ではなく子どもがふだん見る時間帯なので、もう少し考えてもらいたい。

【「低俗、モラルに反する」】

  • 世界の事故やハプニング映像を流してゲストが驚きや笑いをこらえる内容の番組があった。人が死にそうになっている事故を見せて笑わせようとする倫理感覚が信じられない。死ななければ放送して良いのか。これを見た子どもが、死にそうな人を見て「笑ってもよい」と思うと心配だ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • “自分の物を他人が身に付けていたら気付くか”という企画で、自宅にある物を全て持ち出してリサイクルショップに陳列させて、気付くかどうかなどをやっていた。後から返すといっても事務所やマネージャーに許可を取るだけで本人に話していないなら、胸糞の悪くなるただのいじめだ。やるなら有料放送でどうぞ。子どもの目には触れさせないようにして下さい。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 毎日のように児童虐待のニュースを報じているが、虐待の手口を事細かに報道する必要はない。模倣犯や愉快犯も出てくる。自殺のニュースの後に自殺相談ホットラインの電話番号を紹介するように、必ず「『虐待かも』と思ったらこちらに連絡を」という通報先を紹介したり、虐待を防ぐための協力を視聴者に仰ぐなどしないと、ニュース番組はそれをあおってエンタメのネタとして楽しんでいるだけにしか見えない。

【「性的表現」に関する意見】

  • 朝の情報番組で、おニャン子クラブの「セーラー服を脱がさないで」を歌っていた。今では到底許されない気持ち悪く虐待的な児童への性搾取的な歌詞を、嫌がるスタジオ出演者に強要して歌わせていた。この歌は当時においても10代や現役高校生の歌い手に対するセクハラであり、時代が違うから懐メロだからといって許される行為ではない。性暴力をあおっていると言われても仕方がない行為であり堕落的な倫理観である。