視聴者からのご意見

2022年1月に視聴者から寄せられた意見

2022年1月に視聴者から寄せられた意見

東京五輪の公式記録映画の制作過程を追ったドキュメンタリー番組について、放送局が「字幕に不確かな内容があった」と説明。番組やこの説明にに対して多くの意見が寄せられた。

2022年1月にBPOに寄せられた意見は2,043件で、先月と比較して391件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール86%、電話13%、郵便・FAX1%。
男女別は男性46%、女性18%で、世代別では40歳代25%、30歳代24%、50歳代19%、20歳代14%、60歳以上13%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。1月の通知数は1,225件【50事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から22件を抜粋し、全会員事業者に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東京五輪の公式記録映画の制作過程を追ったドキュメンタリー番組について、放送局が「字幕に不確かな内容の字幕があった」と説明。番組やこの説明に対して「デモ参加者をおとしめた」「字幕を付けた意図の説明がない」など多くの意見が寄せられた。
ラジオに関する意見は43件、CMについては18件あった。

青少年に関する意見

1月中に青少年委員会に寄せられた意見は134件で、前月から50件増加した。
今月は「表現・演出」が46件、「いじめ・虐待」が32件、「低俗、モラルに反する」が14件、「暴力・殺人・残虐シーン」が7件、「性的表現」が5件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 菅直人元首相の「ヒトラー」発言について出演者が「フランス、ドイツでは処罰の対象となる可能性が高い」と解説した際、「ヘイトスピーチ」を「憎悪に基づいて相手を侮辱する表現」と説明した。この説明には日本や諸外国で一般的に共有されている「人種・国籍など個人の努力では変えることの出来ない社会的属性を理由に」という部分がなく、不正確な理解を広めている。

  • 政府の「歴史戦チーム」についてニュースで無批判どころか肯定的に取り上げていた。このチームは「政権の歴史認識に基づいて」事実を集めるという。自国の政治的現状に都合が良かろうが悪かろうが事実は事実として研究する歴史学とは真っ向対立する組織であると言える。これを公共放送が何らの批判も論評も加えずに肯定的に放送することは許されない。

  • ある情報番組が特定政党の幹部や関係者を繰り返し出演させ、実質的にその政党の宣伝・周知を行っていて、放送に求められる政治的中立性・公平性を著しく欠いている。放送局だけでなく報道機関全体の信頼を揺るがす。

  • 情報番組の正月特番で、特定政党の幹部や関係者をお笑い芸人がヨイショしていて気持ち悪かった。政治を監視することがジャーナリズムの一翼を担う放送局の務めのはず。

  • 生後2か月の乳児を冷蔵庫に閉じ込めた事件について。テレビは虐待する親を「悪人」として非難するだけ。ペアレントトレーニングや虐待を受けて育った人向けのカウンセリングを行っている医療機関を紹介するなどの内容が必要。

【番組全般・その他】

  • 東京五輪の公式記録映画の制作過程を追ったドキュメンタリー番組について、放送局が「字幕に不確かな内容があった」と説明、「映画製作の関係者、視聴者」に謝罪したが、一番に謝るべき相手は五輪反対デモに参加された方々ではないだろうか。放送局は一度訂正・謝罪すれば終わりかもしれないが、当該場面はキャプチャされてインターネット上に残ってしまう。また、番組を見た人が訂正も見るとは限らないので「五輪反対デモの参加者はお金をもらっていた」という誤解は完全には消えない。このようなことが二度と起こらないよう、真摯(しんし)な対応を願う。

  • 「五輪反対デモはお金で動員されている」という事実上のデマを視聴者に広め、参加者を侮辱し、その尊厳を踏みにじった。絶対にあってはならないフェイク放送だ。

  • 五輪反対デモに「お金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕は、誰がどういう意図で付けたのか。これをうやむやにしては民主主義における正当な権利が毀損(きそん)されるのではないかと非常に危惧している。

  • 電車内での喫煙を注意した高校生が暴行を受けた事件のニュースで、「周囲の大人は助けなかった」という部分を強調した伝え方はたいへん危険。電車内でトラブルに巻き込まれた際の対処法について鉄道各社は、乗客自身が対処するのではなくSOSボタンなどで「乗務員に知らせてほしい」としている。

  • ベテランお笑い芸人が「5歳からワクチン打たせようなんて、もう狂気の沙汰ですよ」と断言していた。他のことならともかく、命に関わることについて専門的な知識のないいわば素人の認識を、さも正しいかのように放送することは是正すべきではないのか。せめてきちんとした専門家を同席させるべきではないのか。

  • 出演者がマスクをしたからと言って私たち視聴者が見なくなるわけではない。それよりも、マスクをしないことで濃厚接触者になり出演できなくなることの方がつまらない。出演者はぜひマスクをしてほしい。

  • ニュース番組が紹介した「人気の飲食店」は、かつて緊急事態宣言下、酒を提供していた。法律違反ではないが新型コロナへの姿勢がわかる。感染対策がきちんとしているお店を紹介するべきだ。

  • ウイルス感染症の患者が急増する病院を舞台にした連続ドラマについて。中心的な役割のスタッフがSNSで新型コロナウイルスに関する陰謀論やデマを拡散している。当該ドラマの内容もそうした思想を色濃く反映している。公衆衛生上の危機の真っただ中においてこれを放送するのは極めて不適切に感じる。

  • 大食い企画で芸人が食べきれず嘔吐(おうと)。吐しゃ物の部分をキラキラと加工してその様子を放送していたが、テレビで流すものではないと思う。不愉快。面白いと思って放送しているのだろうか。ダイエットや山登りなどチャレンジ企画が楽しみで見ているが、やっていいことと悪いことがあると思う。

  • 番組でコンビニ商品を酷評したシェフに対する誹謗中傷がネット上で起こり、同姓のシェフが巻き込まれた。表現の自由があり、企画自体に問題があるとは思わない(嫌なら見なければいい)が、誹謗中傷を行う者に対し番組側はもっと声を上げ、意思をはっきり表明するべきだ。

  • 大手企業の料理・商品などを詳細に扱う番組がその企業の宣伝と化している気がして心配。忖度が生じて過労死、パワハラ、セクハラ、低賃金、長時間労働などの問題を報道しにくくなるのではないか。

  • ドラマの宣伝に「飯テロドラマ」というフレーズが多用されているが、メディアが「テロ」という言葉を娯楽番組の宣伝に軽々しく使うのは鈍感すぎるのではないかと感じた。「◯◯難民」なども同様。

  • 東大生タレントを売りにしている番組を見ることで「東大がすべて」と錯覚してしまう可能性があると思う。この番組は学歴を前面に押し出すことで学歴差別を「生産」している。私は現在大学生で、学歴によって将来が決められると考えると危機感さえ覚える。

  • タレントが無人島から「自力」で脱出する企画。別にスタッフが手伝おうが何をしようがかまわないが、番組を見ていると「1人で船を作って脱出した」ように見える。そのように見せている。情報をねじ曲げて放送することは危険だと思う。「専門家と協力していかだを作り脱出に挑戦」で良いと思う。あまりにも不誠実。

  • 無人島からの脱出は裏でスタッフが手伝っていたということを知って、今まで「すごい」と感動していた芸人に対する気持ちも冷めてしまった。

  • バラエティー番組で「ラクして稼げる」と紹介していた職業に消防官などが含まれていた。危険を冒して社会を支える職業に対して敬意を著しく欠いていると感じた。視聴者に誤解を与えかねずメディアとしての責任にも欠ける。

  • 出演者がお酒を飲みながら番組を進行していた。学生のコンパのような状況で、泥酔とまではいかないが非常に酔っている状況が伝わってきて内容もぐちゃぐちゃになっていた。このコロナ禍のなか自制が効かないほど飲んでいるのはいかがなものか。翌週は番組を差し替えて放送していた。ラジオが好きで楽しく聞いているので、とても残念に思う。

  • 1か月かけてターゲットに「年末ジャンボ10億円」が当たったと信じ込ませるドッキリ。借金があるターゲットの気持ちをバカにしたような内容で見ていて不快だった。本当に困っている人をあざ笑う企画はやめるべき。一般的な人間の感情があればストップをかけると思う。

  • 10才の娘がいるが「痛みを伴う」バラエティー番組を毎週親子で楽しく見ている。嫌なことがあってもこの番組を見ると忘れられる。現実でやっていいことダメなことは子どもにもちゃんと分かる。今の子どももそんなにバカじゃない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 受験シーズンのさなか、東大刺傷事件が起きた。民放各局の学歴をあおるクイズ番組の垂れ流しは、閉鎖的で狭い社会環境の中でしか自分の価値を判断できない未成年の若者にとっては、高学歴であることこそ唯一価値ある人間の条件であると思い込んでしまうのではないだろうか。今回の事件の原因を作っているのは、このような放送をし続けるテレビ局にもあると思う。

  • 無人島から脱出する企画で、裏で複数のスタッフがやっているのに度重なる重労働を力技でやってのける演出や、たった一人でこんなに作業ができると誤って認識させることは、小さい子どもに限らず一般的な成人男性が持つ体力を誤って認識させて、自然の危険を軽んじることに繋がる。その悪影響により、冬山での遭難者、死者が出ているかもしれない。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 芸人の一発ネタ番組で「人間を自転車で轢く」ことをやっていた。テレビ局に抗議したところ「十分に安全対策を取っている」との答えだった。そんなことは当たり前だ。問題は、子どもが真似をしたらどうするのかということだ。

【「低俗、モラルに反する」】

  • 男子高校生が四つん這いになり、お尻の毛を芸人と母親に抜いてもらっている映像が映った。局部などは見えていなかったが、局部さえ隠れていればいいのか、いくら本人の依頼だったとはいえ、甚だ疑問だ。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 宇都宮での列車内暴行事件のニュースについて、暴行現場を撮影した動画をそのまま放送していたが、見ていて非常に不快。なぜこのようなショッキングな動画をそのまま放送するのか。子どもがこのような動画を見てPTSDになるケースをもっと深刻に考慮してほしい。またこれを模倣して暴力をふるう人が出てこないか、こちらも非常に心配。

【「性的表現」に関する意見】

  • 金曜の深夜、高校生の息子が親に隠れて見ていたアニメに驚いた。民放で放送する内容ではない。未来に奇病が流行して男が何万人も亡くなり、生き残った男性が5人で、残りは女性しかいない。政府がその5人と残った女性と性行為をさせ、妊娠させ、子どもを将来的に増やす。性交・無避妊・受精・はらませ…女性は産む機械ではない。女性軽視だ。全裸シーンはセル画が黒で塗りつぶされているが、気持ちが悪い。