第166回–2021年12月
テレビ朝日『大下容子ワイド!スクランブル』の審議
第166回放送倫理検証委員会は12月10日に千代田放送会館で開催された。
番組スタッフが作成した質問を視聴者からの質問として放送したテレビ朝日の情報番組『大下容子ワイド!スクランブル』について、11月の委員会で審議入りが決まったことを受け、今回の委員会では、担当委員から当該放送局の関係者に対して実施したヒアリングの概要が報告された。
議事の詳細
- 日時
- 2021年12月10日(金)午後5時~午後7時
- 場所
- 千代田放送会館会議室
- 議題
- 1. テレビ朝日の情報番組『大下容子ワイド!スクランブル』について審議
2. 11月に寄せられた視聴者意見を議論
- 出席者
-
小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、巻委員、米倉委員
1. テレビ朝日の情報番組『大下容子ワイド!スクランブル』について審議
テレビ朝日は情報番組『大下容子ワイド!スクランブル』の2021年3月から10月にかけて放送した視聴者からの質問に答えるコーナーにおいて、番組側が作成した質問を視聴者からの質問であるかのように放送したケースが含まれていたとして、10月21日、番組と番組のウェブサイトで公表し謝罪した。同コーナーでは、番組の前半で当日のテーマを視聴者に伝え、放送中に番組ウェブサイトなどで受け付けた質問を番組終盤で紹介し、出演した専門家らが答えていた。また視聴者から受け付けた実際の質問を使用する場合も、文章に手を入れ表現を修正したケースでは、クレームを避けるためとして属性を書き換え架空の属性で放送していたという。
11月の委員会で、視聴者の質問や意見を番組が作ることは世論誘導にもつながりかねず、放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決めた。
今回の委員会では、11月末から12月にかけて当該放送局の関係者に対して実施したヒアリングの概要が担当委員から報告され、それを踏まえて議論が行われた。委員からは、制作体制の中のポジションによる意見表明の難しさ、企画・制作の段階における局の関与の程度、好調な視聴率を背景とした制作フロー点検の欠落の可能性、視聴者とのキャッチボールという枠組みの変更可能性、コロナ禍でのコミュニケーションの困難さなどを指摘する意見が出された。
次回の委員会では、意見書の原案が提出される見通しである。
2. 11月に寄せられた視聴者意見を議論
11月の30日間にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、多数の意見があった「バラエティー番組の企画」等について事務局から概要が報告され議論したが、さらに踏み込んだ検証が必要であるとの意見はなかった。
以上