第297回 – 2021年10月
「宮崎放火殺人事件報道に対する申立て」審理…など
議事の詳細
- 日時
- 2021年10月19日(火)午後4時~午後7時
- 場所
- 千代田放送会館7階会議室
- 議題
- 1. 「宮崎放火殺人事件報道に対する申立て」審理
2. その他 - 出席者
- 曽我部委員長、鈴木委員長代行、二関委員長代行、國森委員、斉藤委員、
野村委員、丹羽委員、廣田委員、水野委員
1. 「宮崎放火殺人事件報道に対する申立て」審理
NHK宮崎放送局は、2020年11月20日午後6時10分からの『イブニング宮崎』(宮崎県内で放送)の中で、同年3月26日に宮崎市内で男性2人が死亡した住宅火災の続報を放送した。そこでは、この火災は放火殺人事件の疑いが濃くなり、容疑者がガソリンをまいて火をつけ被害者(申立人の兄)を殺害し自分も死亡した可能性があり、その原因として「何らかの金銭的なトラブル」が死亡した2人の間にあったかのように伝えられた。
この放送に対して申立人(被害者の弟)が、「2人の間に何らかの金銭的なトラブルがあった」と報じられたことで、「兄にも原因の一端があったのではないか」との印象を抱かせるものであり、事件被害者である兄の尊厳を傷つけたとして、NHKに対して謝罪を求めてBPO放送人権委員会に申立てを行った。
これに対してNHKは、「事件当事者の2人が亡くなっている中でも、当時の取材で知り得た情報を基に『被害者』と『加害者』を明確に分ける形で客観的な事実を伝えており、申立人の主張する指摘は当たらない」と反論した。
今回の委員会では、前回委員会での申立人・被申立人双方からのヒアリングやその後の審理を受けて、起草委員から決定文案が示された。委員の間で議論が行われたが、特に「金銭的なトラブル」という表現の評価について、各委員から意見が出された。その結果、委員会は、決定文の原案に修正を加えるとともに、決定内容について次回委員会でさらに議論することとした。
2. その他
事務局から現時点での申立て状況などを報告した。
以上