第163回–2021年9月
日本テレビ『スッキリ』アイヌ民族差別発言に関する意見の通知・公表について報告
第163回放送倫理検証委員会は9月10日にオンライン会議形式で開催された。
今回の委員会より大村恵実委員が加わり、また委員会の冒頭、小町谷委員長が委員長代行に高田昌幸委員を指名した。
委員会が7月21日に行った日本テレビの情報番組『スッキリ』アイヌ民族差別発言に関する意見の通知・公表について、出席した委員長と担当委員から当日の様子が報告された。
議事の詳細
- 日時
- 2021年9月10日(金)午後5時~午後6時15分
- 場所
- オンライン
- 議題
- 1. 日本テレビ『スッキリ』アイヌ民族差別発言に関する意見の通知・公表について報告
- 出席者
-
小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、大石委員、
大村委員、長嶋委員、西土委員、巻委員、米倉委員
1. 日本テレビ『スッキリ』アイヌ民族差別発言に関する意見の通知・公表について報告
日本テレビは3月12日に放送した情報番組『スッキリ』のコーナー『週末オススメHuluッス』で、アイヌ民族の女性を描いたドキュメンタリー作品を紹介した際、出演したタレントが「この作品とかけまして、動物を見つけた時ととく。その心は、あ、犬」という謎かけのコメントをした。
委員会は、本件放送はアイヌ民族に対する明らかな差別表現を含んだもので、オンエアに至った背景には、収録動画の最終チェック体制が極めて甘く、アイヌ民族やその差別問題に関する基本的知識がスタッフ間で決定的に不足していた点があったことを指摘し、日本民間放送連盟の「放送基準」の「(5)人種・性別・職業・境遇・信条などによって取り扱いを差別しない」「(10)人種・民族・国民に関することを取り扱う時は、その感情を尊重しなければならない」などに反しているとして、放送倫理違反があったと判断した。
当該局に対する通知および公表の記者会見は、7月21日、新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言下であることからオンライン会議システムを使用して行った。
この日の委員会では、通知・公表に関する当該局の報道と、その後当該番組内で放送された検証コーナー、ならびに当該局の検証番組を視聴したうえで、委員長と担当委員が通知・公表の詳細について報告した。
通知と公表の概要は、こちら。
以上