放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第294回

第294回 – 2021年7月

「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」に対するフジテレビの対応と取り組みを了承…など

議事の詳細

日時
2021年7月20日(火)午後4時~午後5時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」第1会議室(オンライン開催)
議題
出席者
曽我部委員長、鈴木委員長代行、二関委員長代行、國森委員、斉藤委員、
丹羽委員、野村委員、廣田委員、水野委員

1. 「宮崎放火殺人事件報道に対する申立て」審理

NHK宮崎放送局は、2020年11月20日午後6時10分からの『イブニング宮崎』(宮崎県内で放送)の中で、同年3月26日に宮崎市内で男性2人が死亡した民家火災の続報を放送した。そこでは、この火災は放火殺人事件の疑いが濃くなり、容疑者がガソリンをまいて火をつけ被害者(申立人の兄)を殺害し自分も死亡した可能性があり、その原因として「何らかの金銭トラブル」が死亡した2人の間にあったかのように伝えられた。
この放送に対して申立人(被害者の弟)が、「2人の間に何らかの金銭トラブルがあった」と報じられたことで、「兄にも原因の一端があったのではないか」との印象を抱かせるものであり、事件被害者である兄の尊厳を傷つけたとして、NHKに対して謝罪を求めてBPO放送人権委員会に申立てを行った。
これに対してNHKは、「事件当事者の2人が亡くなっている中でも、当時の取材で知り得た情報を基に『被害者』と『加害者』を明確に分ける形で客観的な事実を伝えており、申立人の主張する指摘は当たらない」と反論した。
今回の委員会では、双方から提出された書面がすべては整わず、現時点での意見交換を行った。

2. 「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」フジテレビの対応と取り組み

今年3月30日に通知公表を行った委員会決定第76号「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」について、当該放送局のフジテレビから「対応と取り組み」をまとめた報告書を受領し、委員会での検討の結果、了承した。委員からは、「特に出演者や制作スタッフを守るための専門家の導入を期待したい」との意見があった。
フジテレビの対応報告は、こちら(PDFファイル)。

以上