放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第160回

第160回–2021年5月

日本テレビの情報番組『スッキリ』を審議

第160回放送倫理検証委員会は5月14日にオンラインで開催された。
委員会が1月18日に通知・公表したフジテレビの『超逆境クイズバトル!!99人の壁』解答権のないエキストラ補充に関する意見について、当該放送局から委員会に対し、具体的な改善策を含めた取り組み状況など対応報告が書面で提出され、その内容を検討した結果、当該対応を了承して公表することにした。
アイヌ民族に対する差別的表現を放送した日本テレビの情報番組『スッキリ』について、前回委員会で、差別的な表現は放送倫理違反の疑いがあり放送された経緯等について詳しく検証する必要があるとして審議入りが決まったことを受け、今回の委員会では、担当委員から当該放送局の関係者に対して行ったヒアリングの途中経過が報告された。

議事の詳細

日時
2021年5月14日(金)午後5時00分~午後6時45分
場所
放送倫理・番組向上機構[BPO]第1会議室(千代田放送会館7階)およびオンライン
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、升味委員長代行、井桁委員、大石委員、高田委員、長嶋委員、西土委員、巻委員、米倉委員

1. フジテレビ『超逆境クイズバトル!!99人の壁』解答権のないエキストラ補充に関する意見への対応報告を了承

委員会が1月18日に通知・公表した、フジテレビの『超逆境クイズバトル!!99人の壁』解答権のないエキストラ補充に関する意見(委員会決定第39号)への対応報告が、当該放送局から委員会に書面で提出された。 また、担当委員から、4月に当該放送局がオンライン形式で実施した研修会での委員との意見交換の様子などが報告された。委員会は、当該放送局の今後の改善状況を見守り、当該報告を了承して公表することにした。

2. アイヌ民族に対する差別的表現を放送した日本テレビの情報番組『スッキリ』について審議

日本テレビは3月12日、情報番組『スッキリ』のコーナー『週末オススメHuluッス』で、アイヌ民族の女性を描いたドキュメンタリー作品を紹介した後、コーナーに出演したタレントが「この作品とかけまして動物を見つけた時ととく。その心は。あ、犬」という謎かけのコメントをした。放送後、視聴者からアイヌ民族を犬とかけるのは不適切だという批判が相次ぎ、日本テレビは、同日夕方のニュース番組『news every.』で謝罪するとともに局および番組ホームページにお詫びを掲載した。また、翌週月曜日15日には、番組冒頭で「制作に関わった者に、この表現が差別に当たるという認識が不足していて、番組として放送に際しての確認が不十分でした」と説明し、全面的に謝罪した。
前回の委員会で、当該放送局から提出された報告書と番組DVDを踏まえて協議した結果、差別的な表現は放送倫理違反の疑いがあり、適切な編集が行われずに放送された経緯等について詳しく検証する必要があるとして審議入りが決まった。今回の委員会では、担当委員から当該放送局の関係者に対するヒアリングの途中経過の報告を受けて議論をした上、次回委員会において提案される予定の意見書案を踏まえてさらに検討することとした。

以上