第233回-2021年4月
視聴者からの意見について…など
2021年4月27日、第233回青少年委員会をオンラインで開催し、7人の委員全員が出席しました。
深夜のアニメ番組で20代サラリーマンが家出した女子高生に声をかけ、自宅に連れ帰り保護する内容に対して、「売春を肯定しているのではないか?」「未成年者略取という犯罪を助長しているのでは?」「あたかも良識のある大人として描かれていることが問題」などの意見や、報道番組で韓国人元BC級戦犯の方のご遺体の顔のアップを映したことなどについて、「子どもへの影響を配慮してほしい」などの意見、芸人自らが考えたドッキリ企画で面白さを競う番組で、「いじめ・虐待の助長」「子どもがマネをする危険行為」「低俗、モラルに反する」などの意見が寄せられました。
委員会ではこれらの視聴者意見について議論しました。
4月の中高生モニターのリポートのテーマは「これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について」でした。モニター35人全員から熱意を感じられる報告がありました。
モニターからは、人気俳優W主演の警視庁機動捜査隊の活躍を描いたドラマについて、「毎回見終わる度に、来週もこの時間にこの番組を見るためにまた一週間頑張ろう!と思わせてくれます。(中略)今の時代に民放で堂々と社会問題を扱うこと自体に意義があると思うし、ドラマを見たあらゆる世代の人々が今の自分、今の社会と向き合うきっかけになる、そんな素敵なドラマでした!」などの報告や、古代遺跡を舞台にした宝探しクイズ・ゲームバラエティー番組について、「私はこの番組を5才、6才くらいのときに見ていました。約10年前に最終回を迎えた番組ですが、今も強く印象に残っています。初めて見たときは、少し怖かった記憶があります。ですが、大いに魅了されました。」、9年前に終了したバラエティー番組について、「生きていく上で何の役にも立たない無駄な知識、しかし人に教えたくなってしまうようなトリビアを、(中略)紹介し、品評していくという番組。今でも心の中にしっかりと記憶されています。」といったように、たとえ古い番組でもいつまでも印象に残っているという内容のリポートも寄せられました。
委員会ではこれらの意見について議論しました。
次回は、5月25日に定例委員会を開催します。
議事の詳細
- 日時
- 2021年4月27日(火)午後4時30分~午後6時30分
- 場所
- オンラインで開催
- 議題
- 視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について - 出席者
- 榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、佐々木輝美委員、沢井佳子委員、髙橋聡美委員、中橋雄委員、吉永みち子委員
視聴者からの意見について
まず、3月後半から4月前半に寄せられた視聴者意見について議論しました。
芸人自らが考えたドッキリ企画で面白さを競う番組は「いじめ・虐待の助長」「子どもがマネをする危険行為」「低俗、モラルに反する」との意見が寄せられました。
委員からは「局サイドとしては芸能人が考えたという設定なので、何がしか責任意識が希薄になっているのではないか?」との意見がありました。中高生モニターでも「出演者をいたぶる暴力シーンに不快感…」という意見もあり、青少年委員会として“痛みを伴うことを笑うバラエティーについて”積極的に何か働きかけることも考えたいという意見がありました。
深夜のアニメ番組で20代サラリーマンが家出した女子高生に声をかけ自宅に連れ帰り保護するが、女子高生は見返りに性行為を持ち掛ける…という内容に、「売春を肯定しているのではないか?」「未成年者略取という犯罪を助長しているのでは?」「あたかも良識のある大人として描かれていることが問題」との意見が寄せられました。
委員からは「それなりに配慮されたつくり。この段階で問題にするのはちょっと難しい」との見解で、今後の展開に注目することとなりました。
報道番組で韓国人元BC級戦犯のご遺体の顔のアップをモザイクかけずに放送した件、ニュース番組でミャンマー軍が一般市民に発砲している映像やアメリカでアジア系の高齢女性が暴行を受ける映像の件など、子どもへの影響を配慮してほしいとの意見が寄せられました。
委員からは、「ドキュメンタリーや報道で戦争を描くと、必ず問題になる部分。ここにあまりにもモザイクをかけると本当の実態や悲惨な状況が伝わらない」「子どもたちがそれを見てどう受け取るかの“力“に期待したい」「ご遺体への尊厳を保つ配慮と見た人のショック…このバランスが難しい」との意見が出されました。
東北3局制作の東日本大震災特番について、「きちんと取材されたいい番組で、子どもに見せたかったが放送枠が深夜だった。ぜひ昼間に再放送してほしい。」という意見が寄せられました。
逆に、「東京キー局の大人向け番組が、日曜の昼間に放送されている。地元局に要望を出したが状況は変わらない。」という意見が寄せられました。
最後に、先月の青少年委員会議事録概要HPで紹介された中高生モニターの意見について、「『テレビ離れの要因のひとつとして、バラエティー番組などで他人を下げる、バカにする発言が挙げられる』という(中高生モニターの)意見がすばらしい、大変に感心した」との視聴者意見が紹介されました。
中高生モニター報告について
2021年度は、全国35人の中高生にモニターを依頼しました。
新しいモニターの初めての報告となる4月のテーマは「これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について」で、これまでと同様、「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けたところ、モニター全員から報告がありました。
4月のテーマでは、34人がテレビ番組について、1人がラジオ番組について記述していました。2人が、昨年放送された『金曜ドラマ「MIU404」』(TBSテレビ)について、その他のモニターはそれぞれ別の番組について感想を寄せており、全部で35番組が取り上げられました。
テレビ番組のジャンル別では、ドラマに11人から(内訳はNHKが1、TBSテレビが5、日本テレビが1、テレビ朝日が2、フジテレビが1、テレビ東京が1)、バラエティー番組に10人から(NHKが1、TBSテレビが3、日本テレビが2、フジテレビが3、テレビ東京が1)、ニュース・報道・情報番組に8人から(NHKが3、TBSテレビが1、日本テレビが2、テレビ朝日が1、放送局不明が1)、ドキュメンタリー番組に2人から(NHKが2)、アニメに2人から(NHKが1、テレビ朝日が1)、教育番組に1人から(NHKが1)報告がありました。
「自由記述」の内容は、大きく分けると、「番組の感想」「放送局への要望」「CMについての意見」「その他」でした。「放送局への要望」では、「もっと10代向けの番組を作ってほしい」「正しく偏りのない情報を提供してほしい」などの意見が寄せられ、「番組の感想」では、バラエティー番組について、「肉体的・精神的に負担を強いるような仕掛けで、制作者や出演者が面白がっているのが不快だと感じる」という苦情が複数ありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、全部で8番組への感想が寄せられました。中でも、『太田光のつぶやき英語』(NHK Eテレ)を9人が、『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)を5人が、『歴史探偵「関ヶ原の戦い」』(NHK総合)と『相葉マナブ』(テレビ朝日)をそれぞれ4人が、『映像の世紀プレミアム 第19集「東京 破壊と創造の150年」』(NHK-BSプレミアム)を2人が取り上げています。
◆委員の感想◆
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【これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について】
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ドラマが印象に残っているというモニターが最も多く、中には、「ドラマを見て、自分の生き方について考えさせられた」という感想があった。放送局には、今後も、中高生が楽しむと同時にポジティブに受け止められるドラマを作り続けてほしい。
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視聴した番組が子どもたちに生きる意味や夢を与える、それくらい強い意味を持つことがあると分かった。番組の力、放送の力はやはりすごいと思った。
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10年くらい前に見ていた番組が一番印象に残っているという報告が複数あった。それだけの長期間にわたって印象に残り続けるということは、なかなか興味深い。彼らが書いていたのは、家族で楽しめる内容だったということや演出が面白くてエンターテイメントの要素が多かったということだ。今後の番組制作について考えるときに以前放送されていた番組を参考にしていく、ということも大事なのではないか。
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「まん防」のような略語を多用することへの疑問が挙げられていた。「むやみに多用するのは控えたほうがいい」という意見だった。確かに、略語や英語をそのまま片仮名にしたような言葉が最近多く使われて分かりにくいという印象を持っている。放送局には、略語の使い方を考えてほしいと思う。
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『魔進戦隊キラメイジャー』(テレビ朝日/2021年)の副題で、「ありのままでいたい」という回があったという。そこで描かれていた内容が印象的だったというモニターがいた。今、子どもたちの自殺が増えており、子どもたちの多様な考え方や多様性が否定されがちな社会になっているのだと日々感じている。この「ありのまま」という言葉は、若い世代にとってはキーワードなのだろうと思った。
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【自由記述について】
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バラエティー番組において、主に芸人同士のいじめ、いじりというのかもしれないが、言葉だけではなく身体的に痛めつけるようなことを行って、本当に苦しそうな様子をスタジオで笑っている。そのことが、子どもたちの世界観に悪影響を及ぼすのではないかと青少年委員会の年次報告会でも述べたが、今回のリポートでも、モニターが不快だと感想を寄せていた。このような番組は、出演者が自分たちの身内でパワハラ的なことをして楽しんでいるようにも見える。結局、誰があれを見て楽しいと思っているのか、ということをテレビ局にはしっかりと考えてほしい。
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昨今のニュースの中での解説の仕方に対する苦言があった。「若者がかくかくしかじか」とか「高齢者がこうである」とかいうように、年齢で十把一からげにするのはおかしい、というもの。ニュースにおける過度な一般化をいさめるようなことを記述していて、興味深いと思った。
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テレビの緊急速報についての記述で、「毎日、大阪や東京のコロナの感染者数が出てくるのが不快で、本当に地震や災害が来たときに関心が薄れてしまわないか心配」というものがあった。これはまさしくそうだと思う。「オオカミ少年効果」と言うが、いつも火災報知器が鳴っていると、また誤作動かと思ってしまうということが起こる。放送局には、「本当に緊急速報にすべきなのか」をしっかり考えて速報を出していただきたい。
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「友だちとの話題などでテレビ番組についての話が出る機会が少なく、暇つぶしにチャンネルを変えては、見たい番組がなくて消すという状況が常態化しつつある」という記述があり、テレビの危機だと感じた。しかし一方で、このモニターは「自分に合った番組について知るすべがほしい」と書いていて、何かヒントになりそうだと思った。
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今の日本のテレビへの苦言を呈したモニターがいた。今の子どもたちは、海外の番組を手軽に視聴できる。視聴した海外の番組と比較しながら日本の番組を見ている。そのようにして批評眼を養っている若い視聴者がいることを念頭に置いて番組制作をすることが大切だろうと考えている。
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自己紹介で、「YouTubeを見ることが好きだ」と書いたモニターがいた。デジタルネイティブの時代になっていると感じている。YouTubeを見ている子どもたちが、テレビ番組をどう見るのか。そういう視点で書かれるモニターリポートを今後期待したいと思う。
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「視聴者のリクエストに応える番組枠があったら面白いんじゃないか」という提案があった。確かに、若い人たちが番組の企画をするようなメディアがあったら面白いと思った。
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CMについて触れているモニターが複数いた。どれもCMによって番組に水を差されてしまうというような、CMに対してネガティブな内容だった。放送局には、今後の対策を考えてほしい。
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- 【青少年へのおすすめ番組】
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『太田光のつぶやき英語』(NHK Eテレ)を多くのモニターが視聴していた。実は、自分自身も見ているが、Twitterの英語を分析していて面白い。見ていて飽きないし、何より番組の長さが25分とちょうどいい。このような比較的短い番組が中高生には好まれるのではないかと感じた。
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◆モニターからの報告◆
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【これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について】
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『金曜ドラマ「MIU404」』(TBSテレビ/2020年)私は大のテレビっ子であり、大好きな番組をリアルタイムで視聴しているときが何よりも幸せを感じる時間です。中でも、『MIU404』は、毎話見終わるたびに、「来週もこの時間にこれを見るためにまた1週間頑張ろう!」と思わせてくれる、そんなドラマでした。一見普通の刑事ドラマのように思えるし、綾野剛さん演じる伊吹と、星野源さん演じる志摩が事件を追う緊迫したシーンは、ハラハラしてとても見応えがありました。けれど、それだけでなく、『MIU404』は、今世界が抱えている社会問題を題材にしていて、今の時代に民放ドラマで、堂々と社会問題を扱うこと自体に意義があると思うし、ドラマを見たあらゆる世代の人々が、今の自分、今の社会と向き合うきっかけになる、そんな素敵なドラマでした!(埼玉・高校2年・女子)
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『体感再び 首都直下地震』(NHK総合/2021年)この番組は、実際の東京とは別の架空の東京=“パラレル東京”で「M7.3の首都直下地震が発生したら」という設定で、VFXがふんだんに駆使され描かれたドラマです。このドラマの優れているところは、単に被害に遭った人々のことを伝えているだけでなく、実際に被災から免れてやっと避難できた人々の、リアルな避難生活までも描いているところです。地震による犠牲ばかりでなく、それに随伴して起こる現象に、究極な状況にいる(であろう)我々は、どれだけの対応をなし得るのだろうか、という新たな課題も浮かび上がらせてくれた演出でした。コロナ禍の現在においても強く感じていることなのですが、報道がどれだけ真実を的確に伝えているのだろうかという疑問がいつもあります。ドラマの中でも、被害状況を詳細に伝えようとする報道局に対して、政治側がその被害よりも、政府が施策していることのほうを報道せよ、と迫ります。国民が本当に知りたいことは、一部の有力階層によってねじ伏せられ、国民の命でさえも、権力に隠れてしまっていた現状に、「実はこのコロナ禍の今も似たようなことが起こってはいないか」とつい勘繰ってしまいました。(長崎・高校3年・男子)
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『よるドラ ここは今から倫理です。』(NHK総合/2021年)高校生に焦点を当てたドラマで共感できるところが多々ありました。日々の生活の中では他人との交流が不可欠ですが、その中で感じる不安や悩みなどが表現されていました。特に印象に残っているのは、先生が口にする哲学の偉人の言葉です。それは、少し前の私であればきれい事で説教臭いと感じてしまっていたような言葉でした。しかし、ドラマを通したからか、心にすっと入り込んできて、一つ一つについて改めて考えさせられました。「何が正義か?」「自由とは?」「愛とは?」 多くの人たちが論じ、答えを探し続けているこうしたテーマは、思っていたよりももっと身近にあることを知りました。そして、決められた“正解”がない問いこそ、考え続けることが重要だと感じました。欲を言うならば、倫理教師にもう少しフォーカスしてほしかったです。すごくミステリアスで、先生の過去がとても気になりました。(東京・高校1年・女子)
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『よみがえる新日本紀行』(NHK-BSプレミアム/2021年)昭和の風景を知らない僕からすると非常に斬新な番組だった。前半と後半に分かれていて、前半では昭和40年代の映像が、後半ではその土地の今を紹介する映像が流れる。前半ではご当地のお祭りや工芸、産業が紹介される。そのときに、「この地区で代々○○を営んできた○○さんです」とナレーションが入り、「人」も紹介される。自分の知らない時代のインタビューを見ることで、その人の産業への思いなどを知ることができて非常に興味深い。後半では、前半で紹介された人の子孫や本人が登場するからびっくりだ。『新日本紀行』放送当時の風景や産業の様子だけでなく、人も現代にかけてどう変わったかが分かるのも面白い。(静岡・中学3年・男子)
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『NEWS23』(TBSテレビ/2021年)連日、猛威を振るう新型コロナの話題で番組がスタート。画面右側のテロップには『「まん防」全国初の適用へ』との文字。「まん防」とは「まん延防止等重点措置」の略称らしいが、ほとんどの視聴者が初めて耳にした言葉だと思う。それゆえに、「まん防」と言われて、何のことかよく分からない人がたくさんいると思うので、むやみに多用するのは控えたほうが良いと感じた。その一方で、用語(「まん防」)の解説を別途していたのは良かった。また、図やグラフも誤解することがないようなシンプルかつ、色づかいが良く、見やすくて分かりやすかった。(山形・高校3年・男子)
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『金曜ドラマ「俺の家の話」』(TBSテレビ/2021年)家族や周りの人を巻き込んでさまざまなことをしたり、誰かのために動いたりすることができる(主人公の)寿一のようになりたい。(京都・中学3年・女子)
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『アイ・アム・冒険少年』(TBSテレビ/2021年3月)最近の子どもは家でゲームなどをしていて、あまり外へ出て自然と触れ合っていないように感じる中で、番組を通して、自然の素晴らしさやありがたさを教えているところが良いと思いました。できれば、火おこしや水のろ過などを、ライターなど現代のものを使わず、身の回りにある物で簡単にできる方法などをもっと多く知りたいです。(岩手・中学1年・男子)
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『火曜ドラマ「恋はつづくよどこまでも」』(TBSテレビ/2020年)毎週毎週ドラマに入り込み過ぎてしまうほどだった。ドラマ後、余韻に浸り過ぎて寝られなくて困るほど。夢のようなツンデレな恋は定番。それでも、ここまでの社会現象となるドラマになったのはすごいと思う。私はその定番な恋を、毎週疑似体験させてもらっていたような感じがする。(埼玉・中学2年・女子)
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『マツコの知らない世界』(TBSテレビ/2020年)今回は、女子に人気なアフタヌーンティーをゲストが熱弁しました。ホテルや豪華な内装、高価なカップで楽しむお店を紹介し、執事のおもてなしをマツコ・デラックスさんが体験しました。さらに、無限大であるソーセージをゲストが熱弁しました。この番組は、そのジャンルにハマっているゲストが熱弁します。それが、新しい発見につながったり、知ることができたりするところが面白いです。私も学校での探求の授業で自分の将来について調べて発表しました。調べるうちに自分が知らなかったことと出会い、新たな知識を増やすことができ、自分の将来についてより深く考えることができました。そのため、この番組を見て、自分の興味のあることについて追及することの大切さを改めて感じました。(静岡・高校2年・女子)
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『有吉の壁』(日本テレビ/2021年)私は、お笑いを見ると自然と笑顔になれるので、さまざまな放送局で放送されるお笑い番組をよくチェックして見ている。その中でも、この番組が最近のお笑い番組の中で特に印象に残っている。よく放送されるお笑い番組との違いは、まず、各回ごとに新しいネタが見られるところにあると思う。最近のゴールデンのお笑い番組を見ていると、「あ!このネタ見たことある!」ということが多かったが、『有吉の壁』は各回お題があり、それに沿った芸を見られるため、毎回毎回新しくて見飽きることが全然なく、驚いている。(埼玉・高校1年・女子)
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『24時間テレビ「愛は地球を救う」』(日本テレビ/2020年)特に印象に残ったのはアナウンサーになりたい少年だ。「骨形成不全症」という病気で、生まれつき骨がもろく、彼の場合は、くしゃみやおむつを替えるときでさえ骨折に気をつけなくてはいけなかったそうだ。生まれてから20回以上も骨折やひびが入ったそうで、普通ならネガティブになってしまいそうだが、番組内では一切そういったそぶりは見せなかった。私はそんな彼がすごいと思った。何故なら、ネガティブに考えずに、できることに目を向けて、アナウンサーという夢を持ち、努力をしているからだ。私も彼のような考え方ができるようになりたいと思った。(番組への要望は)生放送で大変だが、タイムテーブルが細かく見られればいいと思った。(東京・中学1年・女子)
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『スッキリ!!特別版』(日本テレビ/2015年)ミュージカル「アニー」のオーディション映像を見て、自分も夢に向かい、どんなことでも頑張りたいと思った。同世代の子が、自分とは比べものにならないくらい努力しているのを見て、2016年のアニーのオーディションから自分もオーディションを受けることにした。朝は4時に起き、歌のレッスンに行き、夜は10時までミュージカルレッスンと忙しい日々を送っている。ときには「やめたい」と思うこともあるが、2015年のアニーのオーディション映像を見ると、「もっと頑張ろう」と思える。自分に生きる意味や夢を与えてくれたこの番組には、今でも本当に感謝している。(千葉・中学3年・女子)
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『宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE!』(日本テレビ/2012年)私はこの番組を5才、6才くらいのときに見ていました。約10年前に最終回を迎えた番組ですが、今も強く印象に残っています。初めて見たときは、少し怖かった記憶があります。ですが、大いに魅了されました。一番印象に残っているステージは「崖の間」です。ほとんどの放送回で最終ステージだったので記憶にあるのかもしれません。崖の間は、最初は平面なのですが、クイズが出るたびにブロックが出てきて、やがて崖になり、落ちてしまうと失格というルールです。冷静に考えれば解けるひらめき問題が多かったのですが、どんどんブロックが出てくる焦りから落ちてしまう人も多かったです。家族で楽しめる内容のクイズが多くあったので、平日のゴールデンタイムをとても楽しく過ごした記憶があります。(奈良・中学3年・女子)
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『魔進戦隊キラメイジャー』(テレビ朝日/2021年)「エピソード41 ありのままでいたい」は、現実味のあるフィクションだと感じた。「ありのままでいたい」の「ありのまま」は、変わろうとするそのときに、自分のそれまでを否定しないでいてあげる、ということでもあるように感じたからだ。この話は「ありのまま」を大事にしながらも「ありのまま」を強要はしない。そんなところが印象的だった。(東京・高校3年・女子)
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『コード・ブルー』(フジテレビ/2017年)私は、日ごろの生活の中で、自分の中だけで抱えて失敗してしまったり、1回ダメだったら「もういいや」と途中で諦めてしまったりすることがたくさんありました。しかし、テレビの中の4人の登場人物は、自分が1人ではダメだと思ったら仲間と協力したり、何をしても助からない患者さんにも、亡くなる最後の最後まで助かる確率が1%でもあるならと治療して諦めなかったりと、仕事への向き合い方がすごいと思いました。だから私も、1人で抱え込まず、周りの助けを求めたり、最後まで諦めたりしないところをまねして、生活に生かしていきたいと思いました。(宮崎・中学3年・女子)
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『逃走中~誘惑の扉~』(フジテレビ/2015年)当時幼かった私にとって、「鬼ごっこ」というところに強く興味をひかれ、友だちと逃走中のまねをしてみたいと思っていました。特に、ミッションがあることに対して斬新さを覚え、逃走中に対しての憧れの気持ちがより一層強まりました。大人が賞金を目標にハンターから全力で逃げきる「大人の本気の鬼ごっこ」のインパクトが、当時の私には衝撃が大きかったです。(千葉・中学2年・女子)
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『トリビアの泉』(フジテレビ/2012年放送終了)生きていく上で何の役にも立たない無駄な知識、しかし人に教えたくなってしまうようなトリビアを、(中略)紹介し、品評していくという番組。終了した番組ですが、今でも心の中にしっかりと記憶されています。この番組を見たときに思ったことは、「とんでもないことをやっているな」ということでした。普通では思いつかない、頭に浮かんでこないようなアイデア、トリビアを1から結果を出すまで全て検証して視聴者に伝えるので、ものすごい時間とお金がかかっている。今では考えられないと思います。テレビ局の都合もあると思いますが、この番組は終わってほしくなかったと強く思います。(群馬・高校1年・男子)
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『水バラ ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦』(テレビ東京/2021年)最近はコロナウイルスでロケが難しいためか、(以前ほどには)全然放送されないので、コロナウイルスが落ち着いたら今まで以上にたくさん放送してほしいです。(東京・中学2年・男子)
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『FM長崎 オールナイト生放送』(エフエム長崎)番組名を聞いたとき、とてもインパクトが強くて聴いてみたくなりました。聴いてみると、たくさんの方への感謝のメッセージが紹介されており、毎日こんなに多くの人に支えられているのだと実感しました。自分も両親への感謝メッセージをメールで送りました。そのメールが紹介されたときはすごく胸が熱くなりました。これからもラジオならではの「生」の温度で、多くの人の心をつかんでほしいです。(長崎・中学1年・男子)
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【自由記述】
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最近の、番組のドッキリ企画で、ターゲットの人物がケガをするのではないか、と思う内容や、精神的にめいってしまうような内容があり、一視聴者として心配になった。スタジオは大爆笑だが、実際にそのようなドッキリを視聴者が本当に面白く感じるのか疑問に思う。小さい子どもが真似することも考えられるので、もっと人の夢を叶えるなど、幸せになれる笑顔になれるドッキリを考えてほしい。(京都・高校1年・女子)
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ゴールデンのバラエティー番組で、ドッキリをよく目にします。人権を無視したようなひどいもの、受ける側の身体的・精神的負担が大きそうだと思ってしまうようなものなど、視聴していて不快感しかありません。また、テレビを作る側の大人がドッキリを面白がってやっていることで、「友だちに(同じようなことを)しても良いはずだ」と思ってしまう子どもが増えてしまうのではないか、ということが懸念されます。不特定多数の人に向かって発信するものは、視聴していて不快感の少ないものを放送すべきですし、日本のバラエティー番組は新しい時代に合わせ、変わるべきだと思います。(静岡・高校3年・女子)
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正直バラエティーは似たり寄ったりで人を、だますドッキリはあまり見たくないので、テレビを見る気がしません。ドラマやドキュメンタリーは大好きなのでよく見ていますが、最近のドラマは典型的で、少し見ていられないなと思ってしまう主人公の行動が多いです。本当に面白いものは1期に1つか2つくらいです。ドキュメンタリーも社会というより個人の話が多くて、感動物語として取り上げられているものはあまり面白く感じません。それに比べて、海外のドラマは巧妙で面白いし、やはりお金がかかっているだけあって安心して見ていられます。ドキュメンタリーもシンプルで分かりやすいです。ティーン向けのドラマがあるのも海外ならではだと思いました。日本にも少しはありますが、漫画原作のものばかりで原作のクオリティーが保てていないし、啓発に重きを置き過ぎて重たいものもあります。もっと笑えて身近な場所の話があったほうが10代を取り入れられるのに、と思います。(東京・高校2年・女子)
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毎日、テレビを見ていて、ニュース番組によって伝えている情報が違うことが多くあり、どこのどの情報を信じれば良いのか分からない。フェイクニュースを見極める力をつけたい。(神奈川・中学2年・男子)
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最近は、コロナ禍で世界中が深刻な状況に陥りつつあるが、日本のニュース番組を見ているとあまりにも小規模な問題ばかり取り上げていて、テレビで取り上げられるニュースだけでは世界の事象をしっかりとチェックできる気がしない。(埼玉・高校1年・女子)
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ここ1年のニュースはやはりコロナが多くを占めている。そのニュースの中では、“若者が”“高齢者が”と分けられて話題にされている。しかし、いずれも話題になるような行動をしているのはごく一部の人間であり、それをあたかもその年齢層全体のこととしているのは間違いが過ぎるのではないかと考える。(神奈川・高校2年・男子)
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情報番組やワイドショーで、「若者の間で今流行している〇〇」といった特集を多く見かけます。それ自体を紹介するのはいいのですが、あたかも若者全員が知っているかの前提で紹介されると少し不快です。若者でも流行ものを知らない人はたくさんいると思うので、そういった過剰な紹介の仕方や演出を控えていただきたいです。(奈良・高校2年・女子)
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テレビを見ていると、緊急速報が出てくるのですが、毎日、大阪や東京のコロナ感染者数が出るのが不快でした。本当に地震や災害が起こったときに、関心が薄れてしまわないか少し心配です。(福岡・高校3年・女子)
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友だちとの話題などでテレビ番組についての話が出る機会が少なく、暇つぶしにテレビをつけては見たい番組がなくて消す、という状況が常態化しつつある。自分に合った番組について知るすべがほしいと感じることがしばしばある。(東京・高校1年・男子)
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視聴者のリクエストに応える番組枠があったら面白いんじゃないかと思いました。「この人とあの人がMCをする音楽番組が見たい!」や「あのドラマのあの話を再放送してほしい!」などのリクエストを受け、単発で毎週違う番組を放送してほしいです。(神奈川・高校2年・女子)
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クイズ番組などを見ていて思うのですが、CMが多いと感じました。CMがあることで番組が成り立っているのは知っています。同じCMを同じ番組で何度も放送すると飽きてしまうので、CMの量はそのままにしてたくさんの種類のCMを放送すると良いと思いました。(大分・中学2年・女子)
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ドラマなどを見ていて、とてもいいところでCMが入ったりして、しかもそれが長かったりして、早く見たいと思ってイライラしてしまうので、タイミングよくCMを入れてほしいと思います。(宮崎・中学3年・女子)
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最近、テレビでBLドラマやBL作品を取り上げる番組などを見かけることが増えた気がする。昨年は『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』という同名漫画が原作のドラマが流行し、その人気は国内に留まらずタイやフィリピン、ベトナム、台湾などに広がっている。しかし、日本国内ではいまだにLGBTQへの正しい理解というものは得られていないように感じる。理解が足りていないがゆえに、それらを扱った作品が問題になってしまったと見聞きしたことがある。とはいえ、BL作品とLGBTQをつなげていいのか、なども含めて私も完璧に理解しているわけではない。だから、すぐにでも学んでいかなければならないと思う。自分に関係のない話だ、と知らずにいることは、自分の持つ幅を狭めるのと同じことだと感じている。(東京・高校3年・女子)
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【青少年へのおすすめ番組】
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『太田光のつぶやき英語』(NHK Eテレ)TwitterなどSNSで世界の人々と意見やでき事を交換・発信し、共有し合うことで、いろいろな視点からコロナ時代を乗り切ろうとする人々の心意気が感じられた。また、解説があって理解しやすかった。(富山・中学3年・女子)
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『太田光のつぶやき英語』(NHK Eテレ)ニュースや事件を楽しく、分かりやすく説明していると思いました。時間が遅いので、もっと早い時間に放送してほしいと思いました。(東京・高校1年・男子)
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『太田光のつぶやき英語』(NHK Eテレ)国際的なニュースと英語を一緒に学ぶことができて、一石二鳥だと思いました。私は英語が苦手ですが、時事には興味があるので、ニュースを通して聞くと英語を楽しく感じることができました。(神奈川・高校2年・女子)
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『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)家族そろって見ました。食事の時間とも重なり、家族で楽しくクイズの答えを考えました。(長崎・中学2年・男子)
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『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)家族みんなで見られる番組だと思う。クイズが家族の会話のきっかけになるし、タカトシさん、くりぃむしちゅーさんが番組を面白くしているので見やすい。クイズ番組が増えている今、クイズ作家さんはとても大変だろう。(愛知・高校2年・男子)
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『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)さまざまな種類のクイズのナゾトキ。言葉や写真などから問題を作っており、その問題自体も身近で、問題形式もさまざまなものがあり、非常に面白かった。また、クイズ番組といってもひらめきで解くことのできるレベルの問題であり、比較的簡単でそこも面白かった。(神奈川・高校2年・男子)
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『歴史探偵「関ヶ原の戦い」』(NHK総合)今まで解き明かすことのできなかった歴史の謎を最新の科学技術を使って解明する、というところに魅力を感じました。これから、ほかにも新しい発見があれば、歴史が少しずつ変わっていくのかなと思いました。(奈良・高校2年・女子)
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『歴史探偵「関ヶ原の戦い」』(NHK総合)最新の技術を駆使して、歴史をひも解いていく演出がとても良かったと思いました。ただ、歴史がわかっている前提で話が進んでいくので、初めて見た人には少しわかりづらいかなと思いました。(福岡・高校3年・女子)
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『相葉マナブ』(テレビ朝日)今回の放送から、この番組は30分から1時間に枠がのびるということで、金曜日のバラエティーなどで番宣を兼ねた合同企画などが放送されていて、私自身もこの番組について放送前からよく知っておくことができた。一定の効果があり良い方法だと思う。番組では、旬のタケノコを取り上げていて、時期に合わせた内容も興味をそそり、工夫がされていて良いと思った。(京都・高校1年・女子)
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『相葉マナブ』(テレビ朝日)視聴者から提案された釜飯を作り、どれが一番おいしいかを決めるコーナーが面白かった。自分では思いつかない組み合わせばかりだが、身近にある食品で作れるため、見ている人も「試してみよう」と番組に参加できる気持ちになれるところが良いと思う。(東京・高校1年・女子)
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『映像の世紀プレミアム 第19集「東京 破壊と創造の150年」』(NHK-BSプレミアム)番組内でたびたび出てきた「復興」という言葉から、東日本大震災のことを考えずにはいられなかった。どれだけひどい災害に見舞われても、そこから再び立ち上がろうとする人間の力強さを感じる映像だった。今、東京含め、日本全体がコロナ禍という新たな形の災害に直面しているが、これまでもそうだったように、さまざまな人が復興のために協力すればきっと道は開けるのではないか、と先行き不透明な今の時代に希望を見出すことができる良い番組だった。(東京・高校1年・男子)
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調査研究について
- 担当の中橋委員から、調査研究(テーマ「青少年のメディア・リテラシー育成に関する放送局の取り組みについて」)に関し、進捗状況などの報告がありました。
以上