視聴者からのご意見

2021年4月に視聴者から寄せられた意見

2021年4月に視聴者から寄せられた意見

新型コロナウイルス感染防止対策の観点から番組の内容、形態、制作手法などが厳しい目で見られている。「大食い」企画に対しても依然、意見が多い。

2021年4月にメール・電話・郵便・FAXでBPOに寄せられた意見は1,348件で、先月と比較して60件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール83%、電話15%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性57%、女性23%で、世代別では40歳代26%、50歳代23%、30歳代21%、60歳以上15%、20歳11%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は延べ652件【53局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般への意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

引き続き、番組の内容、形態、制作手法などさまざまな側面が、新型コロナ感染防止対策の観点から厳しい目で見られている。また、いわゆる「大食い」企画に対して食糧問題・SDGs、コロナ、貧困、生産者感情など幅広い視点から意見が寄せられた。
ラジオに関する意見は48件、CMについては18件あった。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は74件で、前月から5件減少した。
今月は「表現・演出」15件、「犯罪の助長」が9件、「危険行為」が7件、「編成」が5件、「低俗、モラル」が4件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • コロナ報道は国民にとって極めて重要な情報だが、3密防止を言葉で呼び掛けるばかりではなく、日常行動の中での飛沫の飛散・付着のし方などの映像を幼児から高齢者まで多くの人の脳裏に焼き付けて、国民が自主的に防衛行動をとるような社会にすべきではないかと思う。対面での飛沫の飛び方、相手の顔や料理への付着、飛沫がドアノブ、水栓のレバー、エスカレーター・階段の手すり、様々な押しボタン等に付着している現実、マスクの有効性と限界、フェイスシールドやアクリル板の有効性と欠点などを視覚化して報道し、国民の意識を更に高めるための報道の仕方について考えてほしい。

  • 4都府県に緊急事態宣言が発出され、テレビは東京都の知事会見や外出自粛、休業等に関する情報を繰り返し報道しているが、日本は東京だけでできているわけではなく、国民の大半は地方に住んでいる。東京のキー局スタッフにとっては身近な話題なのだろうが、東京の話ばかりで情報番組やニュースを埋められるのは良い傾向ではない。もう少しバランスの取れた内容にしてほしい。またコロナ以外の海外の情報や話題が少なすぎる。

【番組全般・その他】

  • 情報番組のコメンテーター達が横にアクリル板を立てているのみでマスクもせず感染防止を訴えているのは、あまりに無意味に見えて不快なうえ説得力がなさすぎる。見ていて大丈夫なのかと不安にもなる。政治家の会食よりもテレビの出演者達がマスクもせずに大きな声でしゃべり続ける映像の方が感染防止の妨げになる。新規感染者数を毎日速報まで使って流すより、まず画面に出る側の人々が手本を示すべきではないか。注意喚起をしたいのであれば常にマスクを付けるとかアクリル板の枚数を増やして囲むくらいの事をしてほしい。

  • ワイドショーなどは新型コロナウイルスについて伝える際、「外に出るな」と盛んに呼びかけている。しかし次のコーナーになると飲食店やテーマパーク等の紹介をしている。あまりに矛盾している。見れば行きたくなるのが自然ではないか。今の危機的状況下でなぜ店の紹介をするのか。このようなテレビの矛盾が「外へ行きたい」視聴者の気持ちを煽っているとも言える。もう少し視聴者目線で放送をするべきだ。

  • 室内でタレント6人がトーク。企画は楽しいが、狭い部屋で6人が大きな声でしゃべりながら映像を鑑賞したりゲー厶をしたりと、今の世の中の状況にまったくそぐわない番組。体温測定器などを使っていたが、アクリル板もなければマスクもなし。向かい合ってしゃべり続けている映像は大変不快。これでは視聴者にも集まって良いと思わせてしまう。

  • 新型コロナワクチンのニュースで注射の映像がそのまま流される。流れる都度に目を背ける。注射嫌いや先端恐怖症の人も見ている。せめて次に流れる映像を強制的に見なければいけない状態を避けたい。予告の手間をかけてほしい。

  • 大食い、激辛企画がたびたび放送されているが、コロナの影響で職を失ったり収入が激減したりして食費を含め切り詰めた生活を送っている方が多い中、必要以上の食べ物を無理矢理詰め込んだり大量に残したりと、画面から受ける印象は大変不快。学校で食育を広げている中、この番組で何を得れば良いのか。実際に我が子の友人でも親が職を失い、毎日の食事にさえ苦労している方が複数いる。食べたくても食べることが出来ない人達が多い今、この大食いや激辛企画は必要なのか。今一度、社会情勢などを顧みて番組を企画していただきたいと切に願っている。

  • 逮捕された容疑者があたかも犯人であるかのように決めつけて報道するのはおかしいと思う。また、テレビが勝手に人物像を作ることにも違和感がある。公平な報道を心がけて欲しい。

  • 韓国人元BC級戦犯の方が亡くなったという特集でその方の葬式のシーンがあった。何の予告もなく遺体の映像(棺の中の顔までアップ)が放送され、大変不快に感じた。必要性は否定しないが週末の食事時という時間帯は適切なのか。また、事前にそのような映像を映すという告知が必要ではないのか。

  • 下着の窃盗未遂による逮捕のニュースで押収品の下着類が映されていた。自分が被害者だったら自分の下着がテレビ放送されるのは非常に不快である。見ていて気持ちの良いものではない。事件を取り扱うこと自体は否定しないが、下着の場合は他の盗難品よりもプライバシーへの配慮が必要だ。押収品でなければ通常は使用中・使用済みの下着は映さないように配慮するだろう。なぜ押収品ならいいのか。しかも放送されるのは窃盗という被害に遭った人のもの。実物を放送することによるメリットもあまり考えられない。押収品の下着を放送するのはやめてほしい。

  • 野球中継でありながら試合を実況せず、タレントによる雑談に終始。その顔がワイプで表示され、プレーをじっくり見入ることができなかった。SNS上にはテレビの音声を消してラジオをつけたという人の声もあった。スポーツ中継の本質は競技者やチームへのフォーカスで、両チームに対しても大変失礼な放送だった。タレントの出演、プレゼントなどの企画は創意工夫であり自由だが、テレビはスポーツに対する敬意を忘れず、その魅力を最大限に伝えてほしい。

  • 番組出演者がペットや幼児に対して「いらっしゃる」などの敬語を使っている場面を見かけることが増えている。皆に対して平等にという意識が強くなっているのかもしれないが、ペットや幼児にまで敬語を使うのは行き過ぎだ。敬語の使い方を再度考えて放送してほしい。

  • タレントのアゴを長く見せるメイクを施して、MCがいつそれに気づくかを当てるというお笑いの企画があった。生まれつきアゴが長くて悩んでいる人がたくさんいる。身体的な特徴で笑いを取るのは不愉快だ。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 夕方の報道番組で、亡くなった韓国人の元BC級戦犯が補償を求め続けた過酷な人生を紹介する内容だったが、遺体の顔のアップがモザイクも無しに映された。子どもには衝撃的な映像であり、しかも夕食時である、もっと配慮すべきだ。

【「犯罪を助長する」に関する意見】

  • 深夜のアニメ番組で、20代のサラリーマンが家出少女を警察にも両親にも連絡せず自宅に匿う設定のストーリーだった。主人公が少女の安全確保を目的と考えているらしいこの行為は、未成年略取とも見て取れ犯罪とも言える。また、女子高生が泊めてもらう代償に性行為を申し出る発言は、主人公がこれを諫めたが、売春を想起させるものであり、刺激が強い。全体として美談仕立てであり、悪質ではないか。

【「低俗、モラルに反する」との意見】

  • ある男女コンビのお笑い芸人が、「女性がシャワーを浴びていると、カーテンを開けたくなる」というコントで笑いを取っていた。これは性的嫌がらせ、性暴力であり、これを笑って見過ごすことは子どもを含めた男性に誤った認識を広めることになる。

【「編成」に関する意見】

  • 在京キー局の深夜番組が地方で日曜日のお昼に放送されている。この深夜番組は大人向けなので、一部子どもには見せられない下ネタや下品な言動が目に付く。放送する時間帯を変えるよう地元のテレビ局に要望を送ったが、一向に状況は変わらない。

【「危険行為」に関する意見】

  • ”ダジャレを実現”「ブルーをかぶ~る」と称して青い液体を芸人の顔に浴びせ続けるドッキリ企画を放送していた。芸人は息もできないほど苦しんでいるのにスタッフは浴びせ続け、周りのものは笑っていた。子どもたちが真似したら大きな問題になりかねない。人を傷つけて笑いを起こそうとするのは止めて欲しい。

  • どっきり企画で、男性芸人の下着にハッカ液をぬり悶え苦しむ姿を面白おかしく放送していたが、この上もなく不愉快な気持ちになった。子どもがマネをし、いじめに繋がる可能性もある。