第156回–2021年1月
データの一部が架空入力された世論調査結果を放送した
フジテレビのニュース番組を審議
2月にも委員会決定を通知公表へ
第156回放送倫理検証委員会は1月15日に開催された。
データの一部が架空入力された世論調査結果を基にした放送が18回にわたり行われたとして審議入りしたフジテレビのニュース番組について、担当委員から意見書の修正案が再度示された。意見交換の結果、大筋で了承が得られたため、2月にも当該放送局への通知と公表を行うことになった。
議事の詳細
- 日時
- 2021年1月15日(金)午後3時30分~午後7時
- 場所
- オンライン
- 議題
- 1. データの一部が架空入力された世論調査結果を放送したフジテレビの一連のニュース番組について審議
- 出席者
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神田委員長、岸本委員長代行、升味委員長代行、大石委員、高田委員、長嶋委員、中野委員、西土委員、巻委員、米倉委員
1. データの一部が架空入力された世論調査結果を放送したフジテレビの一連のニュース番組について審議
フジテレビは、昨年6月19日、2019年5月から2020年5月まで14回にわたり行った世論調査「FNN(フジニュースネットワーク)・産経新聞 合同世論調査」のデータの一部に架空入力があったため、調査結果と関連する合計18回の放送を取り消し、世論調査は確実な調査方法が確認できるまで休止すると発表した。
フジテレビの報告書によれば、電話調査を委託した会社の再委託先の会社の社員が、全サンプルの12.9%に当たる1886サンプルについて、実際には電話をしていないにもかかわらず、架電済のサンプルの属性と回答内容の一部を変えた架空データを作成したとしている。フジテレビは架空のデータを含む誤った世論調査結果を放送していた。
昨年8月の委員会において、誤った世論調査の結果が合計18回にわたり放送されたことや、フジテレビが架空データの作成が行われた調査会社への再委託の経緯自体を把握していなかったなどのチェック体制の不備を踏まえ、上記の合計18回の放送について放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決めた。
前回までの議論を受けて担当委員から再度示された意見書の修正案について意見交換が行われ、大筋で合意が得られたため、表現などについて一部手直しの上、2月にも当該放送局へ通知して公表することになった。
以上