2020年12月に視聴者から寄せられた意見
新型コロナウイルス感染拡大が続く中、番組制作や取材、ロケのあり方への意見が多く寄せられた。
2020年12月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,398件で、先月と比較して56件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール80%、 電話18%、 郵便1%、FAX1%。
男女別は男性57%、 女性23%で、世代別では40歳代25%、 50歳代25%、 30歳代22%、60歳以上14%、 20歳12%、 10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は延べ678件【54局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、26件を会員社に送信した。
意見概要
番組全般にわたる意見
新型コロナの感染拡大が続く中、番組制作や取材、ロケのあり方への意見が多く寄せられた。また、不倫問題を起こした芸人の記者会見を取り上げた番組に対する批判も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は74件、CMについては22件あった。
青少年に関する意見
12月中に青少年委員会に寄せられた意見は88件で、前月から7件増加した。
今月は「表現・演出」が33件、「低俗、モラル」が11件、「報道・情報」が10件、「暴力・殺人・残虐シーン」が9件と続いた。
意見抜粋
番組全般
【取材・報道のあり方】
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新型コロナの報道が一向に改善されない。「医療崩壊が始まっている」「東京の新規感染者が過去最高だ」など、毎日のように不安をあおられ憂鬱になる。このような報道をしていても感染者は減らないのに、いつまでもネガティブな報道をしている。危機感を持たせることは大切だが、それよりも、どうすれば感染を防げるのかという、正しい知識を身につけるための報道をしてほしい。放送局は本気で感染を減らすことを考えているのだろうか。不安をあおる報道をやめて、国や地方自治体と協力し、コロナを食い止めていくことが必要ではないか。
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GoToトラベルについて。感染者が増えても継続させていた時期は、政府の対応に批判的で、街角での一般の人たちのインタビューも継続に反対する人を放送していた。一方、政府が、GoToの全国的な一旦中止を決断すれば、遅すぎるといった批判的な声や、多数の観光業者の苦情的なコメントを放送している。これでは政府を批判しているだけであり、視聴者にとって悪い印象しか残らない。国民に色々な不満があるのは理解しているが、それら全てを同時に納得させる事など不可能だ。政府の対応を悪く印象付けているようにしか見えない。
【番組全般・その他】
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不倫問題を起こした人気芸人の一連の報道について。破廉恥な事件ではあるが、各局の報道姿勢は倫理に欠ける感じがした。本人は大きな社会的制裁を受け、それが家族にも及んでいる。不倫相手など事の詳細は週刊誌の情報に基づくもので、彼が全て悪いかのように不公平に扱われている。最も疑問に思ったのは、会見の囲み方とあまりにもひどい内容の質問。これは公開いじめのようで、言葉による暴力に感じた。各局が朝から晩までその会見内容を垂れ流している状況もいかがなものかと思った。
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土曜日の番組のエンディングについて。視聴者が意図を汲み取りづらい演出となっており、一連の騒動で降板した芸人を卑下するような内容であった。この放送を面白いと思うのは誰なのかということが一切分かっておらず、このコロナ禍で大変な日々を過ごす人々が迎える年末において、この番組を心底楽しみにしていた視聴者に悪い感情を残すような裏切りであった。
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テレビを制作するにあたり、大食い、爆食い、フードファイトなどの番組は必要なのか。日本では7人に1人の子どもが貧困状態にあると言われている。食べたくても食べられない子ども達がいる。また、毎年、日本のどこかで自然災害が起きている。救助が入るまでは食べ物も不自由だろう。加えて、今年はコロナ禍の影響で、失業者や日々食べることに困った人たちも多かったと思う。命を落とされた方もいただろう。こんな状況の中、こんな状況でなくとも、大食い番組は地上波放送に必要か。視聴率を上げるためになくてはならない番組か。必要ならば、地上波放送ではなく、有料放送などで制作できないものか。仕事柄、生活困窮の方と触れ合う機会が多い。大食い番組は困窮者に対して不適切な番組だと思う。
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都内のロケなのに、マスクをしていないのが気になった。一般の人はみんなマスクをしているのに、芸能人はノーマスクで一般人に近付き、話かける。ノーマスクの芸能人を恐れて後ずさりする人もいた。芸能人は特別なのか。ニュース番組では自粛と言っていながら、バラエティー番組のロケはノーマスク。矛盾していないか。
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新型コロナについて、情報番組やワイドショーでは、感染者、重症者、死亡者の数を速報で伝えている。アナウンサーやMCは恐怖をあおるだけだ。平常時ではないのに政府批判だけを繰り返していては、正しい感染予防も視聴者に伝わらない。報道機関の人たちは目を覚ましてほしい。感染状況と同時にマスクの正しい着け方、手の洗い方、避けるべき場面等を伝えなければ、視聴者は誤った感染予防方法を続け、感染は益々拡大してしまう。批判は収束後にいくらでもできる。また、バラエティー番組における出演者のマウスシールド着用も控えて欲しい。マウスシールド、フェイスシールドに感染を予防する効果はないと、複数の医師も警告している。これも、視聴者に誤った感染予防方法を伝えている事になる。
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午後の情報番組を見た。女性出演者が新型コロナの感染拡大について、「若者が感染を広げている」「若者が外出しすぎている」「青春はいつでもできる」などと言っていた。これには大変傷ついた。私は現在大学生で、自分がかからないように、家族や周りの人に感染させないように、今でも自粛を続けている。大学に勉強しに行きたいし、アルバイトもしたい。今しかない部活やサークル活動にも参加したい気持ちでいっぱいだ。でも我慢している。若者をひとくくりに攻撃するようなことはしないでほしい。
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どのチャンネルに替えても、朝から晩までコロナ、コロナ、「感染者数が…、重症者が…」と、ほぼ同じ内容の放送をしている。恐怖心ばかりがつのって気が滅入る。テレビを見る気も失せてしまった。何とかならないのか。
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新型コロナの感染拡大が続く中、全国の医療機関、医療従事者への負担が日増しに大きくなっている。それに関連した報道で、「医療体制のひっ迫が懸念されている」というものがあった。どうにもこれは見苦しい表記法である。放送局や新聞社などの報道機関が、用いる漢字を定めているのは知っているが、そこに含まれないからといって、やたらに仮名書きにするものではない。そもそも日本語における漢語は外来語であり、音声よってその意味を理解するものではなく、漢字の組み合わせによって理解されるものである。このことから、「ひっ迫」ではなく「逼迫」と書いて、仮名を振れば良いのではないか。今後さらなる国際化が進み、外国人のテレビ視聴も増えるであろう。その時に、近隣の諸国・諸地域出身者にとっては、「逼迫」の方がはるかに理解しやすいはずである。
青少年に関する意見
【「表現・演出」に関する意見】
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バラエティー番組で芸人6人が都内各所に繰り出し、街歩きをしていたが、うち5人がマスクをしていなかった。一般の通行人はマスク着用が徹底していて、芸人を避けているように見えた。感染症に対する意識の低さが露呈していて、番組を見ていた子どもたちには“悪い見本”と説明するしかなかった。
【「低俗、モラルに反する」との意見】
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ドッキリ番組で、男性が女湯に入ってしまうというドッキリがあった。多くの子どもが見ている時間帯にそのようなドッキリを放送することは快く思えない。また、裸の男性が女湯に入ることを笑いにするという考えが不快に感じる。
【「報道・情報」に関する意見】
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ニュースで、住宅が燃えている火災のシーンが放送され、複数の子どもが亡くなったとナレーションがあった。亡くなられた子どもたちの友人がこの映像を見たとき、どれほどショックを受けるだろうか。消火した後の映像ならまだしも、燃え盛る映像の使用には疑問が残った。
【「危険行為」に関する意見】
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旅をするバラエティー番組でつり橋を渡るシーンがあったが、出演者の一人が橋を揺らし、仲間を怖がらせていた。子どもたちが見ていたら真似をするかもしれないし、危険だと思う。つり橋でふざけること自体が間違っている。