放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第287回

第287回 – 2020年12月

「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」ヒアリングを実施…など

議事の詳細

日時
2020年12月15日(火)午後3時~9時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」千代田放送会館7階会議室
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、二関委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」ヒアリングと審理

フジテレビが2020年5月19日未明に放送した『TERRACE HOUSE TOKYO 2019 - 2020』に出演していた女性が放送後に亡くなったことについて、女性の母親が、娘の死は番組内の「過剰な演出」がきっかけでSNS上に批判が殺到したためだとして、人権侵害があったと申し立てた。これに対してフジテレビは、社内調査によって「人権侵害は認められない」と反論している。
今委員会ではヒアリングを実施した。通常のヒアリングは、申立人、被申立人に対して行われるが、今回は、女性が亡くなっているため番組制作当時や放送前後の様子を知る女性の知人らからも事情を聴いた。また被申立人側も、フジテレビの担当者に加え制作会社関係者からもヒアリングを行った。ヒアリングは全体で5時間に及び、母親は、SNS上で誹謗中傷が集中したあと女性が自傷行為を行ったことは、「SOSを出していたのであり、フジテレビが適切に対応していれば娘が命を落とすことはなかった」などと訴えた。また、女性の知人は当時の様子について、女性とのやり取りから制作スタッフに不信を抱いていたようだと感じたなどと述べた。一方フジテレビ側は、番組に過剰な演出はなく女性を暴力的に描いたことはないとして「人権侵害も放送倫理に反することもない」などと改めて主張した。
委員会は、ヒアリング後に審理を行い決定の方向性について意見を交わし、その議論を基に担当委員が起草に入ることを決めた。

以上