視聴者からのご意見

2020年7月に視聴者から寄せられた意見

2020年7月に視聴者から寄せられた意見

感染が収まらない新型コロナウイルスについて報じた番組への意見や、九州を中心とした豪雨被害など、各局における災害情報に関する意見が多く寄せられた。

2020年7月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,734件で、先月と比較して225件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール80%、電話18%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性56%、女性24%で、世代別では40歳代27%、50歳代22%、30歳代22%、60歳以上14%、20歳代13%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は延べ949件【67局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、26件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

感染が収まらない新型コロナウイルスについて報じた番組への意見が多く寄せられた。また、九州を中心とした豪雨被害など、各局における災害情報に関する意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は64件、CMについては47件あった。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は97件で、前月から20件増加した。
今月は「表現・演出」が27件、「要望・提言」が11件、「いじめ・虐待」が10件、「報道・情報」が9件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの感染が収まらない中で、陽性者や重症者など様々なデータが出ているが、仮定に基づく話題を報じることに不信を覚える。統計では、前提や規則の定め方で、データをどのようにも解釈することができる。意味のない解釈で不安をあおったり、危険を過小評価するのはやめてほしい。

  • 東京新宿歌舞伎町の一番街付近にある居酒屋で働いている。連日の新型コロナ感染報道で、店の売り上げが激減し、迷惑している。歌舞伎町は広い歓楽街で、ホストクラブやキャバクラは一番街付近にはない。また、近辺の同業者に感染者は出ていない。一番街の入り口のアーチばかり放送で映さないで欲しい。この付近全体に感染が広がっているような報道により、店の売上が生活に直結し、困っている。

  • 人気俳優の自殺を受けて、あちこちのワイドショーなどで詳しく取り上げているが、自殺防止の観点から、場所や方法を詳しく報道しないなどのメディア関係者へのガイドラインがあるはずだ。それを周知しているのだろうか。

  • 中国の長江流域で長期的大雨が続いており、世界最大のダム三峡ダムの決壊が懸念され、そればかりか上下流とも大洪水で、1,200万人以上が避難対象となる異常事態が起きている。そのことを日本のマスコミはほとんど報道しない。長江流域には大都市が多く、日本人も数十万人規模で住んでいる。その人たちの親族に対し、何の情報も流さないのは、報道機関としてどうないか。一方、インターネットでは、連日詳細にこの情報が提供されている。このことから見ても、今の地上波、新聞を中心としたオールドメディアは、もはやその役割を果たせていないのではないかと感じている。

【番組全般・その他】

  • 日曜昼の番組を見た。緊急事態宣言が解除された後のロケと思われるが、出演者が移動車の中ではマスクをしていたが、ロケをしている店の中や屋外ではマスクを外して店の人たちと大声で会話をしていた。メディアでは、「新しい生活様式の中で…」などと、しきりに叫んでいるのに、このようなロケを見せられては全く説得力がない。

  • 長時間の歌番組を見た。アーティストと司会の距離が近すぎ、2mも離れていなかった。また、大人数の女性アイドルグループがスタジオで歌を披露したが、それは、いわゆる“密”状態。どのような感染防止対策のもとで放送しているのか。危機感がなさ過ぎる。

  • 北関東に住んでいる。高校野球中継の映像と音声がひどい。中継内容もよく分からない。放送免許を持ったテレビ局が出すレベルとは思えない。ホームビデオをたれ流している感じで、テレビを見ていて酔ってしまう。

  • 世界中のいろんな人と、テレビ電話で各国をめぐる番組を見た。今、新型コロナで外出自粛が長引く中、新たな方法で人と人をつないでいるところがとても良く、司会者のコメントも素晴らしかった。外出ができない中、それを見て元気になった人も多いと思う。今後もこのような番組を作ってもらいたい。

  • 土曜日の夜の番組を見た。久しぶりにいい番組だった。日本の子どもたちの成長を見せてもらい、ありがとうと言いたい。このような番組が次々に放送されるようになるといい。

  • 岩手県に住んでいる。アナウンサーがアポなしで県内の集落を訪れる番組を見た。その土地の人や文化、飲食店が紹介され、普段は気にかけない風土の良さに気づくことができた。派手な演出はないが、郷土を愛する心を育てる良い番組だと思う。地方局は、キー局制作の、東京の飲食店や名所ばかり紹介する番組をそのまま放送することが多いが、このような番組が増えれば、テレビの価値が上がり、東京一極集中にも歯止めがかかるのではないか。番組制作者には頭が下がる思いだ。他の地方局も見習ってほしい。

  • 放送局のツイッターによる防災情報は助かる。携帯電話の電波状況、避難所の開設情報、避難すべきエリアの詳細、各種支援情報など、とても分かりやすい。

  • ニュース番組の豪雨災害や地震情報で、英語による災害情報を放送している局がないように感じる。万が一、来年の東京オリンピック開催期間中に大規模な災害が発生した場合の備えが必要だと思う。以前、BSでは、地震速報を英語でも流したチャンネルがあった。日本語が分からない人たちのために、英語による災害情報を放送した方がいいと思う。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 迷惑ユーチューバーの逮捕を伝えていたが、本来は削除すべき動画を公共の電波で見せる行為はどうなのか。子どもも見ており、逮捕された悪い人だよと捕捉しなければいけなかった。何も考えず動画を流すのでなく、してはいけないことをしたと分かるように伝える努力をしてほしい。

  • 有名人の自殺に関する報道は、子どもや若者の自殺を誘引する危険性があるため、自殺対策の専門家はWHOのガイドラインに従って報道するよう呼び掛けている。自殺を助長しかねない安直な報道に警告を発したい。

【「要望・提言」に関する意見】

  • 子どももテレビを見ている時間に恐怖心をあおるようなホラー映画のCMは流してほしくない。CMは予告なく突然流れるので、対応するにも限度がある。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組で我慢比べ対決と称して50度前後の熱湯に芸人を入浴させていた。今は動画をネットにアップする子どもも多いので、真似しかねない大変危険な行為である。

【「言葉」に関する意見】

  • 出演者が「ら」抜き言葉で話したときにテロップでは「ら」が足されている。なぜ発していない言葉をテロップに入れるのか。こんなにも多くのテレビで「ら」抜き言葉が流されている現在では、新しい言葉として認めてはどうか。